序(本研究の目的および背景) 2000年、文部科学省から、教育職免許法施行規則の一部改正についての留意事項が示された。学習指導要領の改訂を踏まえ、教職免許状の認定に関わる「絵画」の講義に「(映像メディア表現を含む。)」を、「美術理論及び美術史」の講義に「日本の伝統美術」が明記されたのである。「映像メディア」とは何か。学習指導要領によると、写真、ビデオ、コンピュータ等が示されている。「絵画」の講義がそれらの表現を含むことになったのである。一方、同年に改正となった学習指導要領には、もう一つ「絵画」に関わって、改訂された表記があった。それは「絵画」という言葉から<画>が削られ、すべて「絵」と記述されていた点である。 現在、論者は大学で以下に示したような「絵画」や「素描」の実技や理論の講義を担当している。 基礎絵画、絵画I(油彩I)、絵画II(油彩II)、絵画III(素描)、絵画材料論(水彩)、