すっかり肌寒くなった東京を離れ、気温が連日30度を超えるフィリピンの首都マニラにやって来た。同国は東南アジア最大のカトリック教国である。まだハロウィン(10月31日)を迎えていないというのに、ショッピング街を歩くとクリスマスソングが流れ、電飾が町に彩りを添える。国民の9割に上るカトリック教徒の消費意欲を駆り立てようと、早くもクリスマス気分の演出が始まっていた。現地の日系商社幹部は、「フィリピン人は気が早い」と笑う。 日系企業の多くは、これまでフィリピンを人件費の安い生産拠点と見なしてきた。しかし、国民の購買力は着実に高まっており、今後は消費市場としての拡大が期待されている。 現在、フィリピンでは世帯当たり可処分所得が年間5000ドル(約40万円)を超える中間層以上の人口は3900万人。2015年にはこれが5900万人に、20年には7300万人に膨れ上がるとの予想もある。 日本企業は概して言