2014年1月、過去の人気作品を電子書籍として刊行した作家・椎名氏。初めて電子書籍と向き合って感じたこと、電子書籍の未来に思うことを聞いた。 35年近くにわたって文筆活動を続ける作家・椎名誠氏。 今年1月、椎名さんの作品が電子書籍として刊行されることがクリーク・アンド・リバー社(以下C&R社)から発表された。表紙イラストを椎名氏自身が担当し、巻末には作品の振り返りとなる長いあとがきを加筆した「完全版」だ。 椎名小説の第1号となった『ジョン万作の逃亡』、吉川英治文学新人賞受賞作の『犬の系譜』、1998年に映画化された『中国の鳥人』など5作品を皮切りに著作を電子化するこの取り組み。パートナーとしてタッグを組むC&R社は、作家エージェント事業を展開している。 「世の中の人は僕のことを電子書籍とは最も遠い作家だと思っていたはず」とユーモアを交えて語る椎名氏。電子書籍刊行の背景や作家視点から見た電子