ハーバード大学の研究チームは、水素に超高圧をかけることによって「金属水素」と呼ばれる状態を作り出すことに成功したと発表した。金属水素は、超高圧をかけられた水素が、金属光沢や導電性といった金属特有の性質を示すようになるもの。金属水素は、常温で超伝導体として振舞うと理論的に予想されていることもあり、高圧物理の分野では長年にわたり金属水素を作る実験が続けられている。研究論文は、科学誌「Science」に掲載された。 超高圧実験中の水素分子。圧力200GPa付近では透明だった水素分子(左)が、335GPaを超えたところから黒色に変化し(中央)、495GPaで金属特有の光沢を示すようになる(出所:ハーバード大学) 水素は通常、水素原子2個がそれぞれの軌道上にある電子を共有し合って結びつく共有結合によって、水素分子H2を構成している。この状態の水素は、分子間での電子の受け渡しができないため電気を通さな