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ブックマーク / bibliomania.jp (30)

  • 随想 : 紫色のクオリア

    他の人が全てロボットに見えるという少女と、その友人が巻き込まれた事件についてのお話。 二話構成で一話目が他人がロボットに見える少女・毬井ゆかりについてのお話。ゆかりの友人である学からの視点で、ゆかりについて語るという形式。冒頭から中盤辺りまでは、他人と違った見え方をするだけの(それ故に起こるすれ違いや、趣味嗜好の偏りなどはあったとしても)少女にすぎないように思えるのですが、終盤になって、彼女と他人の「見える世界が異なる」ということの意味が明かされるに至って衝撃を受けます。特に、連続殺人犯の迎えた結末にはぞっとするはず。 ゆかりを目の敵にする、かつての親友である七美という少女がいるのですが、彼女が何故にあんなに頑なになっているのかの理由が解ります。正直なところ、むしろ学の方が異常だと思います。 そしてその学を中心として、さらにとんでもないところに飛躍していくのが二話目。 ゆかりの特殊な認識に

  • 随想 : 七夕ペンタゴンは恋にむかない

  • 随想 : 原点回帰ウォーカーズ2

  • 随想 : 迷宮街クロニクル2 散る花の残すもの

  • 随想 : とらドラ10!

    最終巻。台風みたいなこの恋模様に決着。 流石に最終巻までくれば人を人とも思わぬような傍若無人さはなりを潜めたので、以前ほど嫌いというわけではないのですが、それでも数々の仕打ちの記憶がやはり「竜児と大河」という組み合わせが受け入れられないんだよなあ。 ただ、やはり最終巻ともなると感慨深いものがあるのも確か。 全てを捨てて逃げ出そうとした彼らが、子供としてわがままを張るのではなく、全て諦めないまま大人になることを決意する流れは良かったかな。一時の勢いで飛び出すのではなく、全て受け入れて笑える道を選んだことにほっとしました。 あと、ゆりちゃんが頑張ってた! そこで生徒を信じて体を張れるから、普段からかったりしてても生徒はゆりちゃんのこと好きなんだよな。良い先生でした。良縁があるといいね(笑)。

  • 随想 : ロウきゅーぶ!

    これはロリ小説の皮をかぶった素晴らしいスポーツ小説。表紙や帯の惹句に騙されてはいけません。 バスケによるスポーツ推薦か何かで入学した高校で、当のバスケ部のキャプテンが顧問の娘(11歳)と恋仲になり退学となり、それに伴いバスケ部も一年の活動停止に。気落ちし、バスケを諦めようかとしていた主人公に、従姉が女子バスケ部のコーチの依頼を持ってきた。しかしその学校とは、よりによって小学校で……というお話。 ヒロイン五人が当然全員小学生というアグレッシブさをさておけば、中身は非常に真っ当なスポーツもの。経験者一名、素人四名という女子バスケ部を率い、地区大会優勝の男子バスケ部に挑むという構図。 そんな王道の物語の中で見せる、彼女たちの信頼や決意の強さに、何度も泣かされました。 例えばひなちゃんが背中越しにぽつりと言った言葉。それまでがどちらかがコミカルなパートだっただけに不意打ちで喰らいました。一見ただの

  • 随想 : パララバ ―Parallel lovers―

    なかなか良い青春ミステリでした。 電話でしか話したことがなかったけれど、少し好意を持っていた少年が死んでしまった。生前にあっておけばよかったと思う少女の元に、何故か死んだはずの少年からの電話が。その電話口で彼は、死んだのは少女の方だと言い……というようなお話。 ほんの小さな違いから、波紋が広がるように影響が広がり、二つに分かれてしまった並行世界。電話で繋がる二人が、互いの死の原因を探っていくという展開になります。 多分彼女にとって(そしておそらく彼にとっても)、自分の気持ちを告げる間もなく相手に居なくなられてしまった、その気持ちに決着をつけるためにも、死の謎を解くことが必要な儀式だったんじゃないかな。 ただ、青春ものとしては若干真相が重すぎる気もします。犯人\がこの後どうなったのかを考えると、やや暗澹とした気持になります。 ラストはこれ以上ないくらいの綺麗さにまとまりました。こう終わるだろ

  • 随想 : 丸鍋ねこ3 白崎チカ王政復古(殴)

  • 随想 : 原点回帰ウォーカーズ

    変な登場人物がいっぱい出てくる変な小説! ……なんだけど、不思議と爽やかで読後感が良いお話でした。面白いなあ。 主役っぽい男の子、山崎章夫が登場する(ちなみに小説はヒロイン・アキラの一人称視点)んだけど、この少年の特殊能力が凄い。伊達眼鏡をかけると、微妙なヒーローに変身するのだ。なんと背が五センチのび、ニキビが消え、紙がサラサラになり、かけっこが陸上部員の次に早くなり、水泳は水泳部員の次に達者になり、模試を受ければどこの大学に対してもB判定を取れるという、「一番にはなれない」ヒーロー、その名も山崎毅(誤解なきよう。山崎章夫が変身したヒーローの名前が、山崎毅というのだ)。もうこの設定聞くだけでアホっぽいじゃないですか。 そんな馬鹿みたいな軽いノリなのに、いきなり山崎くん死亡。ええーっ? そこからが番で、変な話に巻き込まれる(というかこの時点ですでに巻き込まれている)んだけど、どういう事件

  • 随想 : 生徒会の四散 碧陽学園生徒会議事録4

  • 随想 : 電波女と青春男

    あいきゃーん(と)ふらーい! 素敵にイカれてイカした青春物語。 新生活を夢見て独身の叔母の家に居候に来てみれば、そこに謎の物体が。一見ちくわにしか見えないそれは、なんと自分の身に布団を巻きつけた少女だった。叔母の娘だというその少女は、自らを宇宙人だと言い張るのだが……というようなお話。 前作同様の戯言まみれの一人称。饒舌な語り口は読んでてくらくらします。ですが、自己韜晦は「みーまー」ほどではないので割と素直に読めますね。 この作者のことだから……と妙に身構えて読んでしまったのですが、意外にもこれが真正面からストレートな青春ものだったんでびっくり。しかも読後感はすごく爽やか。そしてヒロイン(?)が普通に可愛い女の子というのも意外。御船さんはオーバーアクション気味ではあるけれど、さっぱりとした性格で可愛いですね。 話の内容的にはちょっと悪魔のミカタを思い出した(宇宙人に妹がさらわれたと言い張る

  • 随想 : 静野さんとこの蒼緋

    ある日突然父親が「今日から新しい家族が出来る」とか言い出したから、てっきり再婚するものだと思ったら、現れた少女は自分の双子の妹だということで……というお話。 新しくできた家族への距離の取り方に困惑するドタバタ話かと思いきや(いやまあドタバタ話であることも間違いなかったんだけど)、個人的には意外なことに異能系のお話でした。双子が分かれて生きてきた理由もその辺。実はお互いがお互いに、相手の立場をうらやましく思っているんですよね。読者としては両方ともそう思うのは納得できるんですが、実際にその立場に居るそれぞれからすれば「何言ってやがる」って感じになるのも無理はないでしょうね。 しかしそんな二人も、終盤にかけて、次第に相手を認められるようになっていく感じがします(相変わらず言動は厳しいものがありますが)。やっぱりなんだかんだ言っても家族なんだなという雰囲気があって結構好きなお話でした。

  • 随想 : プシュケの涙

    芸術家肌の少年と少女の切ない交流の物語。前半と後半が時系列的にはひっくり返ってるのだけど、その構成もあり、後半の少しずつ歩み寄っていくような二人のやり取りが、どれも大切なものに見えてきます。結末をしっているが故に、やるせなく、哀しく、そして愛しい。 そして、前半の主人公の友人の身勝手さが余計に許せなくなってくるんだよなあ。確かに主人公自身も情けない部分があるんだけど、それでも理解できなくはないんですよね。ただ、あの友人の行動は許せないよなあ……\。ついでに前半主人公の幼馴染は、出番少ないながらも主人公との繋がりの強さを予感させるような描写があり……そのせいでなんとも余計にいやーな気分になれました\。

  • 随想 : 付喪堂骨董店5―“不思議”取り扱います

  • 随想 : SHI-NO ―シノ―過去からの招待状

  • 随想 : "文学少女"と恋する挿話集1

    文学少女シリーズの短編集。基的には編中のどこかに入るお話が多いけど、一話だけ遠子先輩卒業後の話がありました。 編とは違って、ノリの軽い楽しい話が印象的。最初の「~と恋する牛魔王」なんかはドタバタコメディ調ですし、「~と革命する労働者」もズレた感じがおかしい話。「~と病がちな乙女」は可愛らしい恋の話で素敵でした。数が多いので、一編程の描写の濃さはなく(に対する蘊蓄も少なめ)、口当りの軽いお話になっていますね。 個人的には最後のエピソード、「"文学少女"の今日のおやつ 特別編 ~『スノーグース』~」が一番のお気に入り。卒業後、大学に入り寮生活を始めた遠子先輩の元に届いた一枚の手紙。それを読んだ遠子先輩の表情、そこに込められた色々な想いが切ない。

  • 随想 : 放課後の魔術師 ②シャットダウン・クライシス

  • 随想 : C3-シーキューブ-Ⅴ

    ビブオーリオ家族会編のラスト、という感じ。文化祭の最中、ビブオーリオ家族会の一員である「濡れ女」と、研究室長国の闇曲拍明らの思惑が入り乱れ、楽しいお祭りを楽しむ余裕がなくなってしまう一行。 拍明の目的ははっきりしましたが、「好奇心」だけが目的となると交渉の選択は難しいですね……。今回、いんちょーさんはより魅力的な「謎」を提示することで交渉したわけですが、必ずしもそういうものがあるとは限りませんし(それにどっちに魅力を感じるかなんて、個人の嗜好の影響が大きそう)。遠からずフィアらの前に再度姿を現すことになるのは確実でしょうねえ。 そうそう、この巻で一番魅力的だったのは、やっぱりいんちょーさんこと錐霞さん。兄との確執はどういう背景なのかと思っていたのですが、何やら「知るため」だけに色々にやられたことがトラウマになっているっぽい? そりゃそんな理由\でされるのはショックだろうなあと思います。むご

  • 随想 : 幽式

  • 随想 : ゼペットの娘たち2

    いやもう、トルネードとハリケーンが可愛くて可愛くて仕方ないですね! しばらく家を留守にすることになったサツキを待つ間、何か役に立てるようになりたいと料理を習うハリケーンが健気で良いなあ。機鋼人形であるがため、匂いや味がわからず苦戦するのですが、それでも「サツキさんのために」という思いが良いじゃないですか。 しかし付き合わされる身には堪えることもあるようで……。アレックスの楽しげな様子と裏腹に、卓に集まった人々のなんとも言えないリアクションが楽しい(さらにはずれまくった機鋼人形たちのコメントも)。ただ、誰ひとりとしてハリケーンに対して苦言を呈したり嫌味を言ったりはしないんですよね。この屋敷に集まる人は良い人ばかりだなあ。 それから第三話では、ちょっとした恋の予感も。仕事バカのサツキにもそういう感情が芽生えてきたとすれば、それはむしろ喜ばしいことなんじゃないかな。ただ、ハリケーンはこれに対し