日本と中国が領有権をめぐって対立している尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺の海域は先月30日、にわかに緊迫感に包まれた。中国海軍のフリゲート艦が海上自衛隊の護衛艦に対し、射撃用レーダーを照射したからだ。 射撃用レーダーを照射するのは相手をミサイルや砲撃の目標と認識しているということだから、攻撃の前段階とみられてもおかしくない。 この事件の前に、尖閣諸島とその周辺海域の日本領空を飛行する中国機に自衛隊機が警告射撃を行うと日本メディアが報じていた。事実とすれば、中国公船による領海侵犯が頻発していたことへの対抗措置である。日本側は、先月19日にも中国軍の艦船から海上自衛隊のヘリコプターに同様のレーダー照射があったとしている。 まったく背筋が凍るような進展ではないか。 今では相当に年を取っているはずの元海兵たちにしてみれば、強い海軍力を持つライバル国同士のやり合いなど目新しい話ではないだろう。冷戦期を