イスラムを深く知るためには、「コーラン」を避けて通ることができない。ジハードで死ぬと、楽園の72人の乙女という報酬があると書かれているのは本当か? そして過激派たちによってどのように曲解され、利用されてきたのか? 今あらためて問われる、コーランに書かれている内容の本質。(HONZ編集部) 本書はカーラ・パワー(Carla Power)著If the Oceans Were Ink――An Unlikely Friendship and a Journey to the Heart of the Quran(『たとえ海がインクであっても――奇妙な友情とコーランの心髄への旅』)(2015年 ヘンリーホルト刊)の邦訳です。 副題にある「奇妙な友情」とは、著者である気鋭のアメリカ人女性ジャーナリスト、カーラ・パワーと、本書における彼女の対話の相手、イスラム学者のモハンマド・アクラム・ナドウィー師と
パリで起こった同時多発テロ事件の衝撃は一瞬のうちの世界中を駆け巡った、というこの書き出しの一行の文体は、なんだか、夕方の民放の情報番組がBGM付きで配信している扇情的なニュース原稿のコピペみたいだ。 実際に、あの事件以来、国際社会の空気は切羽詰まった調子のものに変貌している。 私は、911のテロ事件を受けた半月ほどの間に、アメリカ発のニュース映像の基調がいきなりハリウッドっぽくなったことを思い出している。 ついでにと言っては何だが、東日本大震災が起こった後に、私たちの国のメディア状況や世論のあり方が、なにからなにまですっかり変貌してしまったいきさつにも思いを馳せざるを得ない。 世界を世界たらしめているのは、平時の人間の日常的な思想だ。 が、歴史を新しい段階に追いやるのは、非日常のアクシデントだ。 天災や、事故や、組織犯罪や、無慈悲なテロや、偶発的な国境紛争や、狂気に駆られた人間が引き起こす
1995年に創刊された、KADOKAWA(当時はアスキー)の漫画雑誌「月刊コミックビーム」が、去る11月12日に晴れて創刊20周年を迎えました。 「平成のガロ」「マンガ界の辺境にひっそりと咲くタンポポ」などと呼ばれ、コアなマンガ愛好家からは絶大な支持を集める一方、そのストイックな姿勢から、常に“休刊説”とも隣り合わせだったコミックビーム。波乱万丈の20年を創刊時から支え、踏ん張ってきた、奥村勝彦“編集総長”に、ビームのこれまでの歩みを振り返ってもらいました。 創刊20周年記念号となった「月刊コミックビーム 2015年 12月号」。表紙は15周年記念号に続いて寺田克也さんが担当 「コミックビーム」に掲載された代表的作品(抜粋) 砂ぼうず(うすね正俊)/1997年/アニメ化 恋の門(羽生生純)/1998年/映画化 エマ(森薫)/2002年/アニメ化 放浪息子(志村貴子)/2002年/アニメ化
昨年(2014年)の夏、友人のある"推理"を元に、羽田空港近くを探索した。これがものすごく楽しかったので、その話をしたい。 "推理"の元はある動画。ここに映っているのはどこなのか。いつ撮られたものなのか。 そしてぼくは「人の話聞かなきゃいけないな!」と思ったのでした。
■ 突然の公式訪問のキャンセル国連「表現の自由」に関する特別報告者デビット・ケイ氏(米国人・国際法学者)が、12月1日より8日まで日本への公式訪問調査を予定されていました。 国連のオフィシャルなウェブサイトに日の丸マークで、 Agreed with dates from 1 December 2015 to 8 December 2015 (訳:2015年12月1日から8日の日程で合意された) と記載されています。受入国政府との間で合意されたということを意味し、受け入れ合意がないものはこのウェブサイトには掲載されません。 国連「表現の自由」に関する特別報告者といえば、2013年に特定秘密保護法が多くの反対を押し切って国会で通過した前後の時期に、前任者であるフランク・ラ・ルー氏が、国民の知る権利や報道の自由を脅かす危険性がある、ということで強い懸念を表明し、日本政府に対して再考を求めたにも
インドネシアのフローレス島で化石が見つかった身長1メートル程度の「フローレス原人」が、現代人並みの身長のジャワ原人から進化したことを示す有力な証拠を見つけた、と国立科学博物館などのチームが発表した。孤立した島で、外敵がいないことなどから大型動物のサイズが劇的に小型化する現象が人類にも作用したと考えられる、という。 米科学誌プロスワンに19日、論文を発表した。 フローレス原人の化石は2003年、約7万~2万年前の地層から発掘された。身長や頭蓋骨(ずがいこつ)のサイズが小型の猿人ほどしかないことから、初期の原人の特徴をそのまま引き継いだ子孫なのか、そこから一度大型化したジャワ原人が進化の過程で小さくなったのか、学説が対立していた。 国立科博の海部陽介・人類史研… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいた
NHK-Eテレの番組のセットに、統一教会(家庭連合)教祖・文鮮明の自叙伝が陳列されていたことが判った。 何故、様々な社会問題を起こしてきた宗教団体の教祖本が、日本の公共放送を担うNHKの番組セットに並べられていたのか。 NHKに問い合わせたところ“意外”な事実が明らかとなった。 統一教会の教祖の自叙伝を 番組のセットに陳列していたのは月替わりで”名著”を紹介する『100分で名著』。 教育専門チャンネルであるNHK教育テレビジョン・Eテレが毎週水曜日22:00~22:25に放映中の番組で、パーソナリティの伊集院光(タレント)と武内陶子(NHKアナウンサー)が難解な書籍を1冊取り上げ4週に渡りゲスト共に読み解いていくという構成だ。 この番組に於いて、本紙で確認できただけでも2013年4月から2014年8月に掛けて、MCの背後のセットに問題の教祖本が並べられていた。 当初、件の教祖本は2箇所に陳
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ソーセージをこよなく愛するドイツの人々に、衝撃が走った。世界保健機関(WHO)の研究機関が10月、「ソーセージなどの加工肉には発がん性がある」と指摘したからだ。伝統の肉食文化も時代の流れには逆らえず、ドイツでも「肉離れ」が続いている。食肉業界は気が気ではない。 「メルケル、ベッケンバウアーに続いて、ドイツの『著名人』にいちゃもんがつけられた」――。 独有力週刊紙ツァイト(電子版)は10月28日の特集記事で、こう皮肉った。ここでいう「著名人」とはソーセージのこと。難民問題に苦慮するメルケル首相や、サッカーワールドカップ招致買収疑惑で窮地のベッケンバウアー氏と並んで、「伝統料理のスーパースターが危機」とセンセーショナルに報じた。 発端は、WHO傘下の国際がん研究機関が10月26日に発表した報告書だ。ソーセージやハム、ベーコンなどの加工肉を「1日50グラム食べると、結腸や直腸のがんにかかるリスク
民主党など野党5党は19日、安全保障関連法に反対するグループ「SEALDs」などとの意見交換会を開き、民主党の枝野幹事長は、来年夏の参議院選挙では与党に対抗するため野党各党で候補者の調整を進め、幅広い支持を得られるようにしたいとして協力を呼びかけました。 この中で、民主党の枝野幹事長は来年の参議院選挙について、「立憲主義と民主主義を守る大事な戦いになる。皆さんが、幅広く応援できる候補者が擁立されることが重要だ」と述べ、与党に対抗するため野党各党で候補者の調整を進め幅広い支持を得られるようにしたいとして、協力を呼びかけました。これに対し団体側の参加者からは「参議院選挙に向けて野党間の協力構築が進んでいないように見える。各党が別々の候補者を立てるのではなく、市民がまとまって応援できる候補者の擁立が必要だ」といった意見が出されました。 民主党などは、来月も各団体との意見交換会を開き、参議院選挙に
戦争や紛争とまでいかなくとも、例えば地べたレベルの喧嘩でも、普通は敵の欲しがるものは与えないのが戦いの鉄則だ。が、どうも対IS戦に限ってはこの鉄則が完全に無視されている。 ローマ教皇はテロを第三次世界大戦の一部だと言い、英国のキャメロン首相はISをヒトラーやナチに例える発言をしている。いくら何でも極端というか、「もっとパンチの利いたタイトルをください」と言われたライターが苦渋の末に思いついたような言葉を教皇や政治指導者まで使わなくとも。と思うが、ISに人質として捉えられ、彼らと共に過ごしたことのあるフランス人ジャーナリストによれば、こうした反応こそがISの大好物だという。彼はこう書いている。 ネット上のニュースやソーシャル・メディアを追い、今回のパリ襲撃後に書かれている様々の反応を見て、彼らはおそらく今「我々は勝利している!」と大声で連呼しているだろう。彼らは、すべての過剰反応、分裂、恐怖
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