文学少女シリーズの短編集。基本的には本編中のどこかに入るお話が多いけど、一話だけ遠子先輩卒業後の話がありました。 本編とは違って、ノリの軽い楽しい話が印象的。最初の「~と恋する牛魔王」なんかはドタバタコメディ調ですし、「~と革命する労働者」もズレた感じがおかしい話。「~と病がちな乙女」は可愛らしい恋の話で素敵でした。本数が多いので、一本一本は本編程の描写の濃さはなく(本に対する蘊蓄も少なめ)、口当りの軽いお話になっていますね。 個人的には最後のエピソード、「"文学少女"の今日のおやつ 特別編 ~『スノーグース』~」が一番のお気に入り。卒業後、大学に入り寮生活を始めた遠子先輩の元に届いた一枚の手紙。それを読んだ遠子先輩の表情、そこに込められた色々な想いが切ない。