森ビルなどが約35 年かけて進めてきた「麻布台ヒルズ」。東京都心の一等地の場所に「大垣書店」は店舗を構えている 連日のように、書店の危機が騒がれている。地方はもとより都心の大型書店やチェーンの書店も相次いで閉店するなど、書店を取り巻く情勢は厳しさを増している印象を受ける。 そんななか、苦しいと言われる書店業界の中で、業績を伸ばしているのが1942年創業の老舗書店チェーン「大垣書店」である。京都に本店をおく大垣書店は、書店員の裁量に任せた売り場づくりや地域密着の品ぞろえでじわじわとファンを増やしている。そのこだわりは読書家からも支持を集めているのだ。 多くの書店に足繁く通う坂口孝則氏。大垣書店好調の理由を語っていただいた。 大垣書店を愛し、熱心に通うと話すのが経営評論家の坂口孝則氏である。坂口氏は仕事上でも本を買うことが多く、月の書籍代が多い時で約30万円に達するという無類の読書家だ。大垣書