イチイの樹の中に半ば隠れるようにして群れていた雀の群を撮っていたら、さすが警戒心が強く、そのうちの一羽にかなり気合いの入ったきつい視線を向けられた。睨まれた。雀に触れるのは不可能な気がした。
美しき天然, 8:33 空にさえずる鳥の声 峯より落つる滝の音、 大波小波とうとうと 響き絶えせぬ海の音、 聞けや人々面白き 此の天然の音楽を。 調べ自在に弾き給う 神の御手の尊しや。 …… ある年代以上の人にとっては(昭和32年生まれの私はギリギリ)聞き覚えのある旋律だと思う。サーカスのジンタやチンドン屋でおなじみの曲「美しき天然」(田中穂積作曲、武島羽衣作詞)。もっとも、若い人たちは、阪神・淡路大震災を機に生まれたソウル・フラワー・ユニオンの別働隊チンドン楽団ソウル・フラワー・モノノケ・サミットがカバーした曲としてなじみがあるかもしれない。しかし、こんな詩がついていたことを知る人は少ないのではないか。これが、姜信子さんが自らの旅の人生をそこに重ねながら、その跡を辿った、佐世保で生まれ、朝鮮半島、ソ連極東、中央アジアと、海峡を越え、国境を越え、大陸を横断した、高麗人の追放と流浪の語られざ
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