【第34回】 2008年11月04日 プロ野球界の“派遣社員”!? 今ドラフトで急増の「育成選手」の光と影 ――門戸開放?or 格差拡大?『育成選手制度』を考える 先月30日、今年のプロ野球「ドラフト会議」が終わった。 昨年のように中田翔、佐藤由規、唐川侑己ら甲子園を沸かせたスター候補生はいない。話題といえば、「メジャーに挑戦するから指名しないで欲しい」と各球団に要望書を送った社会人ナンバーワン投手・田沢純一を強行指名するチームがあるかどうか、ということぐらいだった。しかし結局、それもなし。ルールに従い淡々と行なわれ、淡々と終わった印象がある。 だが、今回のドラフトで注目すべき点はあった。もう1つのドラフトといえる「育成ドラフト」で指名された選手が急増したのだ。この制度が始まったのは2005年。このとき、育成選手を獲得したのは4球団で6人に過ぎなかった。翌06年には5球団12人、07