来年春から使用される高校教科書について、東京都教育委員会は27日、学習指導要領で指導を義務付けられた国旗掲揚、国歌斉唱を「強制」と記述した実教出版(東京)の日本史教科書を「使用は適切でない」との見解を示し、選定作業が行われる全ての都立高校など計216校に通知した。 文部科学省によると、事前にこうした見解を伝えるのは全国的にも極めて異例。都教委は「各校で適正に教科書を選定できるよう、より分かりやすく考えを伝えた」としている。 通知に強制力はないが、この教科書を選定した場合、都教委が8月の採択時に「不採択」と判断することもあるという。 問題となっているのは、1、2年生が使用する実教出版の「高校日本史A」と、来年度に向けて改訂された「高校日本史B」の国旗、国歌をめぐる記述。 政府は平成11年に国旗国歌法が成立する際、同法は国民に国旗掲揚や国歌斉唱を強制しないと国会審議で明言しており、昨年1月の最