新型コロナウイルスワクチンの高齢者接種を巡り、会津地方に住む全盲の六十代後半の一人暮らし男性宅に点字表記のない接種券が自治体から届き、接種予約に必要な情報に気付けないまま約二週間経過していたことが十八日、分かった。男性は電話予約時に告げる十桁の番号を把握できず、自力では申し込むことができなかった。 男性によると、接種券は四月後半、封筒に入った状態で自宅に郵送で届いた。封筒には自治体名などを示す点字表記はあったが、接種券が入っていることを伝える点字は記されていなかった。 約二週間後、中身を確認してくれたヘルパーの指摘で接種券が入っていたと分かった。五月上旬の予約開始の直前だった。接種券にも点字表記はなく、男性は「(ヘルパーに)指摘してもらえなければ、予約が始まっても気付けなかった可能性がある」と指摘する。 封書の内容が分かってからも、申請するのに苦労した。十桁の番号を暗記し、電話で間違いなく