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ブックマーク / kaoriha.org (13)

  • 中里一日記: ビデオゲームでわかる美術鑑賞

    ビデオゲームでわかる美術鑑賞 岡太郎『今日の芸術』(光文社)を読んだ。1954年に書かれた、古いだ。 古いということは、時として、わかりやすいということを意味する。書の主張も、おそらく五十年前にはわかりにくかったのだろうが、今ではずいぶんわかりやすい。書の主張のうち私が同意できる点について、ビデオゲームを例にとって紹介してみる。 ・芸術はここちよくあってはならない ゲームをプレイするということは、たいてい、緊張するということだ。少なくとも、慣れていないアクション物をプレイするときには、のんべんだらりとはしない。また、たとえ一道のADVであっても、緊張感なくプレイさせるゲームは、なにかしらゲームとしていびつであるように思える。 また、アクション物の多くは、自機がやられてゲームオーバーという不愉快な結末を迎える。アクション物をやるプレイヤーは、丁重にここちよく扱われて満足するためでは

  • 中里一日記: 30分でわかる美学

    30分でわかる美学 「美学」の喪失−−<芸術>の死後どこに行くのか? 美学のを何冊読んでも意味がわからなかったが、これでようやくわかった。 私は永遠の反文化をひとつ知っている。それも、一発ギャグのような代物ではなく、作品といえる形式と技術と社会性を備えた手仕事だ。その不気味さ、醜さ、強さは、一流の芸術作品と呼ぶに値する。が、その作品をここで紹介して知名度を向上させても、メリットがあるのは作家人ただひとりで、残りの全人類にとっては不愉快かつ有害なだけなので、紹介しない。 もし読者諸氏がその作品を求めるなら、この文章の読者としてではなく個人として、思わぬところで偶然に出くわさなければならない。私の知っている作品以外にも、そういう作品はきっとあるだろう。 人間の根源的な不愉快さ、有害さ、いたたまれなさ、不気味さ、場違い・見当違い・お門違い――そうしたもののなかには、永遠に「存在しない」ことに

    j0hn
    j0hn 2008/09/03
    俺は巨大スーパー大好き!
  • 中里一日記: 涙で渡る痴の大河

  • 中里一日記: 難しいプログラミング入門

    難しいプログラミング入門 『やさしいプログラミング入門』といったタイトルのを見るたびに、『鈍才の数学』のことを思い出す。 これは中学か高校のとき教師から聞いた話だ。 かつて、『鈍才の数学』という学習参考書を書いた人がいた。著者がいうには、「天才にとって数学は簡単なので、鈍才が数学に苦しむ理由がわからない。しかし自分は鈍才なので、それがわかる。だから天才よりも私のほうが、鈍才の読者諸君をうまく教えることができる」。納得できる話だ。の内容も大変優れていた。しかし『鈍才の数学』はまったく売れなかった。そこでタイトルを『英才の数学』に変えたところ、ただちにベストセラーになり、数学の学習参考書の定番になった。どうやら、学習参考書を選ぶときに、自分を鈍才と認めることのできる人は少ないらしい。 『やさしいプログラミング入門』には、『英才の数学』的なごまかしを感じる。数学もプログラミングも、ほとんどの

    j0hn
    j0hn 2007/11/03
    面白い
  • 中里一日記: IIS騙し

    IIS騙し サーバ用でないWindowsのIISには、同時接続数が最大10という制限がある。 いきなり余談だが、この制限のかけかたがVistaで変わった。制限に達しているときに届いたリクエストに対するレスポンスが異なる。XPまではエラーを返していたが、Vistaではリクエストをキューに入れて順次処理してくれる。 さて題に戻る。 Windows 2000の時代には、この制限を解除するリミッター外しが行われたこともあった。これはライセンス違反だが、今回ご紹介するのはそれではない。VistaのIISのようにリクエストをキューにためる方法である。使うのはApache HTTPD 2.2。誰でも思いつきそうな方法だが、検索しても見当たらないので、ここに書いておく。 mod_proxyのProxyPassディレクティブにはmaxというパラメータが指定できる。これは、 ・バックエンドサーバとの接続数の

    j0hn
    j0hn 2007/09/18
  • 中里一日記: 安倍首相の憲法観

    安倍首相の憲法観 「憲法は、国の理想、かたちを物語るものだ」 「国家と妄想的に一体化したい」「だから国家は人格的なものであってほしい」という願望を、いまどき恥ずかしげもなく垂れ流すような輩が首相だとは驚いた。 ずっと昔、マダガスカル島の文化を調べたを読んだことがある。たしかウニベルシタス叢書のどれかだ。内容はほとんど忘れてしまったが、宗教的儀式についての記述だけが印象に残っている。それは、男たちが民族の祖先(家族の祖先ではない)を尊んで、祖先と同一化すると同時に、新しい命を生み出す力を憎み貶める、という意味の儀式だった。新しい命は、祖先に背くかもしれない危険分子であり、祖先(および祖先と同一化した男たち)にとっては敵である。 「新しい命は、この祖先共同体を受け継いでくれる存在では?」と思うところだが、それは無神論だ。神が人間に依存しないのと同様、祖先は生きている人間に依存しない。そのため

  • 中里一日記: 護身:XQuery

    護身:XQuery 真の護身が完成すると、危険に気づくまでもなく、危険に近づくことができなくなる、という(『グラップラー刃牙』)。 プログラマも護身する。 護身ができているプログラマは、危険なツールや規格やフレームワークを、その存在に気づくまでもなく回避する。 過去の例を挙げよう。RDBMSMySQLを採用して、4.1の文字化け問題を踏んでしまったプログラマは、護身ができていなかった。護身ができていれば当然PostgreSQLを使っていただろう。 また、現在の例を挙げれば、PHPを使うプログラマは護身ができていない。護身ができていれば当然PythonRubyを使うだろう。 これらの護身は、なにも超能力ではなく、事実にもとづく総合的な判断だ。 たとえば、日人の開発者はMySQLには少なく(おそらく存在しなかった)、PostgreSQLには多い。となるとMySQLがいずれ日語関係で問題

    j0hn
    j0hn 2007/02/13
  • 中里一日記: クラスタにおける空間的局所性

    クラスタにおける空間的局所性 Webサーバクラスタの空間的局所性について。 ノードのキャッシュを効率よく使うには、GET /hoge.gifは常にノードA、GET /foo.jpgは常にノードB、という具合にリクエストを配分する必要がある。全ノードがhoge.gifとfoo.jpgのキャッシュを持つのは無駄だ。ラウンドロビンやランダムロビンでリクエストを配分すると、この無駄が生じる。 では、ノードAがhoge.gifをキャッシュしていることを、どうやって知ればいいだろう。 知る必要はない。「hoge.gifならノードA」と決まってさえいればいい。 クラスタが最初にGET /hoge.gifのリクエストを受け取ったときには、どのノードもhoge.gifをキャッシュしていない。どれでもいい、だからノードAでもいい。 二度目以降はノードAでなければならないが、「hoge.gifならノードA」とい

    j0hn
    j0hn 2006/10/19
  • 中里一日記: 評価基準を評価する

    評価基準を評価する 絵の世界には「デッサン」という評価基準がある。 これが正確にはなにを意味する言葉なのか、いまだに知らない。しかし、70歳の元美術教師から26歳のダメ人間まで、みな同じ「デッサン」という言葉を使っている。 私なりに推測したところによると、どうやらこれは美大の入学試験の科目のことらしい。入学試験では多少なりとも客観的な評価基準が必要になるので、そのためにデッサンという評価基準が作られたらしい。 美大志望の高校生や浪人生なら、デッサンという評価基準を気にするのは当然だ。就活中の大学生が「SPI」という評価基準を気にするのと同じだ。 職場での仕事はSPIでは測れない。わかりきったことだ。だがどういうわけか絵の世界には、美大志望でもないのに、デッサンという評価基準にしがみつく人がいる。 これが元美術教師なら話はわかる。仕事の相手が美大志望者だったから、と説明がつく。美大入試のため

    j0hn
    j0hn 2006/08/11
  • 中里一日記: キャッシュと更新

    キャッシュと更新 昨日の続き。 前にも書いたとおり、削除は哲学的な問題だ。更新も、削除ほどではないが、かなり哲学的だ。 研究レベルでは、「削除も更新もしない」というポリシーが大流行中らしい。すべて追記オンリーで済ませる。当然、HDDの記憶容量は消費する一方で、使い方によってはあっという間にゴミで埋まってしまうが、それは無視するのが研究レベルというものらしい。過去の状態がそのまま取り出せるので便利だが、ゴミで埋まるような使い方があることを考えると、MVCC的な方法のほうが汎用性がある。 私としては、もうひとつ疑問がある。 変化するデータを追記オンリーのストレージ上で表現しようとすると、なんらかの形で、アドレスの予約が必要になる。アドレスを予約できなければ、データが追記されたとき、そのデータのアドレスを知る方法がない。アドレスが予約されているということは、そのアドレスについて「まだデータが書き

  • 中里一日記: 分散ファイルシステムとHDDのあいだに

    分散ファイルシステムとHDDのあいだに ファイルシステムやRDBMSは、なんらかの形でロック機構を持っている。ロック機構がなくてはデータの一貫性が保てない。 分散環境ではロック機構が性能の鍵になる。ノードの数を増やせば記憶容量が増える(スケールアウトする)のは自明だが、ロック機構はそうではない。 また、各ノードに備わるキャッシュ(ローカルキャッシュ)も問題になる。無効になったローカルキャッシュを適切に無効化しなければならない。 これらの要求は、ファイルシステムやRDBMSなどの永続化システムに共通している。また、分散環境では、素朴な方法(環境全体が一定数の同期オブジェクトを共有するなど)ではこれらの要求を効率よく満たすことはできない。 というわけで私は、分散ファイルシステムや分散RDBMSとHDDのあいだに、もう一つのレイヤを設けることを考えた。このレイヤのことを仮に「分散永続化システム」

  • 中里一日記: 『Ajax イン アクション』は糞本だ

    『Ajax イン アクション』は糞だ Dave Craneほか著『Ajax イン アクション』(インプレスジャパン)を8割がた読んだ。 突然だが、戦場は4つの基的な要素でできている。 ・飢え ・埃 ・糞 ・シラミ これだけは絶対に忘れないでほしい。飢え、埃、糞、シラミだ。 これらの四大要素があまり目立たない戦場も、ごく一部にはある。米軍の力はあらゆる不可能を可能にするらしく、毎日シャワーを使うことさえあると聞く。だがそういう恵まれた環境は例外だ。戦場は四大要素でできている。四大要素があるのではなく、四大要素でできている。24時間、四大要素のなかで暮らすのだ。 さて私の経験によれば、Ajax開発は、戦場の暮らしに少しだけ似ている。こちらの四大要素は、多様性、非常識、情報不足、テスト困難だ。 現代のほとんどのプログラマは、こういう経験をしたことがないはずだ。匹敵するものがあるとしたら初期の

  • 中里一日記: DELETEと参照

    DELETEと参照 Houndを通じてかれこれ1年以上、RDB(PostgreSQL)とORM(Cayenne)につきあってきた。そろそろ、この世界の味がわかってきたので、書きとめておく。 結論:DELETEは深遠な哲学的問題だ。 題に入る前に、RDBの濫用について片付けておこう。 RDBは、あらゆるコンピュータ技術のなかで、もっとも濫用されている。積もりに積もった装飾をはぎとってみれば、RDBというシロモノは、ある面で比類なく優れているかわりに、それ以外の面では恐ろしく融通がきかない。オブジェクト指向がミニバンだとしたら、RDBはF1マシンだ。装飾に隠されてはいるが、質は変えられない。このことを忘れて設計した人々は、あとで莫大な額のツケを請求される(こうしてOracleが儲かるわけだ)。 手始めに、行ロックを退けよう。トランザクションを開始するときには、トランザクションを終了するまで

    j0hn
    j0hn 2006/06/21
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