「リーン・スタートアップ」は、IMVUというベンチャーのファウンダーのエリック・ライスという人が啓蒙(けいもう)している起業の手法です。 Startup Lessons Learnedというコンファレンスを各地で開催するのに加え、世界各地に100以上の勉強会コミュニティが登場。 リーン・スタートアップの考え方とはどんなものでしょうか。 昔の製品企画は「市場調査に基づいて仕様を決定し、綿密な計画を立て遂行する」というやり方でした。しかしながら、昨今の市場の多くは常に変動するものです。思いがけないところから代替技術が出てきたり、昨日までサプライヤだった会社が競合になったり。 10年前、「アップルとグーグルは将来競合する」などと言えば、「そんな馬鹿な」という反応が大多数だったはずです。しかし、今は「そんな馬鹿な」がたくさんおこる時代。昔ながらの「計画の後に実行」というプロセスは変動要素が多過
Ginzamarkets社CEO・共同創業者のRay Grieselhuber氏と日本のカントリーマネージャーの清水昌浩氏 こんにちは、磯崎哲也です。先日、Ginzamarkets社の共同創業者でCEO のRay Grieselhuber氏と日本のカントリーマネージャーの清水昌浩氏に、お会いする機会がありました。 Ginzamarkets社は「GinzaMetrics」というSEO(検索エンジン最適化)のための分析サービス(SaaS)を運営している会社です。 (注:「SaaS」は、Software as a Service=ソフトウエアをモノとして販売するのではなく、ネットワークを通じて顧客にサービスとして提供すること。) 同社は、アメリカの有名なインキュベーター(ベンチャーの育成会社)である「Y Combinator」社から、2010年に投資を受けました。 今回は、Rayさんのお話を中心
普通のやつらの上を行け ---Beating the Averages--- 著者:Paul Graham Copyright 2001 by Paul Graham これは、Paul Graham: Beating the Averages を、原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。 プロジェクト杉田玄白正式参加テキスト。 <版権表示> 本和訳テキストの複製、変更、再配布は、この版権表示を残す限り、自由に行って結構です。 (「この版権表示」には上の文も含まれます。すなわち、再配布を禁止してはいけません)。 Copyright 2001 by Paul Graham 原文: http://www.paulgraham.com/avg.html 日本語訳:Shiro Kawai (shiro @ acm.org) <版権表示終り> 文中、Eric Raymondの "How to bec
「どの言語を使うか」という問題は、実は当座の生産性の話だけではなく、会社のカルチャーやその後の採用に大きな影響を与えます。ですがーエンジニアが代表であってもーこの問題を意識している人は意外に少ない、というのが正直な印象です。今回は言語毎の特徴を踏まえつつ、どの言語を採択すべきかを考えたいと思います。※Web系に限定しています。 前置き (競合相手のうち)一番安全なのはOracleの経験者を募集しているところだ。 そういうところを警戒する必要は全く無い。また、JavaやC++プログラマを募集しているところも安全だ。もしPerlやPythonプログラマを 募集していたら、ちょっと気を付けたほうがいい。その企業の、少なくとも技術部門は本物のハッカーがやっている可能性が高いからだ。もし私がLispハッカーの募集広告を目にしていたら、きっとかなり心配していただろう。[1] YCのPaul Graha
7. (もしそれが適切なら)コンサルティング業にレベルダウンできるようにしておけ 前に述べたようにコンサルティングはベンチャーの資金を得るには危険な方法だ。だが倒産するよりマシだろう。それは無酸素呼吸にちょっと似ている。長期的には最適な方法ではないが、急場はしのげる。投資家からの融資をまったく得られそうにないなら、コンサルティング業に仕事を変えることで切り抜けられるかもしれない。 これはある種のベンチャーには向いている。たとえばGoogleには向いていないだろうが、ウェブサイト作成ソフトを作る企業なら、かなり自然にクライアントのサイト作成コンサルタントにダウングレードできるだろう。 いつまでもコンサルティング業に忙殺されないよう気をつけさえすれば、これにはメリットもある。顧客のためにソフトを使えば、ユーザをよく理解できるだろう。またソフト販売会社では得られないような自社のソフトを使ってくれ
ポール・グレアム「資金調達サバイバル・ガイド」を翻訳しました。 原題は「A Fundraising Survival Guide」で、原文は http://www.paulgraham.com/fundraising.html です。 翻訳にあたって人力検索とコメント欄でstripafe様、hidetox様、kennejima様、usedhonda様、taiga様のアドバイスを受けています。ありがとうございます。 資金調達サバイバル・ガイド 2008年8月 資金調達はベンチャー起業における2番目に大きい困難だ。最大の困難は、人々が欲しいものを作ることだ。潰れてしまったベンチャーのほとんどは、それをしなかったために潰れた。だが2番目の潰れる原因は、おそらく資金の調達ができなかったからだ。資金調達は過酷だ。 資金調達が非常に過酷な理由の一つは、単に市場が過酷だからだ。学校や大企業で人生の大部分
先月の Agile 2011 Conference の報告のシリーズを EnterpriseZine で連載させていただきました。この日記では Agile UX 番外編として2つほど紹介してみます。 UXを用いた製品の要件定義に関するセッションを2つ紹介 アジャイル開発では、顧客や利用者との頻繁なコミュニケーションを重視します。実際に動くソフトウェアやプロトタイプをなるべく早い段階で提供し、手遅れになる前に見当違いを修正し、潜在的なニーズを少しでも汲み取ることを目指します Agile 2011 Conferenceでは、利用者を観察し彼らとの共同作業を学ぶための場として「User Experience&Interaction Design(ユーザエクスペリエンス&インタラクションデザイン)」と「Working with Customers(顧客との協同作業)」の2つのトラックが用意され、実
最近のアジャイルのトレンドをキーワードで見ると「Continuous Delivery」や「DevOps」といったものが並びます。どちらも、ソフトウェアの開発だけにフォーカスをあてるのではなく、開発した後の運用にフォーカスをあてようとしています。そう、開発から運用にフォーカスが移ってきているように感じます。確かに、繰り返し作っていくということは、順に出来上がって運用に入っていくということなので納得できます。しかし、それでもまだ開発から運用に橋渡しする感じが否めません。そこで、発想を逆転してみて、運用のために開発があるのだと考えたらどうか、という話です。 「アジャイル開発」は、その名の通り「開発」という行為にフォーカスを当てています。タイムボックスをきって、イテレーションを繰り返しながら、動くソフトウェアを少しずつリリースしていく。ソフトウェアを作って、繰り返すにしてもリリースすることがひと
前回のブログから間が開いてしまいました。 3回シリーズでお伝えする「最初のユーザの出会い方(その2)ユーザをセグメントする」をお伝えします。 これから製品を世に出していこうとするかたにまず理解していただきたいのは、「マーケット」と「ターゲット」の違いです。 マーケットとターゲットは一見すると同じに見えますが、「マーケット」を形成するのは、様々な属性を持った複数の「セグメント」です。 例えばモバイルという大きなマーケットにおいても、ビジネスユースを主体とするセグメントや、パーソナルユースを主体とするセグメントが存在するように、1つのソリューションを利用する理由はセグメント毎に異なるのです。 大きなマーケット内に存在する複数のセグメントの中でも、そのソリューションを最初に利用するセグメントもあれば、世間に広がってからでないと利用しないセグメントがあります。 こうしたセグメントを、ソリューション
Meetupなどでも必ず質問として上がるのが、 「どうやったら最初の顧客(ユーザ)は見つかりますか?」 「最初の顧客はどこで探せばいいのですか?」 という質問です。 私はこの質問には3つの回答(手段)があると思っていますので、今回は最初の1つをご紹介したいと思います。 「アントレプレナーの教科書」では、最初にそのサービスを利用してくれる貴重なユーザのことを「エバンジェリスト・ユーザ」と呼んでいます。 エバンジェリスト・ユーザにはいくつかの特徴があり、その特徴の中に、どうやって出会えるのか?の最初のヒントが隠されています。 エバンジェリスト・ユーザの特徴とは、 課題を抱えている 課題を抱えていることを自覚している 課題の解決策を積極的に探している 課題解決のためになんらかの行動を起こしている 課題解決のための予算がある さて、ヒントは見つかりましたでしょうか。 そうです、 「課題解決のために
ベンチャーキャピタルから得た1万~25万ドル程度の少額出資を元手に、3カ月程度と短期の“試行考錯誤期間”を経て生まれる「Lean Startup」。その背景にあるのは、世界共通で使えるスマートフォンやクラウド環境の広がりである(図1)。スマートフォンとクラウドが、起業を目指す人たちの実践の場となり、ビジネスモデルや実装したサービスの検証を簡単にできる環境が整ってきたのだ。 きっかけはiPhoneとApp Storeの登場 トヨタカンバン方式を起源とする「リーン生産手法」に由来する「Lean Startup」という呼び名。Lean Startup Japanを運営する和波俊久氏によれば、この呼び名が使われ始めたのは2008年ころ。iPhoneが登場した翌年であり、iPhone向けのアプリ流通市場「App Store」が始まった時期でもある。 iPhoneを追うように登場したAndroidベー
今回は珍しく社会派の記事。から(強引に)最後はスタートアップと結びつけてみました。 友人のイケダハヤトさんが最近刊行された「スペンドシフト」の著者と対談するらしいということを知り 私は滅多に本を買わないのですが、本を買って読んでみました。 米国の本ということもあり 「 リーマンショック前後から、消費者はより賢く消費するようになった」 「今までの過剰で不必要な浪費主義から堅実で必要性のある消費のみにシフトしてきている」 という米国のトレンドを反映したものがメインメッセージでした。 このメインメッセージを全米の各地域の9つの章の事例から様々な角度で述べています。 デトロイトのカフェによる地域コミュニティ創造 フォードのソーシャルメディア活用 ETSYやHuluの台頭 などが私には印象に残りました。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■事例①:地域コミュニティの創
Paul Graham / 青木靖 訳 2010年12月 最近iPhoneやiPodやAndroidで動く同様のものをひとまとめに言う言葉がないのを不便に思うことがあった。一番近いのは「携帯機器」のようだが、これだと (a) 携帯電話がすべて含まれてしまうのと、(b) iPadの特別な点が捉えらえていないという問題がある。 それからすぐに、これらのものはみなタブレットと呼ばれるようになるだろうことに気づいた。「携帯機器」と呼んでいるのはiPadの前にiPhoneがあったからだ。iPadの方が先に来ていたら、iPhoneを電話とは見ずに、耳に当てられるくらいに小さなタブレットと思ったことだろう。 iPhoneは電話の代替とみなすほどには電話らしくない。これは重要な点だ。今後共通のパターンとして目にするだろうものの初期の例だからだ。私たちの身の回りにある特定用途の品は、そのほとんどとは言わない
■第2回Samurai Venture Summit 〜若き野心、世界へ from Samurai House〜 【Samurai Venture Summit(略称:SVS)とは?目的は? 】 できるできないかでなく、やるかやらないかで世界を変えようとしているSamurai達の 集まりです。 ※日本のSamurai達(起業思考者、スタートアップ企業、インキュベーター、ベンチャーキャピタリスト、ベンチャー企業幹部、大手企業幹部)による、新たなコラボレーションを生み出し、世界を変えるスピードをアップさせます。 【一般ご参加&出展等でのご参加・お申込み方法・参加料金】 すべて、ご招待制になります。 ⇒申込サイトのPASSWORDを、以下の条件で別途お教えします。 ※Samurai Incubate Inc.にすでに関わりのある方は、榊原までご連絡ください。 ※Samurai Incub
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