ついにこの時がやってきた。米政府は中国製のEVにかけられていた25%の関税を、なんと100%に引き上げると発表した。 100%課税とはつまり税込価格は元値の倍。誰がどう考えても懲罰的課税である。米政府はトランプ大統領時代に、米国通商法301条に基づいて中国製品の一部に対して制裁関税をかけ始めたが、今回の引き上げは、従来の25%を一気に4倍に引き上げる措置となる。ついに米国は、常識の仮面をかなぐり捨て、調整名目では説明のつかない関税を実施した。中国を名指しで攻撃しているに等しい。
このところ、電気自動車(EV)に関するネガティブなニュースが増えてきた。国際投資アナリストの大原浩氏は、EV化推進を含む「脱炭素」の欺瞞(ぎまん)が明らかになってきたと強調する。大原氏は緊急寄稿で、いまの日本にとって必要なのは「脱炭素」ではなく、石油や天然ガスなど「炭素=化石燃料」だと強調する。 筆者が「人権・環境全体主義者」と名付ける人々が声高に主張する「人権尊重」「全面EV化」「脱炭素」などの主張は欺瞞に満ちており、「特定の人々」の利益になっても、日本や世界の「ほとんどの人々」の利益にはならないことが暴かれるようになってきた。 「脱炭素」は、いまだにその必要性が科学的に証明されているとはいえないが、「EV化推進」に至っては電気のかなりの部分が化石燃料によって発電されているという「不都合な真実」に対して見て見ぬふりだ。 日本政府が「EV化推進」に舵を切るなかでもハイブリッド(HV)やエン
2024年ーーというか、ここから数年の間、自動車産業の重要なテーマの一つは「ASEANマーケットの覇者になるのは誰」かだ。中国マーケットの縮小が見えてきた今、世界の工場は中国からASEANに取って代わることがほぼ見えた。経済発展に伴いクルマも売れる可能性が高い。 そしてその覇者になりそうなのは、ASEANの工業を半世紀以上にわたって育ててきた日本か、新興の中国かだ。中国は国内に過剰に投資された生産設備を抱え込んでおり、それを生かそうと思えば輸出を振興するしかない。できなければ過剰投資の負債の減価償却で首が締まって行くことは明らかなので、近隣で成長余地と吸収力のあるASEANを視野に入れないはずがない。 成長余地という意味ではインドもまた重要なマーケットではあるが、すでに決戦は始まっており、まだまだ先の長い戦いではあろうが、今のところ日本のリードは大きい。 しかしASEANはすでに風雲急を呼
さて、おそらく金曜日からあちこちでマツダの新しいロータリーエンジンの記事が出ているだろうと思う。新たに登場した8C型ロータリーは、かつての13B型と何が違うのかがかなりこってり目に解説されているはずだ。 まあ、筆者も同様に取材してきたので、結局はそこも書くのだけれど、その前にマツダは一体何を考えて、何をつくろうとしたのかの話から始めないといけない。ということで、またもや長いマツダの話が始まる。 今回登場した「MX-30 ROTARY-EV e-SKYACTIV R-EV(以下、R-EV)」 を端的に説明すれば、メカニズム的には2021年に発売された「MX-30 EV MODEL(以下、EVモデル)」のモーター/発電機と同軸に、発電専用ワンローターロータリーエンジンを追加したものだ。 発電専用エンジンを搭載して電欠のリスクをなくしたことと引き換えに、EVモデルに搭載されていた35.5kWhの
自動車にはかつて「車格」というクラス分けがあった。現在ではめったに聞かない。変わってここ20年ほど、かつての車格を表す時には主に「セグメント」という単語を使う。 30年ほど前、自動車メーカー各社はそれぞれの製品名を分類に使っていた。トヨタは「カローラ・クラス」、日産は「サニー・クラス」、ホンダは「シビック・クラス」、マツダは「ファミリア・クラス」という具合だ。同じものを示す名前が会社によって違うので分かりにくい。 各社の競合する車種名が分類されて頭に入っているクルマに詳しい人にはそれでも良いが、知らなければどれとどれが同クラスか分からない。ちなみに、ここに挙げた各車は、Cセグメントカーである。 「いつかはクラウン」の時代、メーカー側は、出世魚のように顧客を育てていくためにカローラの客かコロナの客か、クラウンの客かが大事だったのだろう。しかし買う客の側に立ってみれば、実際に比較するのは価格や
中国製のBEVと聞いて、どういうイメージを持つだろうか。細かくはいろいろな意見があるのだろうが、大筋2種類だろう。1つは、目覚ましい進歩によって、圧倒的なコストパフォーマンスを達成した、次世代自動車の覇者と見る人。もう1つは、まだまだ未熟で出来が悪いクルマだと考える人だ。 グローバルでも競争力を持つ中国製BEVも 上に挙げた意見に対し、筆者はどちらもあまり的を射たものだと思っていない。既に中国製BEVの一部は製品としてそうそうバカにできるものではなくなっている。それは中国共産党の政策の元で行われてきた、国際ルール上違法性の高い技術転移の成果であり、そのビジネスの背景はともかく、製品単体で見れば既にグローバルな競争力を持つものもでてきている。 BYD ATTO3は中国の比亜迪社(BYD)が販売するBEV。サイズはCセグメントで、電池容量58.56kWh、WLTC航続距離470キロでありながら
だが2021年暮れに開発中のEV全車種をズラリと並べた記者会見でもわれわれを唖然とさせたように、最近のトヨタは以前と変わった。従来のトヨタであれば考えられない姿勢だ。そうさせたのはトヨタの危機感と、世の中の変化への対応だ。世論を味方につけることの重要性を、かつての米国での公聴会騒動でも学んでいる。 ともあれトヨタは一定のマージンを保ってはいるものの、これまでより積極的に情報を発信してカーボンニュートラルを目指すさまざまな方法において、そのどれもが業界最先端の技術開発を最速のスピードで実現しようとしていることは伝わってきた。 今年5月24~26日にパシフィコ横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展」では、電池関連の技術展示が少なく、トヨタグループ各企業の展示内容にも目ぼしいモノが見当たらなかったのは、この「Toyota Technical Workshop」のために発表を見合わせていたの
2020年代に入って、中国の自動車メーカーの伸びがすごい。ただそれがどういう理由であるかを一応押さえておいたほうが良い。というよりそれを理解しておかないと、今世界中の自動車メーカーが直面している経営課題が見えてこない。 BEV領域で頭一つ抜け出した中国製自動車 まずは、特にBEV領域における中国製自動車の実力を理解しておくべきだろう。価格も含めた総合的な商品力において、ここ数年、中国製の自動車は明らかに頭一つ抜け出した。端的な言い方をすればコスパが良い。安かろう悪かろうという意味ではない。走行性能においても、もはやバカにできる状態ではない。 極めて深刻な話として、もし今の延長線上で事態が推移すれば、世界の自動車メーカーの過半は中国に敗北を喫することになる。長年馴染んできたブランドが失われるのは極めて残念な話だが、それは避けられないだろう。 ただし、そんなことに至った筋道には多くの問題をはら
「あれ? なんか話が変わってきていないですか?」 ここ数カ月の「脱内燃機関」に関する報道を見ていて、そう感じた人はおそらく多いはずだ。 内燃機関は世界的に禁止が確定し、世界のクルマは全部BEVになるという話だったはず。しかし日本だけが内燃機関時代の技術アドバンテージにしがみついて、世界で確定済みのルールに対して無駄な抵抗を続けている。 世界で自動車を販売していくのに、日本だけ違うルールにしたところで、グローバルな競争で大敗し、世界から取り残されていくだけ。 ──という話だったはず。 この話は、そもそもの前提理解が間違っていて、内燃機関禁止のルールは確かに世界中で議論されているが、別にそれで確定したわけではない。「世界は脱内燃機関に舵(かじ)を切った」という言葉の受け止め方の問題である。そういう流れがあるという意味では正しい。しかし確定済で変えられない未来という理解は間違っていた。それはここ
トヨタのタイ戦略はどうなるか 日本政府の然るべき人たちに「伝えたい」:池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/5 ページ) 前編では、トヨタのカーボンニュートラル戦略を理解しようともせず、実績にも目を瞑(つむ)り続けて、CO2削減マイナス23%の日本メソッドを訴求しそこねた無策な日本政府に愛想を尽かしたトヨタが、理解者であるタイを軸にASEANのCO2削減に力を入れ始めた話を書いた。 では、なぜタイでは、それが可能なのか? そこはやはりCP(チャロン・ポカパン)グループの凄(すご)さということになる。CPの主要事業の1つに養鶏がある。しかしそこは途上国、海外への食品輸出に関して、衛生や安全規制の不行き届きを疑われ、なかなか輸出が増えなかった時代があった。 CPはそのイメージを覆すことに尽力して、先進国をしのぐ管理体制を整えた。安全、安心。そして環境貢献。そのために彼らは食品の安全性のトレー
日本の自動車業界は今後どうなるのか。タイトヨタの設立60周年記念式典、およびトヨタとCPグループとの提携に関する発表から、未来を展望する。 「2023年の自動車業界展望」というテーマなのだが、あんまりフラットな話をしてもつまらない。そこでもぎたてとれたてのホットな話を書いて、未来展望としたい。 実は筆者は、12月の13日から20日までタイに出張していた。全部トヨタの取材である。要素を抜き出せば、まずはタイトヨタの60周年式典、それと合わせて発表されたトヨタとCP(チャロン・ポカパン)グループとの提携である。 次いで、トヨタの利益の3分の1を叩き出しているIMV(Innovative International Multi-purpose Vehicle:国際分業生産システムで製造する多目的商用車)の追加車種および新型車の発表。さらにそのIMVを生産するチャチェンサオ県のバンポー工場の見学と
脱炭素が重要であるという話はもはや誰もが知っているだろうが、その方法論となると諸説飛び交っており、なかなか一筋縄ではいきそうもない。結論から言えば、どれかひとつの方法でやろうとしてもそれはなかなか難しい。 諸説ある中で、おそらく現在最もポピュラーなのは、再生可能エネルギーとBEV(バッテリー電気自動車)の組み合わせである。もちろんそれはそれで重要なのだが、今すぐに世界の全てのクルマを全部BEVにしようとしてもそうそううまくいくわけではない。バッテリー原材料の調達を見ればそれは明らかだ。 現在、車載用バッテリーのグローバル生産量は200~300GWh(ギガワットアワー)。今後、どんどん生産拡大できるかどうかはかなり疑わしい。なぜなら原材料となるレアアースの採掘は、増産レスポンスが極めて悪いからだ。 一般に鉱山開発は10年から15年の時間がかかるとされている。つまり直近で数字が伸びたとしても、
「水素エンジン」は本当に実用化するのか トヨタの本気が周りを動かし始めた:高根英幸 「クルマのミライ」(1/4 ページ) 水素エンジンが急速に注目を浴びている。2021年、トヨタがスーパー耐久レースへカローラスポーツに水素燃料仕様としたパワーユニットを搭載して参戦してからというもの、その熟成ぶりと他メーカーも巻き込んで開発が一気にヒートアップしている。 そもそも水素エンジンは1990年代から2000年代かけて開発されていた。マツダやBMWが実用化を目指したものの、インフラが十分に整っていなかったこともあって、実証実験レベルで終わってしまい、人々の記憶からも消えていた存在だった。 しかしインフラはFCV(燃料電池車)の登場により、2000年代とは比べ物にならないほど(といってもまだ完全普及にはほど遠いが)整えられつつある。つまり燃料電池による水素利用によって、再び水素エンジンの可能性を引き上
近視の多くは、眼軸が本来の位置よりも後ろに伸び、遠くのものへの焦点が合わなくなった「軸性近視」という症状だ。クボタグラスでは、着用者の網膜周辺に光とともにぼかした像を投影。伸びてしまった角膜から網膜までの長さである「眼軸長」を短縮することで近視の根本原因の治療を図る。同社広報は「一般的に遠くの風景を見続けると、視力が低下しにくいとされているが、そうした構造に似ている」と話す。 関連記事 ソニーの「着るエアコン」“バカ売れ” 猛暑追い風に「想定以上で推移」 連日の猛暑が続く中、ソニーグループ(ソニーG)が4月に発売した、充電式の冷温デバイス「REON POCKET 3」(レオンポケット3)の売れ行きが好調だ。同製品は「着るエアコン」とも呼ばれており、ビジネスパーソンを中心に売り上げを伸ばしている。 タイガーとサーモスの「炭酸対応ボトル」、猛暑で販売好調 節電ニーズも追い風に 記録的な猛暑が続
Appleは7月1日、iPhoneやiPad、AirPodsなどの各種製品を値上げした。上げ幅はiPhoneシリーズで最大4万円、iPadシリーズは最大6万7000円。同社は、6月7日に現行製品を含むMacの価格を引き上げたが、iPhoneやiPad、AirPodsの価格は据え置きとなっていた。 iPhoneの場合、iPhone 12/13/13 mini/13 Pro/iPhone 13 Pro Max/SEの全モデルで値上げしており、例えば、3月に発表されたiPhone SEは、円安基調を反映して5万7800円と、旧モデルより8000円割高の価格が設定されていたが、今回の改定でさらに5000円値上げ。6万2800円スタートとなっている。 最上位モデルのiPhone 13 Pro Maxの場合、128GBが13万4800円から15万9800円、256GBは14万6800円から17万480
オプテージのMVNO「mineo」が3月に導入した新プラン「マイそく」を検証した。従来の容量別プランとは発想が異なる“通信速度”で選ぶ料金プランだ。上限設定がない“データ使い放題”型だが、幾つかの制約がある。 速度を選べる3プラン マイそくには、2つのプランが用意されている。月額990円(税込み、以下同)で最大通信速度が1.5Mbpsの「マイそく スタンダード」と、月額2200円で最大3Mbpsの「マイそく プレミアム」。8月下旬以降には、月額660円で300kbpsという低速・少額プラン「マイそく ライト」も提供される。 マイそく スタンダード……月額990円、最大1.5Mbps マイそく プレミアム……月額2200円、最大3Mbps マイそく ライト……月額660円、最大300kbps(8月下旬以降) モバイル通信網はau網、ドコモ網、ソフトバンク網から選べるので、使いたいスマホに合わ
日産自動車は6月13日、新発売を控える軽電気自動車の「日産サクラ」が受注1万1000台を突破した、と発表した。日産サクラは同社が5月20日に発表した新型車両で、6月16日に販売を開始する。6月13日時点での受注台数は1万1429台。 日産サクラは、日産と三菱自動車が共同開発したBEV軽自動車の、日産による販売モデル。三菱による販売モデルは「ekクロスEV」で、同じく6月16日に発売を控えている(関連記事)。 受注の内訳は、上位グレードから順に、グレードGが36%、グレードXが61%、最廉価で商用向けのグレードSが3%。最も人気のボディーカラーはホワイトパールで21%だった。購入者の年齢は60代が最も多く26%、次いで50代が24%、70代が21%だった。 同社は「お客さまの特徴としては、2台目以降の複数所有車の方、そして以前より電気自動車に興味をお持ちのガソリン車等を所有の方からの代替えが
もっとも“転落”と言っても、技術開発競争の激しいスパコンの世界で2年もトップに輝いてきた実績は大きい。また他の性能評価ではいまだに世界一。その理由は、富岳が単純なベンチマークテスト向上を目的に開発されたスパコンではないからだ。 スパコンの性能評価はいくつもの指標があり、「TOP500」はLINPCKという演算ライブラリ(方程式を解くための関数の集まりのようなもの)を用いた計算速度の評価だ。LINPACKとは異なる方法で一次方程式の性能を評価する「HPCG」や、ビッグデータの分析処理能力の指標となる「Graph500」では現在も富岳が首位をキープしている。 国家レベルで開発競争が展開されているスパコンの中で、富岳が競争力を維持できているのは、より応用的あるいは実践的な指標において優れているからで、実は「2位でもスゴイんです」と強調しておきたいが、このニュースに伴って振り返るべき言葉がある。
トヨタ自動車は5月2日、同社初の量産BEV「bZ4X」のサブスクリプション価格を発表した。bz4Xは、トヨタが展開するサブスクリプションサービス「KINTO」のみで提供され、12日正午から申し込み受け付けを開始。初期販売分は3000台としている。 「bZ4X専用プラン」の月額利用料は、最長10年の契約期間のうち、最初の4年は10万7800円だが、「CEV補助金」(クリーンエネルギー車を購入した際に交付される補助金:85万円)を適用することで、月額8万8220円からとなる。それ以降は、5年目で7万5460円、6年目は7万70円と月額料金を減額。契約が満了する10年目は4万8510円となる。 トータルの支払額は、補助金なしで963万7320円、CEV補助金のみを適用した場合で869万7480円。bZ4Xの本体価格は600万円だが、プランには自動車保険や自動車税、車検代、メンテナンス代の他、契約
ドン・キホーテは12月6日、Android TV搭載のディスプレイ「AndroidTV機能搭載チューナーレス スマートテレビ」を12月10日から全国の系列店で販売すると発表した。価格は24型が2万1780円、42型は3万2780円(税込)。 解像度はどちらも1920×1080ピクセルのフルHD。無線LAN(2.4GHz帯)や有線LAN、3つのHDMI端子などを備え、ネット動画の他、ゲームやPCモニターなど幅広い用途に使えるとしている。 OSはAndroid 9 Pie。スマートテレビなどに使われる台湾MediaTekのクアッドコアCPU「MSD6683」と1GBメモリ、8GBのストレージ(eMMC)を搭載した。 ドン・キホーテは「YouTubeやNetflix、Amazonプライムビデオなど動画配信サービスの充実で日常的に動画を視聴する人が増えた」と指摘。動画視聴に特化し「あえてテレビチュ
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