歌人の千葉聡さん(48)は、横浜市立桜丘高で生徒から「ちばさと」の愛称で親しまれる、国語の先生でもある。<強情な君の瞳を「夕日」と呼ぶ 「学校やめる」と言った仕返しに><書くことは傷つけること 叫んでもみたかっただろう解答用紙>。生徒との関わりや教師としての悩みを短歌にしてきた。 国語科準備室の入り口近くに小さな黒板を置き、毎日、短歌や詩の一節などを書きつづる。10代の心が迷った時、羅針盤や伴走者になってくれる一節はないか。祈る思いで言葉を選ぶ。 1年に1度だけ、自作の短歌を書く日がある。それは卒業式。今年の式では、担任した3年1組の生徒たちが退場間際、一斉に叫んだ。「ちばさと、サンキュー!」。千葉さん、思わずポロポロと泣いた。個性派ぞろいで苦労させられた日もあったけど、自由奔放な彼ららしい振る舞いじゃあないかと。「自分もお返しに何か叫べば良かったな。『ありがとう』とか『1組最高!』とか」
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