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  • ガッカリする中国の「そういうとこ」|華村@中国

    先ごろ日で行われたサッカーワールドカップ予選の日中国戦を、「中国側のサポーターとして」観戦しようという試みです。よくこんな有意義かつ面白い企画を思いつくものだと唸らされます。 サッカーに毛ほども興味がないままの実況や、日が点を取るたびにごっそりと帰ってしまう中国サポーターなど笑いどころたっぷりなのと同時に、そこに駆けつけた中国人がどのような人たちであったのかをつぶさに観察する記事となっています。ある種、中国国ですら見られない「中国人のリアル」がそこにあるとまで言えるでしょう。 内容はぜひご自身で読んでみてほしいのですが、僕としては後編記事の最後の部分に強く共感せざるを得ませんでした。そこでは中国サポーターたちのマナーの大幅な向上に舌を巻きつつも、その中には抗日戦争当時の八路軍の軍服を着て物騒な内容演説を打つ人物がいたことや、それに賞賛を浴びせていた人が相当数いたことを評して、安田

    ガッカリする中国の「そういうとこ」|華村@中国
    isrc
    isrc 2024/09/10
    人々の間で歪んだ日本叩きや愛国が醸成されているのは、もはや人々が主流の価値観に迎合するために忖度している、あるいは自分で自分を洗脳しているからだ、と見えることがあります。
  • 中国人と日本人、大きなマインドの違い2つ|華村@中国

    この観点は上記の書籍「スッキリ中国論」の受け売りなのですが、あまりにも的確なのでこのマガジンでたびたび引用させていただいております。 中国人が重視する「量」は、言い換えれば「目の前にある現実」です。対して日人が重視する「スジ」とは、「こうあるべきという規範」といえます。 中国人はどこまでも現実的な出来事や影響を基準に行動を起こすのに対して、日人はそうした現実よりも「こうあるべき」ということを優先しがち、ということです。 このことが大きく違いとなって現れるのは、ルールに対する態度です。あるルールが目の前に提示された時、日人はとりあえずそれに従うという人が多いように思います。 それは、日人の間には「ルールには基的に守るべきものだから」「みんながルールを守ることによって物事がうまく行くから」という規範があるからです。あるいは、そこに自分の判断はなく「そうするのがスジだから」という規範に

    中国人と日本人、大きなマインドの違い2つ|華村@中国
    isrc
    isrc 2024/08/06
    中国人が重視する「量」は、言い換えれば「目の前にある現実」です。対して日本人が重視する「スジ」とは、「こうあるべきという規範」/中国人にとって「ソト」の人間は極端に言えば搾取者であり、敵ですらあります
  • 無人運転タクシーと、中国から失われつつあるものの話|華村@中国

    2日連続でタクシーの話題です。またタクシーかよと怒られそうですが、今日は自分の体験談ではなく中国で話題になっているニュースから。 そのニュースとはこちら。 1000台規模の格的な「無人タクシー」の運用が湖北省武漢市で始まった。形式上は「実験」だが、対象地域は同市の7割に達し、利用回数は150万回を超えた。タクシー運転手からは収入減を訴える声も出始めており、自動運転モビリティーサービスは事実上、実用化の時代に入った。 無人タクシーが格的に運用を始めたという話です。 すでに多くのお客さんを獲得し、かなり成功しているようです。おそらくは、そのうち全国的に広がっていくのではないでしょうか。まだ僕の住む街には来ていませんが、もしサービスが始まったらすぐに体験したいと思っています。 いっぽうで、問題やそれに関する議論も出ています。その争点は大きく2つあります。 まず、自動運転車が交通の妨げになった

    無人運転タクシーと、中国から失われつつあるものの話|華村@中国
    isrc
    isrc 2024/07/25
    中国からも、「若さ」が着実に失われている/今日よりも明日を重んじる「若さ」/「ちょっとくらい雇用がなくなっても、すぐに新しい仕事ができるさ」というストーリーを無邪気に信じられなくなっている
  • ひどいタクシー運転手に出会ったが、その気持ちもわからなくはない話|華村@中国

    家族の愚痴とタクシー(ライドシェア)の話題ばっかり書くことでおなじみの当マガジンですが、今回はタクシーの話です。 +++++ 先日、とんでもなく態度の悪いライドシェアの運転手に遭遇しました。 アプリから予約し、到着した車に乗り込むと、そこには20代後半くらいのがっしりした男性の運転手が座っていました。パリッとした襟の白いシャツを着て、髪は短く刈り上げています。ライドシェアアプリで呼んだのですが、おそらくは副業でやっているようなのではなく、正規のタクシー運転手を兼任している人だとわかりました。 しかしこの運転手、僕が乗り込んでもまったく発進しようとせず、窓の外をボーッと見つめています。心ここにあらずといった感じで、僕が乗ったのに気づいてないのかな? と思うレベルですが、さすがにそんなはずはありません。 ひょっとして乗り込む車両を間違えたのかと思い、運転手に「不是我叫过来的吗?」(僕が呼んだ車

    ひどいタクシー運転手に出会ったが、その気持ちもわからなくはない話|華村@中国
    isrc
    isrc 2024/07/23
    中国の不景気を「前からそんなもんでしょ」と思う部分もあったのですが、今回の件は「やっぱりそうも言ってられなくなってるのかも」と感じさせる出来事でした。不景気はもう、かなり人々の足元を崩しているのかも
  • 中国の若者はなぜ焦り、悩むのか|華村@中国

    中国の景気減速(GDP成長率が目標未達)を伝えた上で、「今の中国の状況を象徴するかのような場所」として、「青年養老院」(青年老人ホーム)という施設を紹介しています。 ここは民宿で、定年後の生活の擬似体験としてゆったりと過ごすことをコンセプトとしているようです。動画では、ここに「疲弊する若者」が集まっていると紹介していました。 仕事を辞めてここに来たという男性へのインタビュー(動画5:00より)自分も北京で苦労したので、ここに集う若者の気持ちがわかるという創設者の男性(動画5:54より)施設は北京からほど近い場所にあり、都市での生活に疲れた若者が疲れを癒しに集まっている、ということのようです。 こうした場所に集う若者の動機を、動画では不景気やそれにともなう社会不安であるとして説明しています。 話を聞くと見えてくるのは、中国の若者が直面している社会状況です。景気減速で就職は厳しく、5月の16~

    中国の若者はなぜ焦り、悩むのか|華村@中国
    isrc
    isrc 2024/07/18
    中国ではちょっと日銭に余裕のありそうな兄ちゃん姉ちゃんたちも、そうした戦いの中で疲弊し、焦りを感じざるを得なくなっているのだと思います。彼らは目先の生活ではなく、遠すぎるゴールを見て絶望しているのです
  • 苦労のマッチポンプ、してませんか|華村@中国

    先日、一時帰国の時の感想の一環として、どうも日では「人手を減らすためのシステムに人手を割く」みたいな倒錯した場面が多いのではないか、ということを書きました。 どうしてこうなるんだろう? と考えた時、どうも日人は苦労をすること目的化している人が多いんじゃないかと思うのですね。いわゆる、手段と目的がすり替わるというやつです。 自動券売機の横に立って客の代わりにボタンを押してあげる仕事は、ひいき目に見てもあまり質的な仕事ではないように思いますが、「親切にしてる感」や「頑張ってる感」はなんとなく出ます。なんか頑張ってるし、チケットを買うお客様に対してむしろプラスの行為ではあるから、肯定されやすい(あるいは、否定されにくい)ところがあるのではないかと思います。 「ここにこれだけの苦労をかけているから、すごいでしょう?/頑張っているでしょう?/だから認めて?」ということを人々が思いがちだから、そ

    苦労のマッチポンプ、してませんか|華村@中国
    isrc
    isrc 2024/06/24
    「ここにこれだけの苦労をかけているから、認めて?」ということを人々が思いがちだから、それが発生するし受け入れられてしまう。そんな苦労のマッチポンプが、本質的ではない仕事が横行する理由のひとつではないか
  • ほんやくコンニャクは人類を幸せにするのか|華村@中国

    突然かつ今更ですが、生成AIを含む機械翻訳の進化って目覚ましいですよね。 最近はよくChatGPTを使っていますが、ちょっとした翻訳なら「ビジネスメール風にしてください」とか「ニュース記事に~」とか少しの指定を入れて、あとは原文をそのまま貼り付ければ、ほとんど修正の必要がないほどの訳文が瞬時に出力されてきます。英語だけでなく、中国語でもほぼ同じです。 間違いをしれっと出してくることも少なくないのでチェックは必要ですが、作業量自体は以前と比べ物にならないほど減少しました。商用に耐えるほどの翻訳精度は無理にしても、個人でやり取りをするための翻訳くらいなら、ほとんど機械に任せられるようになっているかもしれません。 あとはこれが音声になれば、夢のリアルタイム自動翻訳機、あるいはドラえもんのほんやくコンニャクの完成です。分野に詳しいわけではないのであまりいい加減なことはいえませんが、一定以上の音声認

    ほんやくコンニャクは人類を幸せにするのか|華村@中国
    isrc
    isrc 2024/06/12
    ほんやくコンニャクは「言葉は通じるけど、話が通じない」という場面をあらゆる場所に発生させ、「やっぱりこいつとはわかりあえない」「どうやっても話が通じない」となってしまう集団や文化を余計に増やすことにも
  • YouTubeも気軽に見れないこんな世の中じゃ|華村@中国

    引き続き義母とお手伝いさんの住み込みによる、中国式子育て生活が続いております。今日はその中で感じた、子育てとはあまり関係のない話を。 +++++ 他人が家にいることに一定のストレスはあるといえ、もうこうした生活にもけっこう慣れました。義母はともかく、お手伝いさんはさすがこちらのプライベートにも配慮してくれるので、始まる前に懸念していたほどのしんどさはありません。手伝ってくれる人がいること、自分の時間が確保できることへの感謝のほうが大きいです。 ただ、こればっかりはどうしようもないな、と思うことが一つありまして。それが、YouTubeを気軽に見られなくなったことなんですね。 なんで? と思われるかもしれませんが、これには中国ならではの理由があります。

    YouTubeも気軽に見れないこんな世の中じゃ|華村@中国
    isrc
    isrc 2024/05/28
    不必要なまでに「正しい価値観」「正しくない行動」を意識させようとしてくる国。それをまんまと内面化し、縮こまったような行動を取る自分。俺は俺を騙すことなく生きていくと、胸を張って言えない自分への苛立ち。
  • 中国式投資詐欺の魔の手は、すぐそこにまで伸びているっぽい|華村@中国

    とある日人男性が受けた、投資詐欺被害の過程を克明に記録したものです。 詐欺は中国人女性からのメッセージを装って進められたもので、男性とのショートメールでのやりとりが生々しく記録されています(筆者の方は中国語駐在の経験があり中国語ができたので、やりとりはすべて中国語で行われていたようです。ちなみに翻訳もついています)。 最初は創作を疑ったのですが、被害者(筆者)のかなり上手だがネイティブのそれではない中国語と、それに対する加害者側からのメッセージに感じる妙なリアリティから、これは当の話ではないかと判断しました。 著者のご人は、詐欺被害に関する啓発・警鐘の意味も込めて一連のnoteを書かれているようなので、拡散のためにもここで取り上げさせていただくことにしました。 ご人がいまどのような状況にあるのか詳しくわかりませんが、被害が補償され、平穏な日常が戻ってくることを心よりお祈りいたします

    中国式投資詐欺の魔の手は、すぐそこにまで伸びているっぽい|華村@中国
    isrc
    isrc 2024/05/10
    明らかにこの「殺猪盤」を下敷きにしたと思しき投資詐欺の話はすでに日本でも普通に聞かれるようになっています。ひょっとしたら中には、すでに元締めが中国人のものも相当数入り込んでいるのかもしれません。
  • インフルエンサーの嘘松と、それを取り巻くしょうもない公権力の話|華村@中国

    話の主役は、RED(小紅書)やTikTok(抖音)などで合計で数千万人ものフォロワーを抱えていた、「一杯mao yi bei」というインフルエンサーの女性です。 火種になったのは、彼女が2月に投稿したある動画です。それはパリで撮影されたもので、現地のレストランの店員に、中国の小学校のテキスト(冬休みの宿題ドリルのようなもの)を渡された、というところから始まります。 テキストには「泰朗qing lang」という名前が書いてあり、「一杯」さんはこの「泰朗」くんにテキストを中国に持って帰って返してあげよう、と面白おかしく呼びかける動画を発表します。この一連の流れが大きく拡散され、メディアもこぞって取り上げました。 その後、「泰朗のおじ」を名乗る男性がとあるライブプラットフォームに出現し、「甥」が通っているという学校の名前を言います。しかし、ここでネット民の有志が調査したところ、全国にいくつか

    インフルエンサーの嘘松と、それを取り巻くしょうもない公権力の話|華村@中国
    isrc
    isrc 2024/04/19
    最近の中国は不景気にもかかわらず、民業圧迫みたいなことばかりやっています。もともと政治の側が建前ばかり守るのが好きで、課題解決よりも点数稼ぎに腐心しやすい環境なので、こうなってしまうのかなと思います。
  • 中国人が会社を辞めたがる3つの理由|華村@中国

    昨日のマガジンでは、日人にとっての会社という観点から、日には「やめたくてもやめられない」人がなぜいるのかということを、自分なりに論じてみました。 その中で中国人の仕事についても少し触れたのですが、今日はその部分について掘り下げてみたいと思います。 +++++ 中国においては、いつかは勤め人をやめ、自分の仕事を持というという志向の人が多いです。少なくとも、「会社員として勤め上げる」ことにはあまり価値を感じていない、とは言えると思います。 データで見てみると、日の雇用における自営業者(self-employed)の割合が9.7%であるのに対し、中国ではなんと45.8%です(数字、画像はともにworldbank.orgより)。 基準が揃っていない可能性もありますが(たとえば日で言う派遣労働の人が個人事業主に数えられている可能性がある)、この数字からも中国の人々は仕事に関して日よりも「雇

    中国人が会社を辞めたがる3つの理由|華村@中国
    isrc
    isrc 2024/04/17
    たとえばITエンジニア業界では35歳〜40歳で無情にもクビを切られる慣例が存在しています。その年齢までに独立できるような準備をしたり、ノウハウを身につけておかなければ、「詰み」になってしまいます。
  • 僕たちはなぜ、大嫌いな会社を離れられないのか|華村@中国

    みんな、会社から抜け出したくてしょうがないんですよね。 やりたくないことをやり、言いたくないことを言い、下げたくない頭を下げることを組織の人間としてやらなければいけない生活に、みんなうんざりしているのです。 でも、その割にはみんな会社を離れようとしません。そもそも「会社員脱出」系コンテンツが鉄板としてあり続けるのは、それを読む人、つまり「脱出したい」と思いながら会社に勤めている人の数が圧倒的多数だからでしょう。なんやかんや、結局はみんな会社をやめていないわけです。 では、なんでやめないんでしょうか。ひょっとしてみんな、抜け出したくて仕方ないほど嫌いな会社のことを、心では大好きなのではないでしょうか。 好きだけど嫌い。そんな少女漫画の主人公のようなアンビバレントな思いを抱えて、日人は生きているのでしょうか。 +++++ 冗談はさておき、みんな会社を嫌いなわりに辞めない理由というのは、よく

    僕たちはなぜ、大嫌いな会社を離れられないのか|華村@中国
    isrc
    isrc 2024/04/15
    中国人にとって会社に勤めることの目的は、「ウチ」としての家族になんらかの利得を持って帰ってくることです。給料、情報、人脈。会社はそうしたリソースを引き出す場であり、人々はそれ以上の思い入れを持ちません
  • 「香港人 vs. 中国人 inスペイン」への私見|華村@中国

    中国SNS(小紅書)のある投稿をスクショしたもので、スペインのバルセロナにおける、中国人の女性の体験談がその主な内容です。以下に要約しつつ翻訳します。 (タイトル)外国で初めての差別が、香港人からなんて思いもしなかった Tossa行きのバスを探していた時、広東語を話す2人の華人を見つけ、駆け寄って「お姉さん、中国人ですか?」と声をかけた。しかし、1人は私と話したくないという様子で、もう1人は私を見て「私は香港人です」とだけ言って去っていった(……つまり、中国人っていうことじゃないの?)。 他にも華人のグループがいて、同じように声をかけたが、彼女たちは一言も話さなかった。一人の親切なお兄さんだけが「(中国語が)わかるよ」と言って方角と、(無視をした)彼女たちも香港人であることを教えてくれた。 まさか中国人かどうかと尋ねたことが、彼女たちを怒らせてしまったのかしら? でも、どうして香港はとっ

    「香港人 vs. 中国人 inスペイン」への私見|華村@中国
    isrc
    isrc 2024/04/08
    「さっさとうちの軍門にくだりなさいよ(笑)」という態度こそが、制度上は中国の一部であり、また中国が目覚ましい発展を遂げたにもかかわらず、香港の人々が中国を警戒してやまない理由のひとつになっています
  • 中国のトホホな「あるある」ムーブの話。爆発事件と取材妨害の件より|華村@中国

    河北省のとある飲店で、ガス漏れを原因とした大きな爆発があり、多くの死傷者が出ました。この事件そのものも大規模なものですが、この件はさらに別のところでも注目を集めています。 というのも、現場にはCCTV、つまり中国の国営テレビの中継や取材チームが入っていたのですが、それらの記者やスタッフなどが現地の警察から妨害を受ける様子が流れてしまったのです。中継のカメラに警察官とおぼしき人間が割り込んできたり、レポーターが取り押さえられるなどの映像が出回りました。これについて批判の声が上がりました。 最終的には記者協会が現地政府に向けて、記者の正当な権利を守るよう抗議声明を発表するという事態になってしまいました。現地政府は声明を受け、謝罪したようです。 TBSによるこの動画は、国営テレビの記者までもが妨害を受けるのは極めて異例で、習近平国家主席による安全への重視の意向を受けて、当局が神経を尖らせている

    中国のトホホな「あるある」ムーブの話。爆発事件と取材妨害の件より|華村@中国
    isrc
    isrc 2024/03/18
    後先を考えずとにかく情報を隠蔽しようとしたり、末端の近視眼的なやりすぎによって、事態が余計に悪化してしまう。この事件はそうしたいくつかの「中国あるある」がもたらしたトホホな案件
  • 屋上と布団から考える中国の「公共」|華村@中国

    中国の都市に住むと、住宅の選択肢はほぼマンションしかないのですが、それらのマンションではほとんどの場合、屋上にも住人が容易に入れるようになっています。 そして屋上に行くと、面白いものが見れることがあります。というのも、屋上にみんながいろんなものを干しているんですね。 多いのは、布団や衣類です。どこから持ってきたのか、適当な柱などに紐やワイヤーのようなものをくくりつけて、そこに大きめの布団や服が干されている光景を中国マンションの屋上ではよく見ます。ベランダが手狭な家が多いので、日当たりのいい屋上に持ってきて干しているようです。 以前住んでいたマンションで撮影エレベーターに乗ると、洗濯物を抱えた人がすでに乗り込んでいる場面にもよく遭遇します。おそらくは屋上に干していた洗濯物を回収してきたところなのでしょう。そういう人は一階まで行かずに途中の階で降りていく(つまりその階の住人)ので、背中を見送

    屋上と布団から考える中国の「公共」|華村@中国
    isrc
    isrc 2024/03/12
    日本では「公共」というものが強すぎて、むしろ「公共」の機能を果たさなくなっている
  • Googleがまったく使えなくなったとき、それでもあなたは中国にいますか?|華村@中国

    中国において、スマートフォンアプリの公開に登録が必要となるという話です。 正確には、もともと中国ではWebサイトを公開するにあたってICPという、そのWebサイトの管理者の連絡先を登録する手続きのようなものが必要です。その手続きの義務が、スマホアプリにも拡大されるということらしいです。 このような登録の措置は、詐欺や違法な情報をやりとりする可能性のあるアプリを監視し、取り締まりやすくするためのものだといいます。しかし、国内外でこれについて、海外アプリの利用のハードルが上がることを危惧する声があると言います。 中国ではアクセス制限によってGoogleやX(Twitter)などが利用できないのはよく知られています。これも違法・危険な情報から国民を守るためということになっていますが、そこには政治的に都合の悪い情報を恣意的に取り締まる、あるいは遮断してしまおうという意図も多分に含まれています。 ス

    Googleがまったく使えなくなったとき、それでもあなたは中国にいますか?|華村@中国
    isrc
    isrc 2024/03/03
    ルールが四角四面に適用されるようになっていった先には、下手をすれば日本以上にルールでガチガチの、息苦しくつまらない社会が待っています。そうなった中国に、僕がいる理由はありません。
  • 中国において「遠慮」が持つ意味|華村@中国

    義実家からは帰ってきたんですが、義実家での出来事でまだ書き残したことがあるので日はそれについて。 ほぼレスリングな紅包の受け渡し春節、つまり中国のお正月にも、日でいうお年玉のような、紅包hóngbāoと言われるお祝いのお金を渡す習慣があります。 紅包は新年以外にも渡すことがあるものですが、もっとも盛んにやり取りされるのはやはりこの新年期間でしょうか。僕も親戚に渡したり、渡されたりしました(ちなみにこの紅包の金額についても言いたいことがあるのですが、それはまた別の機会に)。 今回話題にしたいのは、この紅包の「渡し方」「受け取り方」です。 このテーマでは過去にもマガジンを書いたことがあって、紅包の受け渡しの際は受け取る側がいったん断るようなそぶりを見せてから、それを渡す側が「遠慮しないでいいから」と無理やり渡そうとする、という小芝居を挟むのが通例になっています。若い人はあまりやりませんが、

    中国において「遠慮」が持つ意味|華村@中国
    isrc
    isrc 2024/02/26
    彼らは仲良くなるために、日本人に対して「世話を焼きたい」という願望を持っていますが、日本人に「遠慮」されてしまうのでそのきっかけがつかめないのです
  • 少子化に人々の価値観はあまり関係ないのでは、と中国で思った話|華村@中国

    中国でも少子化が叫ばれて久しく、そのスピードは日をも追い抜くようになりました。 その原因のひとつは、他の先進国と同じように、個人や自由を尊重するようになった価値観だと言われています。 実際に、結婚はしないと考えている人に話を聞きました。上海でバーなどの飲店を経営する30代の女性です。(中略)収入面で不安はないものの、結婚や出産によって、みずからの自由な時間がなくなってしまうと考えています。 「家庭を持つと多くの責任が伴います。今の自分の人生の楽しみを犠牲にしてまで、結婚したくはありません」 上掲記事よりたしかにこのような変化は、周囲の人々からも感じますし、ちょうど「断亲」(親断ち・親戚断ち)とうワードが流行語になりつつあるというのも聞きます。こうした変化が、中国における少子化の理由の一端かもしれないな、と思うことはあります。 ただ、いま義実家での生活を続けていて、当にそうか? と思う

    少子化に人々の価値観はあまり関係ないのでは、と中国で思った話|華村@中国
    isrc
    isrc 2024/02/22
    アジア人が長寿なのが遺伝的なものか社会的なものか、いま存在している人口を大事にせざるを得ない社会は、未来に生まれる命を大事にできない、つまり出生率を押し下げることが避けられないのではないかと思います。
  • 「迷信」と「風習」の差ってなんだっけ、と中国の爆竹に思った話|華村@中国

    2月10日、中国は旧正月の新年を迎えました。今回のマガジンはそういう意味では「新年一発目」に当たります。 今回は新年の爆竹や花火を見て考えた話を。 +++++ 年明けから、そこかしこでとてつもない勢いで爆竹が鳴り響いています。2月10日の深夜から絶え間なく爆竹の音が鳴り響き、眠れないほどでした。 朝が来ても爆竹は5分に1回くらいのペースで鳴り続けます。外に出ると街が全体的に白みがかっており、煙が目にしみるレベルです。至るところに燃えカスが放置されていて、ときおり不発弾が「パン!」と音を立てて、道ゆく人を驚かせています。 こういうのが、そこかしこに積み上げられています花火もすごいです。街中の狭い公園や小区(団地)の中でも、その場に似つかわしくない大きさの打ち上げ花火が上がりまくっています。元日の朝には、河原に大量の使用済み花火が捨てられていました。 5メートルおきくらいにこういう塊が これは

    「迷信」と「風習」の差ってなんだっけ、と中国の爆竹に思った話|華村@中国
    isrc
    isrc 2024/02/12
    「迷信」というのは政治的な方便であって、利用価値のあるものは「習慣」として保存し、そうでないものは「迷信」として規制してしまおう、ということを政治の側があからさまにやっている
  • 中国の「政治的に正しい地図」を知ろう|華村@中国

    中国に入国しようとした韓国人のかたが、持っていた手帳に付属する地図に「台湾を国であるかのように表記していた部分がある」という理由で足止めされ、さらには手帳を没収されたという話です。 中国の入国検査の厳しさにはバラつきがあって、時期による差(普段ユルユルのくせに、政治的重要イベントが近いと急に厳しくなったりする。たぶん点数稼ぎ)や、個人差があることを毎回の入国で感じます。持っている地図にまでイチャモンをつけられるというのは、たぶんかなりのレアケースでしょう。 とはいえ、僕自身これから何度も中国への出入国を何度も繰り返すことになるわけで、余計な足止めをくらわないためにも、中国的に正しい地図がどんなものか知っておく必要はあるかもしれません。 ということで、実際の地図を見て勉強することにしました。 +++++ 中国の正式な地図は、中国の自然資源部(日でいうと国土交通省に当たるのかな?)という政府

    中国の「政治的に正しい地図」を知ろう|華村@中国
    isrc
    isrc 2024/01/26