1960年代後半、チャウシェスク政権下のルーマニアではストリートチルドレンが溢れていた。愛情を受け取れずに育った子どもたちは、その後どうなるのか。 最近の相次ぐ児童虐待事件を受け、親の懲戒権が見直され、体罰禁止が法制化されるかもしれない。“しつけ”と言いつつも、実は虐待しているケースに対しては警鐘が必要だ。しかし、親から引き離されて保護される子どもの数が急増するかもしれない。 私がかつてアメリカに住んでいたころ、子どもの泣き声がすると隣人に通報され、すぐに子どもが保護施設に隔離されてしまうという話を聞いたことがあった。親から引き離され、児童養護施設にあずけられる子どもの数が急増したらどうなるか?「チャウシェスクの落とし子」が思い浮かぶ。 1960年代後半、ルーマニア社会主義共和国の国家元首となったチャウシェスクは人工妊娠中絶や離婚を禁止。その結果、ルーマニアの人口は増えたが、貧困と育児放棄