国家公務員法が禁止する政治的行為について、最高裁判所は「公務員の地位や権限などを総合的に考慮すべきで、中立性を損なう具体的なおそれがある場合に限られる」という初めての判断を行いました。 そのうえで、政党の機関紙を配布して起訴された旧社会保険庁の職員に無罪の判決を言い渡しました。 旧社会保険庁の職員で現在の日本年金機構の堀越明男准職員(59)と厚生労働省の元課長補佐宇治橋眞一被告(64)は、いずれも休日に日本共産党の機関紙を配布したことが、国家公務員法が禁止する政治的行為に当たるとして起訴されました。 2審の東京高等裁判所は、准職員を無罪とした一方で、元課長補佐に対しては罰金10万円を言い渡し、判断が分かれていました。 判決で最高裁判所第2小法廷の千葉勝美裁判長は「政治的行為が禁止されるのは地位や権限などを基に総合的に考慮したうえで、公務員の中立性を損なう具体的なおそれがある場合に限られる。