日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告(65)が会社法違反(特別背任)などで起訴された事件で、保釈中のゴーン被告が日本から中東レバノンに出国したことが31日、わかった。レバノン大統領府の報道官は、ゴーン被告が現地時間29日深夜から30日未明の間にレバノンに到着したことを認め、被告は首都ベイルートの空港でフランスの本人名義のパスポートとレバノンのIDを提示して入国したと説明した。 ゴーン被告は31日、米国の広報担当者を通じ、「有罪が前提で差別が蔓延(まんえん)し、基本的な人権を否定している不正な日本の司法制度の人質ではなくなる」との声明を出した。日本政府は、外交ルートを通じてゴーン被告の引き渡しに向けてレバノン政府との調整を始めたが、難航が予想され、今後、ゴーン被告の公判が開かれる可能性は低い。 東京地裁は2019年3月と4月に保釈を認めた際の条件として、ゴーン被告の海外への渡航を禁じ、パス