武田薬品工業は1日、スイスの製薬大手ナイコメッドの買収が完了し、完全子会社化したと発表した。ナイコメッドの全株式を約1兆1000億円で取得、社長には武田の米欧販売統括職のフランク・モリッヒ取締役(57)が同日付で就任した。買収で、米国や西欧中心に28カ国だった武田の海外拠点は東欧や中南米、アジアなど新興国に広がり、一挙に約70カ国になった。医療用医薬品の売上高は世界16位から12位に浮上する。 買収資金のうち、約5700億円を金融機関からの借り入れでまかなった。5月中旬の買収発表時から対ユーロで約1割の円高が進行したが、「為替リスクを避けるため、あらかじめ為替予約をした結果、円高メリットはほとんど受けなかった」としている。【新宮達】 【関連記事】 <関連記事>イオン銀行:振興銀買収…数十億円で 30日にも発表 <関連記事>経営陣による自社買収:「MBOで上場廃止」増加 <関連記事