漠然と「いい人」みたいな印象を持つ患者さんが、「いい人なら来るはずのない時間」に、 ありえないほど軽い訴えを持ってきたときは、すごく気をつけないといけない。 患者さんに対して先入観を持って接することは、もちろん教科書で勧められているやりかたとは 異なるんだけれど、先入観というのは、潜在意識のささやき。意識に上がってこないレベルで、 自ら積み重ねた経験知が何か伝えようとしているならば、それを使わないともったいない。 「誠実な」患者さんとそうでない人。 漠然とした印象それ自体は、思考を正しい診断から遠ざけるためのバイアスしか生まないけれど、 医師が置かれた状況と、その人に抱いた印象とを結びつける「文脈」を 考えるなら、漠然とした印象は結構大切な手がかり。 問題を系の外側から解く視点を提供してくれることがある。 状況文脈というもの この患者さんは、「この状況に来てもいい人」なのだろうか? 「一週