社説 大飯原発再稼働 どこが「安全確保」なのか2012年6月15日 Tweet 関西電力大飯原発3、4号機の再稼働に向けた手続きが着々と進んでいる。 福井県の時岡忍おおい町長と同県議会が再稼働同意を表明し、これらを勘案して西川一誠知事も同意決定する見通しだ。16日にも野田佳彦が再稼働を最終決定する。 福島第1原発事故から1年3カ月余り。がれき処理が進まず被災地の復興はままならない。放射能は今も国民の暮らしに大きな影響を与え続けている。多くの国民がいまだ原発への不安を抱える中、本当に再稼働に踏み切っていいのか。 野田首相が原発の必要性を表明したことで、西川知事が再稼働に合意する環境が整った。福井県原子力安全専門委員会も「安全を確保するための対策はできている」との報告書を提出した。しかし、何を根拠に“安全宣言”をしているのか、さっぱり理解できない。 野田首相の再稼働表明を追い風にして
これでは「喉元過ぎれば…」ではないか。 関西電力大飯原発(福井県)の再稼働が、きのう決まった。経過をたどると、まるで福島第1原発事故がなかったかのような錯覚にとらわれる。 原発事故で故郷や仕事を失ったままの人たちや、放射性物質の危険にさらされて暮らす人たちの視点は、どこにもうかがえない。地元のおおい町から福井県、そして国へと何事もなかったかのように淡々と手続きが進められた。 再稼働をめぐる一連の動きのポイントになったのは8日の野田佳彦首相の記者会見だった。だが、その内容は「福島のような事故は起きない」と意味もなく繰り返したにすぎない。 事故への何の反省も示さないまま、この期に及んでなお「安全神話」を振りまく。原発事故の影響は生易しいものではないし、一体いつまで続くのかも分からない。一国のリーダーとして、その重大性をどこまで理解しているのか甚だ疑問だった。 今、国民の前で原子力を語
野田佳彦首相は関係3閣僚と会合を開き、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を正式決定した。会合前に野田首相と会談した西川一誠・同県知事は「主な電力消費地である関西の生活と産業の安定に資するため、同意する」と伝えたという。東京電力福島第1原発事故後、定期検査で停止した原発の再稼働は初めてで、国内の原発稼働ゼロ状態は終わることになる。 だが、多くの国民は、その決断に不安と不信を抱いているはずだ。 福島の事故を教訓に、政府は脱原発依存を掲げた。ところが、事故から1年3カ月が過ぎても、これからのエネルギー政策をどう進め、その中で原発をどう位置づけるのか、明確なビジョンを示していない。過酷事故対策も先送りしたままだ。 夏場に限定が筋 そうした状況の中で、なし崩し的に原発を再稼働する政府の姿勢をとうてい受け入れることはできない。 夏の電力需要のピークを見据えた8日の記者会見で、野田首相
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く