『君が僕を』(著:中里十、ガガガ文庫)の第四巻(最終巻)を読んだ。 メモ的にひとまず感想を書いてみました。 以下ネタバレ注意 - 前巻までの感想はこちら。 - 最終巻であるこの巻では、エピローグの前の数ページで、前巻までの構造にさらに一枚の上乗せ、つまり「三十七歳の淳子が書いたテキスト」という形式の小説だったものが「『三十七歳の淳子が書いたもの』をその戸籍上娘とされていた女性が発表したテキスト」という形式の小説になった。 なぜメインのストーリーである淳子と真名の物語からこれほどまでに距離をおこうとしているのか。 それは真名が決定的に(否ではなく)避選択、避決定的であるということのリアリティを確保するためではないかと思う。 詳細については後日書くとして、以下簡単に思ったことを。 「本当がつくと、本当じゃなくなる」(4巻215P、239P) 「あんたは、将来なにになりたい?」「いいえ」(4巻1