イタリア北部ベルガモの「聖ヨハネ23世病院」の壁画=2020年10月12日午後5時32分、久野華代撮影 火葬場へ続く軍用トラックの車列 イタリア北部ロンバルディア州ベルガモの工場で働くディエゴ・フェデリーチさん(35)は、仕事を終えると毎日近くの墓地まで車を走らせ、両親が眠る仮づくりの墓にキスをする。父レナートさんと母イダさんは3月、新型コロナウイルス感染症で他界した。72歳と73歳だった。「なぜ、僕一人を置いて逝ってしまったの」。ディエゴさんは墓前で1日の出来事を報告しながら、そう問いかける。年が明けたら二人の遺影を彫り込んだ大理石の墓碑を作りたいと思っている。 この春、欧州で最初に感染爆発が起きたイタリア。新型コロナによる死者は4万5000人を超え、半数近くがロンバルディア州に集中する。ディエゴさんが暮らす人口110万人のベルガモ県では、3月だけで日本の累計死者の2倍を超える4500人