「この広い世界にふたりぼっち III 神狩の夜」葉村哲(MF文庫J) ―――――「ようこそ、私にうってつけの街へ。塚木咲希」――――― 頬に浮かぶ酷薄な微笑、見慣れぬ制服をまとった彼女は、塚木咲希。――すなわち、咲希自身だった。ふたりが対面した瞬間に、どこにでもある平凡な街は様相を一変させた。人に混じり妖精や小人が歩き、近代的なビルの隣には石造りの古い塔が立つ。神話と現世が混ざり合い、女神ヴェルザンディの望みが今、叶えられようとしていたのだ。そのとき、パートナーである白銀の狼・月喰いが不調を訴えて、本物の咲希に牙をむいた! 封印された神の物語が解き放たれるとき、地上に残るのは神か、人か。 相変わらず雰囲気がいい。 優しくない夢の中いるような気分。2巻もこの3巻もことが突然始まるので状況が把握できないのだが、訳がわからないままこの雰囲気に飲み込まれる。その感覚が心地いい。 3巻は個人的には白
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