毎年2月に開かれる「菜の花忌」。作家の司馬遼太郎さんをしのび、当日は「司馬遼太郎賞」の贈賞式などが行われます。前回受賞した静岡大教授の楊(よう)海(かい)英(えい)さん(47)は、中国・内モンゴル自治区出身の文化人類学者。中国では現在もタブーとされる文化大革命(1966~76年)で、その人生が大きく変わり…。(磨井慎吾)文革の辛い記憶 3つの名前を持っている。モンゴル名のオーノス・チョクト、中国名の楊海英、帰化の際に付けた日本名の大野旭(あきら)だ。言論活動では「楊」を使うが、好きなわけではないと話す。「帰化の前から楊の名前で書いてきたから。中国の少数民族は中国名を持たないと不便が多く、その意味では植民地的な名前。でも使っていると常に内モンゴルという自らの出身を意識する」 帰化前の国籍は中国だが、自己認識はモンゴル人。漢民族が支配する中国を祖国とは思わないが、外国では中国人として扱われる。
中国共産党が正史として清史を書くという。なんとも笑えない冗談のようでもあるが、冗談ではない。清朝が滅亡した1912年から期年を設定し、2003年から清史工程として推進されていた。今年終了するらしい。発表は来年であろう。 いつの時代でもその時代の価値観に沿って歴史が書かれるのは、ごく当たり前のことに思われる。何が起きてもそれが重大事件であれば歴史として記されるようにも思われる。だが、中国の正史というのは現代人の考える歴史とは異なる、ある奇妙な物語である。一言で言うなら、中国における正史とは日本における天皇のようなイデオロギー的な幻想であり、ちょうど天皇と等価な存在だろう。 史記を著した司馬遷以来、中国の正史は「正統」を明示するための論証の目的を持っている。その時代の皇帝が天命を受けたことの証明である。司馬遷の場合は武帝が皇帝であるという弁証でもあった。皇帝はひとりでなくては正統とは言えないの
16日、訪豪のオバマ米大統領は、豪州北部ダーウィンへの米海兵隊駐留計画を発表した。2012年半ばからは200人から250人の海兵隊員が同地に半年交代で駐留し、豪州軍と共同訓練や演習を行うことになる予定だ。駐留規模は最終的に2500人にまで強化される。 発表の背景として日本では、軍拡でこの地域に脅威を与えている中国に対抗する意味合いがあるといった報道がなされた。NHKの7時のニュースですら、中国が現在増強している対艦弾道ミサイル(参照)の射程外に米軍を分散展開する目的があるとして、図を使って説明していた。間違いではないが、中国はかつてのソ連のような冷戦的な対立を強く意図しているわけではなく、構図はやや異なるかもしれない。 中国の軍拡に伴う脅威が東アジア諸国に迫り、中国を交えた領海や領土の問題も頻繁に引き起こされる時代になってきたのは確かだが、中国は基本的には、東アジアへの領土拡張の意図を強固
新市場「上海東方国際水産中心」に移転するはずだったが、計画どおりには行かないのが中国(日本の築地→豊洲移転も同様に進んでいないが…) 前回の記事(「利益出てる店は1割だけ」上海の日本人和食店経営、厳しい現実)では、和食レストラン料理人の視点から、上海の飲食店経営の実態について報告した。今回は、東市築地水産貿易(上海)有限公司のトップ「董事総経理」(=マネージングディレクター)を務める丸山雄一氏(58歳)へのインタビューをお送りする。丸山氏は、築地市場内に本社を構える大卸の1社、築地魚市場株式会社(略称・東市=東証二部上場)の監査役まで務めた、この道35年のベテラン。日中双方の魚市場について、それぞれの現場で経営に関与し、実態を熟知している。 月100万元どまりの売上 上海の魚市場は、古くからある「銅川路水産市場」(浦東新区)が2007年末で完全に閉鎖し、「上海東方国際水産中心」(楊浦区軍工
太田述正コラム#4934(2011.8.16) <孫文の正体(その1)>(2011.11.6公開) 1 始めに XXXXさんが送ってくれたばかりの資料、なかなか面白いので、さっそく紹介することにしました。 最初にとりあげるのは、田嶋信雄「孫文の中独ソ三国連合」構想と日本 1917〜1924年--「連ソ」路線および「大アジア主義」再考--」(服部龍二・土田哲夫・後藤春美『戦間期の東アジア国際政治』(中央大学政策文化総合研究所研究叢書6 中央大学出版会 2007年)の第一章)です。 「中国における改革開放政策の進展と国際関係における冷戦体制の終焉は、中独(ソ)関係史研究の史料状況をも劇的に改善し、いままで用いられてこなかった多くの史料へのアクセスが可能となった。」(6頁)と書いてあるだけで、期待感が膨らんだ次第です。 実際、典拠文献として、日本語、英語、ドイツ語、ロシア語、漢語のものがあげられ
海洋進出してくる中国にどう向き合うか。ブロガーなどが提言するような話題ではないが、とりあえず思うところを簡単にまとめて、関連の記事の紹介をしておこう。 基本は三つある。(1)状況を見極めること、(2)中国の甘い提言に屈しないこと、(3)米国との軍事同盟を崩さないことである。 一点目は、原則論よりも状況論を優先していくこと。原則論は議論としては受けがいいが実質的な外交上の成果をもたらさないうえ、問題をこじらせる。 二点目は、いわゆる、「いったん紛争を棚上げにしてまず双方の経済利益を計る」という議論で、朝日新聞社説などでよく見かけるものだ。正論のように見えるが、これは単に、中国の海洋進出を許すだけの結果にもなり問題をこじらせる可能性がある。ではどうするかなのだが、基本は、中国を国際的な枠組みに誘導してタガを嵌めることで、それと経済メリットを勘案することになる。 三点目は、前回おちゃらけ記事で書
「太平洋」、英語でいうと"the Pacific"。形容詞なら"pacific"は「平和な」「紛争を終わらせる」という意味もある。だが、中国四千年、言葉というものは言葉、実体は実体、相和せず。あるいは言葉の端には誤差もある。 18日、フィリピンと中国が領有権を争う南シナ海海域で、無人小型艇25隻を数珠つなぎで曳航していた中国漁船に、違法操業の疑いでフィリピン哨戒艇が接近した。中国漁船は振り切るように逃げたが、フィリピン当局は無人小型艇を取り押さえた。その後、中国側は返還を求めたものの、フィリピン側は拒絶(参照)。 22日、韓国全羅南道・可居島西方約30キロの排他的経済水域(EEZ: Exclusive Economic Zone)で不法操業の中国漁船を韓国海洋警察当局が拿捕。すんなりとは行かなかった。中国漁船船員はスコップや棍棒を振り回して応戦、韓国警察はヘリコプターを出動させ上空から催涙
人文・社会科学について 単発的な話題を扱うブログです。 (目次はカテゴリごとに記してあります。 疑問点は サイト内検索で。) 中国では、民主化は起こるだろうか? 高速鉄道の事故のあとでは、民衆の不満が噴出しているが。 ── 中国では、高速鉄道の事故のあとで、民衆の不満が噴出している。共産党の一党独裁が揺らいでいるように見える。そこで、「中国でもエジプトなどのように独裁体制が崩れるか(民主化するか)」という問題が出る。 これについて、池田信夫が考察している。 → 池田信夫ブログ なかなか興味深い話だ。いつもならば、池田信夫をけなすところだが、今回の話は、なかなか卓抜だと思う。 といっても、彼の話が卓抜だというよりは、私が前に述べた「秩序理論」の話と合致するからだ。(その点では、彼もなかなかセンスがある。) 池田信夫は、「ゲーム理論」の延長で「複数均衡点」という話に持ち込んでいる。しかし、どち
頻尿は高齢者によく見られる臨床症状の一つです。現代医学では、この症状を主に膀胱の機能状況を考えて治療しますが、漢方医学では、主に腎の機能状況を考えて治療します。 漢方の臓腑理論では、腎と膀胱は臓と腑の関係であり、双方の間では臓が主導的な作用を働き、腑の機能状況に強く影響を与えています。特に機能低下(虚証)の場合、腑の症状であっても、多くは臓から治療することになります。 漢方医学の病理認識から言えば、頻尿は腎陽不足によりもたらした膀胱の気化機能低下が引き起こした症状だと考えます。治療する場合、腎陽を補い、膀胱の気化を助ける方法を採ります。漢方薬を使うなら、六味丸や八味地黄丸などを使います。 鍼灸で治療する場合、個人の経験により配穴は多少異なりますが、私の場合、関元、命門、腎兪、列缺、照海、太谿などのツボをよく使います。関元と命門をお灸で温めた方がより効果が得られやすいと思います。 (漢方医師
日本人はもういい加減に中国の二枚舌や残虐非道ぶりに気がついて欲しい。中国は日本の原発事故を高みから眺めて偉そうに非難しているが、中国は32年間に46回も核実験をしたことを忘れたのか? しかも旧ソ連さえも、核実験を実施する地域を封鎖して人の出入りを禁じたにもかかわらず、中国の核実験は現地住民(ウイグル人)に内緒に行い結果46回の核実験で129万人が被害を受け、うちすでに75万人が亡くなっています。 現在も核実験の後遺症で東トルキスタンには種々のガン患者をはじめ、流産、死産,小頭症、重度の知的障害などの被害が続いています。 中国の核実験は北京方向に風が吹いていない日に行われた。結果中央アジア諸国に死の灰を平気で降らせた。 日本放射能防護センター代表の高田純教授は「核を持ち、核実験を実施した国はいくつかあったが、人の密度ある居住区で大規模な核実験を実地するのは中国だけだ、周辺環境への影響を全く考
日本で結構大学生や高校生の就職が厳しいという話があり、それへの警鐘というか、いわゆる危険デマとして、外資系の日本人学生スルーの話が良く出るらしい。ここんとこ、シンガポールやら欧州やらわたわたと仕事をする中で、比較的先方のヒューマンリソース担当のマネージャーと話をする機会がとても多くなった。んで、日本国内で聴く話と現実の様相が全然違う部分があって、一応指摘しておこうと思った。 ● もともと多国籍企業では学卒をいきなりリクルーティングするという行動原理があんまない 日本人学生が駄目ってんじゃなくて、そもそもあんまり学生をいきなり採らない。「日本人学生を採用しないの?」と聴くと、たいてい「人材会社から経験のある日本人がいっぱい紹介されるのに、なんで経験のない、これから教育コストをかけなきゃいけない学生を採用するの? 不合理じゃね?」みたいな回答を良くされる。 同じような話はフランスでもドイツでも
この数日、江沢民前国家主席死亡の噂が飛び交った。私は死んでいないと思っている。その理由と事態の本質について、現在の記録として簡単に印象を記しておきたい。 大手紙の部類に入れてよいと思うが産経新聞は7日、江氏死亡のニュースを流し、あまつさえ号外も出した。「江沢民前国家主席が死去 今後の日中関係にも影響か」(参照)である。結果としていくつかの点で興味深いニュースなので引用しておきたい。 中国の江沢民前国家主席が6日夕、北京で死去したことが7日分かった。日中関係筋が明らかにした。84歳だった。遺体は北京市内の人民解放軍総医院(301病院)に安置されていると見られる。関係者は「脳死」と話している。 江氏は1989年から2002年まで中国の最高指導者である共産党総書記を務め、改革開放路線を推進して高度経済成長を実現する一方、貧富の格差拡大を生み出した。次期最高指導者と目される習近平国家副主席の有力な
判じ物という趣向ではないが、中国の海軍の火遊びについて少し考えてみたい。話が入り組んだ形になるのは、報道のされかたに、まず奇妙とも思える点があるからだ。6月29日16時56分のNHK「中国艦艇が比漁船を威嚇射撃」(参照)は表題からもわかるように、中国艦艇がフィリピン漁船を威嚇射撃した事件の報道だが、事件はいつかというと2月であったというのだ。なぜかくも報道が遅れたのだろうか。 東南アジア諸国と中国が領有権を巡って対立を深めている南シナ海で、ことし2月、フィリピンの漁船が中国海軍の艦艇から立ち去るよう警告されたあと、威嚇射撃を受けていたことがNHKの取材で分かりました。 話を真に受けると、NHKが取材を重ね、6月も末になり、ようやく2月の事件がわかったので報道したということになる。詳細も読んでみよう。 フィリピン政府や軍の高官によりますと、ことし2月25日午後、フィリピンの漁船、マリクリス1
日本を追い越した巨大成長市場・中国で日本人が働く際にぶつかる障害や苦労、給料の相場とは、どのようなものなのか。ホテルマン、鮨職人、メーカー営業、生保の合弁会社管理職…実際に中国で働いている5名が現場で遭遇している話を中心に、最新の状況をお送りする。中国人上司との関係、現地従業員・取引先・行政といった各ステークホルダーのマネジメントや商習慣…中国の人材市場で日本人ワーカーが活躍していく上で参考となる話を聞いた。 Digest ホテルマン:見栄、プライド、プレゼント 鮨職人:日本人が潔癖症に思えてくる 月20万円が相場の寿司職人 従業員の日本化を進める電機メーカー 大手生保:サービスを提供する側がエラい中国 単身でやるのは無理 5年後10年後の体制を疑う国民 ホテルマン:見栄、プライド、プレゼント 私は、地元・新潟のビジネスホテルに23歳で就職、26歳でインターコンチネンタルホテルに転職し、2
(1)米国さんがやってくれた今、日本海に埋蔵される海底資源ってのは、メタンハイドレート(以下、MH)のように岩盤上に蓄積するタイプと、大陸プレート接合面での熱水鉱床から出た溶存金属が積層したタイプに分かれるんですよね。 で、両者とも我が国の領海~EEZ(経済的排他水域)に集中しています。 (もっとも、調査が進めばユーラシア大陸側にも見つかるかも知れませんが。) こいつがEEZ境界とかだったら大陸側諸国もイチャモンをつけれるのですが、どう見ても付けられないぐらいに、日本よりになっています。 3年ほど前、我が国でも新潟沖から北海道奥尻までの水深200m~500mの水深帯にMHの大規模鉱床が見つかったのですが、同時期、ロシアのサハリン・プロジェクトで、日本の商社がガス田掘削の技術をどんどん蓄積していっている。 こいつは米国さんから見ると、エネルギーという首枷から日本が離れていくことを意味しており
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