荒木とよひささんが作詞、作曲した「四季の歌」は、世代を超えて日本人に愛されてきた。〈愛を語るハイネのようなボクの恋人〉。ただ、3番の「秋」の歌詞には、首をひねる人が少なくない。 ▼「ローレライ」などの作品で知られるドイツのロマン派詩人は、れっきとした男性である。どうして「ボクの恋人」の形容に使われるのか。小欄は3番を歌うたびに、「何でやねん」と、大阪弁のツッコミを入れたくなる。 ▼美しい言葉が並んでいるようで、実は何を言いたいのかよくわからない。その最たる例が、翻訳調丸出しの悪文で名高い日本国憲法の前文だろう。作家の清水義範さんによれば、前文は「高度なボケ」なんだそうだ。こんな具合にいちいちツッコミを入れて、初めて笑えるギャグになる。 ▼「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」「なにを言い出すねん」「わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し」「自分で自分の言っ