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ブックマーク / garth.cocolog-nifty.com (23)

  • ランウェイ☆ビート (2011) - 映画評論家緊張日記

    監督:大谷健太郎(『NANA』) 脚:高橋泉(『ソラニン』) 出演:瀬戸康史、桜庭ななみ、IMALU 公式サイト ある意味完璧な布陣。ここまで地雷臭がただよう映画もそうはない。当然見に行ったよ。オレは『ハート・ロッカー』だからな!(と言ったら「『ランウェイ☆ビート』は誰がどう見たって地雷なんだから、それはカンボジア国境の地雷原に特攻するような行為で、誰の役にも立たない」と意見されてしまった。やっぱりただのアドレナリンジャンキーだったのか!) メイ(桜庭ななみ)は月島商店街の床屋の娘。漫然と月島高校に通い、クラスの女王様的存在であるカリスマモデルミキティの元ヒッキーのダブリ高校生ワンダ(犬田という名前なのでこういう渾名)へのイジメを傍観しているのだが、そこに腰にスカートを巻いたメトロセクシャルなビート(溝呂木美糸という名前……てかDQNネーム!)が転校してくる。ビートの指導で韓流っぽいイケ

    ランウェイ☆ビート (2011) - 映画評論家緊張日記
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    k-s1r 2011/03/20
    田辺誠一だけ見たいけど…いやムリだ。
  • 食堂かたつむり (2010) - 映画評論家緊張日記

    監督:富永まい 出演:柴咲コウ 公式サイト 見ながら思ったんだけど、この映画の柴咲コウって森ガールじゃない? ぞろっとした麻の服かなんか自作してて、すっぴんでソバカス散らして、髪を枝でまとめてる。これ森だよね? メディア的には森ガールと言えば蒼井優になってるみたいだけど、実は柴咲コウこそが中身も含めて真の森ガールではないかという気がしている。柴咲コウの心の中には蒼たる森林が広がっているのではなかろうか。 で、この映画だが、柴咲コウが営業する「べると幸せになる」かたつむり堂のリアリティを突っ込んでもしょうがない。「材はどこで入手してるんだ?」とか「一日一組、高校生の客だけで採算とれるのか?」とか「『甘鯛と帆立のカルパッチョ』作るのはいいけど、残った材はどうするんだ? 豚の餌か?」とか「柴咲コウ、その手つきは丁寧に作ってるっていうより単に手際の悪い人みたいだ。だいたい一皿出して、お客

    食堂かたつむり (2010) - 映画評論家緊張日記
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    k-s1r 2010/03/07
  • 政治と暴力:三島由紀夫&赤報隊 - 映画評論家緊張日記

    また福島まで行ってきた。先月まで、事件取材だと何度も出かけてきたのに。だが、今回は犯罪ではなくて映画のためだ。いや、ある意味犯罪のようなものか。渡辺文樹の新作である。mixiでのポスター目撃情報だけを頼りにはるばる出かけてきたわけだが、いや、とんでもないものを見せられてしまった。 今回、新作は二、『三島由紀夫』と『赤報隊』が上映されたのだが、これは実は一の話である。『天皇伝説』と『ノモンハン』のように姉妹編というのもなく、まったくひとつの話。どうやら一映画として撮ったのだが、話が長くなりすぎたので分割して二立て上映にしたらしい。上映時間三時間半、堂々たる大作である。しかもモノクロ・スタンダード! 三時間半の白黒映画となればもう超大作である。そう、これはある意味これまでの渡辺文樹映画の集大成とも言える一大歴史絵巻だったのだ! 昭和55年、住友銀行では磯田頭取みずからが中途採用の男の

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  • サヨナライツカ (2009) - 映画評論家緊張日記

    監督・脚:イ・ジェハン 出演:中山美穂、西島秀俊 原作:辻仁成 航空会社のエリートサラリーマン、西島秀俊は東南アジアの航路を開拓すべくバンコクを訪れた。同僚のマギー(って誰ですかこの人)がもよおしてくれた歓迎会にはなぜか美人を呼んでいるという。「もうノーブラで乳首なんかたっちゃってこんな!」とマギーが力説するミステリアスなノーブラ美女、それが真中杳子(中山美穂)であった。 西島くんはパンナムとの航空会社対抗草野球に出場する。ちなみに「新聞見ました? アメリカがヴェトナムに負けたんですよ」なんてセリフがあることから(まあそんな無理矢理なセリフを入れないと時代がわからないというところにそもそもの……)1975年の物語と思われる。パンナムは世界の空を支配する巨人で、西島くんの勤める日の航空会社はその牙城に切り込まんとしてるわけ。「好・青・年! 好・青・年!」のコールを受けてバッターボックスに

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    k-s1r 2010/02/01
  • 電動のメリークリスマスFinal - 映画評論家緊張日記

    昼は文学フリマへ。ずいぶん大規模なイベントでびっくりした。とみさわ昭仁氏の『人喰い映画祭』他いくつか。を見ていて「『フロム・ヘル』面白かったです」と言われると買わざるを得ない罠にかかっていろいろ買った。飯田和敏氏がkindle同人誌販売するというのでkindle for iphoneでも閲覧できるか?といろいろやってみたのだがどうもうまくいかず。DiskAIDかiFunBoxがあればいけたんじゃないかと思うんだが…あと、two minutes warning氏のnamesが異常なクオリティの高さ。参加者が女性ばかりだというところもポイント高い。ぼくが着いたときにはすでに完売状態だったらしい映画同人誌Bootlegも運良く譲ってもらうことができた。これには古澤健監督による自主製作映画がおまけについていたのだが、その中身は……あえて触れまい。 夜は池袋のLive Inn Rosaで電動のメ

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  • ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない (2009) - 映画評論家緊張日記

    監督:佐藤祐市 出演:小池徹平 公式サイト こんな映画ばっかり見せられて、こっちが限界かもしれない。 …と言いたいがために見に行ったようなもんだな。これ、ご存じのとおり2chの書き込みの映画化なわけだけど(なぜか映画内では「Bちゃんねる」になってる)、なんか不愉快な映画なのだね。主人公の母親が死ぬところがギャグっぽく撮られていて、どういうつもりなんだろう?と思ったよ。 一応主人公の小池徹平が限界になっちまったところからはじまって、そこからその原因はなんなのかを探っていくという構成。「史上最大のデスマ」? いやそれは大丈夫だった。「中卒だってバレて虐められる」? いやそれも我慢できた。でも……てな調子。『キサラギ』とかもこんな感じだったりするのかなあ?(見てないけど) しかし、根的に理由なんかどうでもいいと思わざるを得ない。あまりに戯画化されすぎた駄目人間ばかりの会社で、最初からこんなとこ

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  • 天使の恋 (2009) - 映画評論家緊張日記

    監督・脚:寒竹ゆり 出演:佐々木希 公式サイト ファッション雑誌にもモデルにもとんと興味のないぼくにとって、佐々木希というのは「tumblerで流れてくるやたら可愛い女の子」である。tumblrで流れてくるとき、そこにはなぜか「のまさん、どうぞ」とタグが打たれている。「のまさん」がどこの誰だかぼくはまったく知らないのだが、佐々木希の写真をreblogするときの礼儀であるらしい。そういうわけなんで、「のまさん、どうぞ」 「17歳のとき」とデカイ字幕が出る。次のカットでは裸で腰にシーツをかけただけの佐々木希が湾岸のお洒落ホテルで夜景を見ているバックヌード。まわりには万札がばらまかれている。17歳にして金で身を売り、「パパ」に高級マンションプレゼントしてもらう女である。学校へ行くとどんくさいメガネっ娘がイジメられている。「金持ってこれないのか? じゃあおまえのヌード撮ってインターネットのサイ

    天使の恋 (2009) - 映画評論家緊張日記
  • 僕の初恋をキミに捧ぐ (2009): 映画評論家緊張日記

    監督:新城毅彦 出演:井上真央、岡田将生 主題歌:平井堅 公式サイト 監督は『ただ、君を愛してる』とか『Life 天国で君に逢えたら』とか難病映画で人を殺しまくってるティア・マイスター。殺した男女は五万人、サバ言うなこのヤロー!いやだが今度はただの難病映画と思ったらおおまちがいだ! 映画がはじまるといきなり病院のベッドの上でお医者さんごっこをしている小学生の男女。女の子が男の子の胸に聴診器を当てて 「うーん。心臓がすごく早いですね。精密検査が必要です。じゃあズボンを脱いで下さい。パンツも脱いで」 「えっ!」 「何を言ってるんですか。わたしは専門家だから大丈夫です。さあ早くパンツ脱ぎなさい。パンツ脱げ-!」 と少年に襲いかかってパンツを脱がそうとするようじょ。ほうほうのていで逃げ出した少年は両親を探しに行く。と、両親は医師の仲村トオル(変態幼女の父)から病状告知を受けている真っ最中であった。

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  • RiP! リミックス宣言 (2008) - 映画評論家緊張日記

    監督:ブレット・ゲイラー 公式サイト (承前) 山形ではコンペ中心に何映画を見た。グランプリを受賞したカナダの『包囲--デモクラシーとネオリベラリズムの罠』はハイエクあたりからはじまってネオリベラリズム思想がいかに世界に浸透し、世界銀行、IMF、WTOの三つのしもべを使っていかに貧困と格差のグローバリズム社会を作っているかを論じる山形浩生が見たら口角泡を飛ばして罵倒しそうな映画だった(もちろんシンクタンクも悪の枢軸の一員なので無問題)。あるいは『アムステルダム(新)国立美術館』では ,アムステルダム国立美術館の改装計画が「通路を守れ!」をスローガンに掲げる自転車乗り団体(オランダではサイクリストは最強のロビイストなのである)の抗議のせいでいつ終わるともしれない仕様変更地獄に陥ってしまう。あるいは特別招待作品の『こつなぎ--山を巡る百年の物語』では山の入会権をめぐる争いが描かれる。そして

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    k-s1r
    k-s1r 2009/10/15
    秘宝で対談企画するべき!
  • 「FBB復活 ガース柳下&ウェイン町山」 - 映画評論家緊張日記

    ベストセラー作家としておなじみウェイン町山智浩氏が毎年おなじみ夏には里帰りするぜ!ということでひさびさにLoft+1でイベントをいたします。「FBB復活 ガース柳下&ウェイン町山」と「町山智浩のアメリカ映画特電」の二立てイベントだそうで、もちろんぼくは「FBB復活」の方に参加します。 7/18(土) OPEN11:00/START12:00 「FBB復活 ガース柳下&ウェイン町山」&「町山智浩のアメリカ映画特電」ライブ! 【出演】 町山智浩(映画評論家) 柳下毅一郎(特殊翻訳家) ¥1000(飲別) 会場:LOFT+1 土曜日昼間のイベントですのでおまちがいなく。他のゲスト等については当方では分かりかねますので直接LOFT+1などへお問い合わせを。

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  • モフセン・マフマルバフ「“明日”では遅すぎる」 - 映画評論家緊張日記

    Makhmalbaf Film Houseよりyoutubeに掲載された2009年6月16日、EU議会にてのアピール(英語スピーチは『ペルセポリス』のマルジャン・サトラピ) みなさん、6月12日の夜、選挙管理委員会からムサビの元へ過半数を制したので勝利演説の準備をするよう電話がありました。その後、ムサビ候補がスピーチを執筆し、彼の勝利を祝う友人たちが集まってきたとき、革命防衛隊の幹部が事務所を襲い、民主革命を押しつぶすクーデターを起こしました。その後まもなく、国営テレビがアフマディネジャドの勝利を宣言し、四人以上の人間が集まる集会を禁止すると発表しました。 昨日、自分の票を盗まれた人々は、当局の禁止令に逆らって、数百万人ものデモをおこないました。多くの死者と負傷者、逮捕者が出ました。私たちは国際社会に、アフマディネジャドの大統領当選を認めないように訴えます。イラン人民は国際社会に待ってほし

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  • 映画芸術フェア@ジュンク堂新宿店 - 映画評論家緊張日記

    ジュンク堂池袋店ではじまった映画芸術+nobodyのフェアだが、場所が変わって今度はジュンク堂新宿店。色紙も運ばれてきた。 おや? なんか一枚色紙に書かれている文字が変わっているような? こういうのなんていうんだっけ? キジも鳴かずば撃たれまい、だっけ? まあトラックバックも送ってこないようなものは無視しようと思っていたのだが、コメント欄でも書かれているので、一応返答しておく。第二次惑星開発委員会NEWSでは 「オレの中にある悪意はルサンチマンという言葉で表現されるものとはちょっと違うと思うな。」 …そうかなぁ? ------------------------------------- 6/2(水) わかったよ、オレは。要するに正義は向こう(行定&柴咲)にあるんだ。あいつらが世間というものであり、あいつらが正しいのが世の中というものなんだ。そして『世界の中心で、愛を叫ぶ』連中を見た瞬間に

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    k-s1r
    k-s1r 2009/06/11
    清々しい
  • 目白雑録3 - 映画評論家緊張日記

    金井美恵子のエッセイ集第三弾。実は珍しく文芸誌に書いた原稿が金井美恵子の目に留まってネタとして料理されてしまったのである。中原昌也が芥川賞候補になったときの待機宴会ルポを〈小説トリッパー〉に書いたのだが、それが「菊池寛の呪縛」と題する回で取り上げられているのだ。 むろん、「特別企画 中原昌也の現在」の二つの「芥川賞選考当日ドキュメント」は、かなり遠回しの芥川賞選考についての批判をこめた、仲間同士の友情と中原の小説に対する支持に満ちた楽しいお祭り騒ぎの集いの顛末を報告した読み物なのであり、新潮社クラブで選考結果を待って中原のために集まっている人たちは「なんらかの正義が来たりうることを期待しているよう」で、そのせいで「理由なき多幸感はいや増し、「もしもこの世に正義があるなら、天は我らに勝利を授けてくれるはず、中原昌也に芥川賞を与えてくれるはず」で「他の候補作など読んでいない(読む気もない)が、

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  • 60年代まぼろしの官能女優たち - 映画評論家緊張日記

    明日からラピュタ阿佐ヶ谷にてほぼ二ヶ月近いレイトショーで60年代のピンク映画を9上映。ともかく幻すぎてタイトル聞いても全然何がなんだかという感じだろうけど、今回を見逃すとたぶん二度と見られない(もちろんビデオにもなっていないし、なる見込みもない)作品ばかりなだけに、告知と宣伝を。 正直なところぼくもこの中で見ているのは二だけなので、面白いかつまらないかなんてまったくわからないのだが、見たうちの一『禁じられた乳房』はたいへんな傑作でびっくりした。いや小川欽也の映画に「傑作」なんて言葉を使う日が来ようとは思わなかったが、当に面白いんだからしょうがない。金がないのでほぼオールロケ、それでいてあまりヌードがない(今のピンク映画と違い、ヌード自体が貴重なのだ)ため、低予算犯罪映画の趣きがある。和製B級ノワールというところか。最良のドリス・ウリッシュマンのような優れたセクスプロイテーション映画

    60年代まぼろしの官能女優たち - 映画評論家緊張日記
  • 252 生存者あり (2008) - 映画評論家緊張日記

    監督:水田伸生 出演:伊藤英明、内野聖陽、香椎由宇 小笠原沖で地震があってメタンハイドレートが放出されていきなり中心気圧870ヘクトパスカルの巨大台風が発生! いきなり大津波が起きてお台場と新橋壊滅! フ●テレビも崩壊!(日テレ製作だから!) 気象庁の香椎由宇は「すいませんでした! 予報はずしちゃいました! もうちょっとリアルデータさえあれば!」と課長に謝るが、時すでに遅く地下鉄新橋駅には伊藤英明ら五名が閉じこめられていたのであった。 いやー笑った笑った。後半は「252! 生存者ありいいい!」と誰かが叫ぶたびに大爆笑。別に律儀に2回-5回-2回と叩かなくったて、音さえ出せば生存者がいるのはわかると思うんだけどな。 で、伊藤英明を救うために東京中のレスキュー隊が新橋の現場に集まって救援活動中なのをテレビで見た香椎由宇は気象庁から飛び出して現場にかけつけ「ダメです! やめてください! 二次災害

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    k-s1r
    k-s1r 2008/12/16
    ダチョウメソッド!>「お先にどうぞ」「いやそっちが」
  • 全文引用 - 映画評論家緊張日記

    既報の通り、第18回Bunkamuraドゥマゴ文学賞は中原昌也の『作業日誌2004-2007』(boid)が受賞した。日は華々しいその授賞式。会場で配られた中原の「受賞の言葉」がたいへん素晴らしかったので、選者高橋源一郎のひそみにならって全文引用してみる。 長い間、ご愛読ありがとうございました 中原昌也 「長い間、つまらないものをわざわざお読みいただいて、当にありがとうございました!」と逆にこちらが深々と頭を下げて、百万円を黙って、どこかの慈善団体に寄付すべきなのに…残念ながらそんな余裕はまったく持っていないし、それ以前に、そんな金があったら破綻した自分の生活を何とかすべきだ…溜まりに溜まった家賃や公共料金に(音としてはそんなくだらないものにビタ一文も払いたくはないのであるが)。 今回、賞金百万円もいただける立派な賞を恵んでいただき、おかげさまで、これで無意味な権威ばかりを与えられて

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  • 天皇伝説 (2008) - 映画評論家緊張日記

    東京発15:08のMaxやまびこ121号で福島に降り立つ。日、世界最初の上映となる渡邊文樹監督作品『ノモンハン』、『天皇伝説』を見るためである。降りるとすでに駅前はポスターだらけで文樹世界……ではない。ポスターがない。どこにもない。文樹映画のトレードマークとなっていたポスターがどこにもない。当に上映はあるのか……という不安は上映直前まで続いた。 開場時間に会場の福島県文化センターに着くと、いつもの渡邊文樹が待っていた。六時半から『ノモンハン』(世界初上映)。これは実は『ザザンボ』以来の福島の土着性を感じさせる重厚な作品で、渡邊文樹の映画作家としての実力を存分に味あわせてくれる。ヒロインの黒瀬麻美が藤原紀香似の美人で、文樹映画の美人素人女優の系譜にまた一頁が加わった(ちなみにサブヒロインもなかなか可愛い)。 だが、心底驚かされたのは『天皇伝説~血のリレー』である。延々と天皇家の血にまつわ

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  • What is it ? (2005) - 映画評論家緊張日記

    映画がらみの取材でLAに来ている。取材も終わったんで今日は映画でも見るか……と新聞を開くと、なんとAmerican Cinemathequeでクリスピン・グローヴァーの監督デビュー作、What is it ? を上映しているではないか! しかも昨日は三部作の第二作、It's fine! Everything is fine.(すでに不吉きわまりないタイトル)を上映していた!!! 後悔先に立たずとはこのこと。しかし一作目だけでも行かないわけにはいかないのです べての予定をふっとばして見に行く。 映画はダウン症の患者たちがくりひろげる愛と憎しみのドラマにグローヴァー自身が演じるシャーリー・テンプル=神=auteurが君臨する地獄世 界がからむというストーリーを説明しろと言われても困るのだが面白いかと訊ねられるとこんなに面白いものはないという強烈きわまりない映画。加えてマイケル・ ジャクソンにな

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  • 『なぜケータイ小説は売れるのか』 - 映画評論家緊張日記

    田透の『なぜケータイ小説は売れるのか』(ソフトバンク新書)読む。たいへんおもしろかった。このの主張を一言でまとめてしまえば、ケータイ小説は現代の女子中・高生のあいだで民間説話のように消費されている、ということになるだろう。これはたいへん卓見で、とりわけ レイプや妊娠や不治の病といった不幸イベントを堪え忍んだ結果、「真実の愛」を見つければ全ての不幸なイベントがキャンセルされ、「幸福」になれるという信仰。それが、リアル系ケータイ小説を読む少女たちの心の中に存在する。だからこそ、「神様」とか「天使」とかいう宗教的概念が連発されるのだ。 という分析には蒙が啓かれた。田透は「恋愛主義」の支配を訴えていたわけだが、どうとうそれは宗教にまでいたってしまったというわけだ。「自分探し」がひとつの宗教と化している……というと、なんだか香山リカみたいだな。 この恋愛信仰は、東京においては肥大化した資

    『なぜケータイ小説は売れるのか』 - 映画評論家緊張日記
  • Life~天国で君に逢えたら (2007) - 映画評論家緊張日記

    監督 新城毅彦 主演 大沢たかお、伊東美咲 公式サイト 実話の映画化でよくあるのが、映画の最後、クレジットのところで人の写真が出る奴だ。あれを見るとたいてい、まあ映画だから美化されてるよなあ、と思うことになる。『俺は、君のためにこそ死にに行く』みたいなどうしようもない映画だって、ただの堂のおばさんが岸恵子だ。だいぶ美化されている。それで、この映画の場合、クレジットで物の飯島夏樹の写真が出たとき、「あ、この人って魅力的な人だったんだろうなあ」と思った。すごくいい顔してるんだよ。同時にそこまで二時間見せられてきた大沢たかおと伊東美咲はなんだったんだという思いに…… まあ伊東美咲の演技があまりに壮絶でね……実際、客もとくに入ってる様子がないわけだが、いったい誰がなんのためにこういう映画を作ってるんだろうなあ。電通様はこの映画を作ってどんだけ儲かったのだろうか。 その後『伝染歌』を見てさらに

    Life~天国で君に逢えたら (2007) - 映画評論家緊張日記
    k-s1r
    k-s1r 2007/09/01
    >伊勢谷の出る映画に凡作なし