【前編】「日本人は『人に迷惑をかけない』を優先します」フランス出身女性・佐々木イザベルさんが日本での就職を選んだ理由より続く 【写真あり】夫・淳さんの船『権現丸』に乗るイザベルさん ルネサンス期を代表する画家・ボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』。愛の女神の誕生シーンを描いた歴史に残る名作だが、大きなホタテ貝とともに描かれており、ホタテ貝は豊穣の象徴だという。自然や心の豊かさを求めて、フランスから日本にやってきた佐々木イザベルさん(43)。東日本大震災がきっかけとなり、岩手県大船渡市に移住した彼女は、この地で思いがけず“愛”とも出会うことになったーー。 その日の午後、イザベルさんは東京・六本木の超高層ビル33階にいた。 「ビルは振り子のように揺れ、『これ以上傾くと倒れる』というところで戻る……。それがグルグル回り続けているようでした」 イザベルさんは「迷うことなく、ボランティアを志願し