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ブックマーク / www.kyoto-u.ac.jp (23)

  • 一般相対性理論におけるエネルギー概念の革新 -ブラックホールの新しい描像と新しい保存量-

    青木慎也 基礎物理学研究所教授、横山修一 同特任助教、大野木哲也 大阪大学教授らの研究グループは、一般相対性理論発見当初から懸案であった一般の曲がった時空において正しいエネルギーの定義を提唱しました。さらにその定義を自然に拡張することで宇宙全体からなる系で、エネルギーとは異なる、別の新しい保存量が存在することを理論的に示しました。 アインシュタインが提唱した一般相対性理論においてエネルギーを含め観測される量は一般座標変換で不変な量でなければなりません。ところが一般相対性理論提唱当初から一般座標変換で不変なエネルギーの定義に困難があったため、その困難を回避しながらエネルギーを計算する様々な試みが行われてきました。研究グループは、重力の量子論を研究する過程で一般座標不変なエネルギーの定義を発見しました。そしてこの定義をシュワルツシルトブラックホールに適用することで、ブラックホールは特異点に物

    一般相対性理論におけるエネルギー概念の革新 -ブラックホールの新しい描像と新しい保存量-
    kamei_rio
    kamei_rio 2021/11/07
  • シャコに寄生する謎多き巻貝の起源を解明 -巣穴の中の居候から体表寄生者へと進化-

    後藤龍太郎 フィールド科学教育研究センター助教、加藤真 人間・環境学研究科教授、髙野剛史 目黒寄生虫館研究員、Douglas J. Eerniesse カリフォルニア州立大学フラトン校教授、狩野泰則 東京大学准教授らのグループは、DNA情報に基づく分子系統解析を行うことで、甲殻類のシャコの腹面に寄生して暮らすイシカワシタダミの系統的位置を明らかにしました。 その結果、この巻貝は従来分類されてきたシロネズミガイ上科ではなくクビキレガイ上科という別のグループに入ることが判明し、さらにその中で干潟の動物(シャコやユムシ)の巣穴内に共生する巻貝の系統に内包されることが明らかとなりました。このことは、自由生活性の祖先から、宿主の巣穴内に居候する片利共生者を経て、シャコ類の体表に付く寄生者へと進化してきたことを示唆しています。寄生性の獲得に至る段階的な進化の過程が示された例は少なく、海洋における寄生生

    シャコに寄生する謎多き巻貝の起源を解明 -巣穴の中の居候から体表寄生者へと進化-
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    kamei_rio 2021/07/12
  • ネコのマタタビ反応の謎を解明 -マタタビ反応はネコが蚊を忌避するための行動だった-

    金子周司 薬学研究科教授、宮崎雅雄 岩手大学教授、上野山怜子 同修士課程学生、西川俊夫 名古屋大学教授、英国・リヴァプール大学の研究者らの研究グループは、ネコのマタタビ反応が蚊の忌避活性を有する成分ネペタラクトールを体に擦りつけるための行動であることを解明しました。 ネコがマタタビを嗅ぐと葉に体を擦り付けごろごろ転がる反応「マタタビ反応」は、マタタビ踊りとも言われ江戸時代から知られているとても有名な生物現象の一つです。しかしなぜネコがマタタビに特異な反応を示すのか、その生物学的な意義については全くわかっていませんでした。研究では、まずマタタビの抽出物からネコにマタタビ反応を誘起する強力な活性物質「ネペタラクトール」を発見しました。次にこの物質を使ってネコの反応を詳細に解析して、マタタビ反応は、ネコがマタタビのにおいを体に擦りつけるための行動であることを明らかにしました。マタタビに含まれる

    ネコのマタタビ反応の謎を解明 -マタタビ反応はネコが蚊を忌避するための行動だった-
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    kamei_rio 2021/01/22
  • カエルとヘビの膠着状態のメカニズムを説明 -双方にとって後手に回って行動することが有利となる-

    西海望 理学研究科 博士課程学生(現・基礎生物学研究所・日学術振興会特別研究員)、森哲 同准教授は、カエルとヘビが対峙したまま動きを止める現象が、双方の適応的な意思決定によって成り立つことを明らかにしました。 捕者と被者が対峙したとき、先手を取った側が有利であると一般的に考えられてきました。しかし、トノサマガエルとシマヘビにおいては、先手で動き始めると相手の対抗手段に対して脆弱になってしまうことが明らかになりました。そして、双方ともに後手に回ろうとした結果、我慢比べのような膠着状態が生じうることが示されました。また、この先手が不利となる状況の成立は両者間の距離に依存しており、トノサマガエルとシマヘビは、距離に応じて先手を取るかどうかを適切に選択していることが明らかになりました。 研究成果は、捕者と被者の戦略に新たな視点を提起するものです。また、恐怖で動けないことの喩えとして用い

    カエルとヘビの膠着状態のメカニズムを説明 -双方にとって後手に回って行動することが有利となる-
    kamei_rio
    kamei_rio 2020/04/02
    "この先手が不利となる状況の成立は両者間の距離に依存しており、トノサマガエルとシマヘビは、距離に応じて先手を取るかどうかを適切に選択していることが明らかに"
  • シカの増加が川の魚の個体数に影響することを示唆 -長期観察から見えてきた森と川の意外なつながり-

    中川光 東南アジア地域研究研究所特定助教は、ニホンジカの過剰な摂による森林環境の変化が、川の魚の個体数の増加・減少にも影響を及ぼしている可能性があることを、芦生研究林において11年間継続してきた魚類と生息環境の観察によって示しました。 研究では、シカによる大規模な林床植物のべ尽くしがおこっている芦生研究林内の由良川において、2007年5月から2018年6月にかけて、シュノーケリングによる魚類の個体数のカウントと環境の測定を行いました。 その結果、調査地の川では森から流れ込んだ土砂が堆積して砂に覆われた川底が増える一方で、大きな石に覆われた川底は減少していました。そして、この環境の変化に対応して、魚類では大きな礫(れき)を好むウグイという種が個体数を減らした一方で、砂地を好むカマツカという種が増加する傾向が観察されました。 結果は、現在日だけでなく世界中で問題になっているシカの個体

    シカの増加が川の魚の個体数に影響することを示唆 -長期観察から見えてきた森と川の意外なつながり-
    kamei_rio
    kamei_rio 2019/06/11
    "シュノーケリングによる魚類の個体数のカウントと環境の測定" 11年のデータに基づく成果
  • 暗黒物質の正体に迫る新しい探査法を提唱 -原始惑星系円盤の偏光パターンからアクシオンを探索-

    藤田智弘 理学研究科・ 日学術振興会特別研究員、田崎亮 東北大学 研究員、當真賢二 同准教授らは、暗黒物質研究とそれとは全く別に発展してきた惑星形成研究とを融合し、暗黒物質がアクシオンと呼ばれる素粒子であるかどうかを検証する新しい方法を発見しました。 生まれたての星のまわりには原始惑星系円盤というガスと塵からなる円盤状の天体があり、そこからやってくる光は綺麗な同心円状の偏光パターンを持っています。しかし、偏光は地球に伝わるまでにアクシオンの影響を受けるため、この同心円構造が乱れて観測されることが予想されます。 今回、すばる望遠鏡が取得した原始惑星系円盤の観測データを分析した結果、このような偏光パターンの乱れは見つかりませんでした。一般に、アクシオンを発見する際には、それが光に与える影響を通して間接的に検出します。その影響の度合いを示すパラメータを「結合定数」といいますが、これまでの研究に

    暗黒物質の正体に迫る新しい探査法を提唱 -原始惑星系円盤の偏光パターンからアクシオンを探索-
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    kamei_rio 2019/06/08
  • 野生チンパンジーがヒョウの獲物を食べることを初めて観察 -人類の祖先は肉食獣から獲物を奪っていたか-

    中村美知夫 理学研究科准教授らの研究グループは、野生チンパンジーがヒョウの獲物を手に入れてべるところを世界で初めて観察しました。さらに、調査地(タンザニア、マハレ山塊国立公園)のチンパンジーがこれまでに動物の屍体と遭遇した事例をまとめた結果、屍肉をべるのに重要な条件は「新鮮さ」と「べ慣れた動物であること」で、「ヒョウが近くにいそうかどうか」は影響していない可能性が示唆されました。 これまで、人類(=チンパンジーと分かれた後の直立二足するヒト科の系統)が協力や言語を進化させる上で、肉獣から獲物を横取りする「対峙的屍肉」が重要であったと考えられてきました。ヒト(=ホモ・サピエンス一種のみ)と最も近縁なチンパンジーはそうしたことをする証拠がなかったからです。しかし、研究から、チンパンジーが、状況によってはヒョウから獲物を横取りしうる可能性が示されました。この場合、対峙的屍肉の起源

    野生チンパンジーがヒョウの獲物を食べることを初めて観察 -人類の祖先は肉食獣から獲物を奪っていたか-
    kamei_rio
    kamei_rio 2019/04/22
    "この場合、対峙的屍肉食の起源はこれまで考えられていた以上に古く、人類の系統より前にまで遡ることになります。"
  • 日本人の表情がエクマンの理論とは異なることを実証 -世界で初めて日本人の基本6感情の表情を報告-

    佐藤弥 こころの未来研究センター特定准教授らの研究グループは、日人65人を対象として、表情の表出を調べ、日人の表情が心理学研究において著名なエクマン博士の理論とは異なることを実証しました。 表情は感情を表すメディアで、人のコミュニケーションに不可欠です。エクマンは、感情を表す普遍的な表情があるという理論を提案しました。理論は、観察や直感に基づいていましたが、基感情の表情表出を実証的に調べた先行研究は、この理論を部分的にしか支持していませんでした。さらに、そうした研究は今まで、西洋文化圏でしか実施されていませんでした。 研究では、被験者は基6感情(怒り・嫌悪・恐怖・喜び・悲しみ・驚き)のシナリオに基づいて表情を表出しました。その結果、写真条件ではターゲットの感情が明確に表出されましたが、シナリオ条件では幸福と驚きの条件でしかターゲット感情ははっきりと表出されませんでした。さらに、写

    日本人の表情がエクマンの理論とは異なることを実証 -世界で初めて日本人の基本6感情の表情を報告-
    kamei_rio
    kamei_rio 2019/02/15
    "佐藤弥 こころの未来研究センター特定准教授らの研究グループ" 佐藤 心っぽさある
  • 性淘汰が生物多様性を維持することを解明 -身勝手な競争が集団サイズを安定化させる- — 京都大学

    小林和也 フィールド科学教育研究センター講師は、性淘汰のうち特に「性的嫌がらせ」(生まれてくる子供の数が減ってしまうかわりに競争相手よりも自分の子供の割合を高める性質)が、生物多様性を維持している可能性を理論的に示し、シミュレーションによってこの理論が上手く機能することを示しました。なお、研究における「性的嫌がらせ」とは、自然界の繁殖行動上の現象を示す生態学の用語であり、社会問題としての「性的嫌がらせ」(セクシュアル・ハラスメント、セクハラ)とは一切関係ありません。 研究成果は、2018年11月14日に英国の国際学術誌「Journal of Ecology」にオンライン掲載されました。 自然界には多種多様な生き物がいますが、それらの生き物の特徴的な色や形の多くは繁殖に関わる性質です。特に種類を見分けるのに役立つ性質、例えば植物の花の形や鳥の鳴き声は、まさに生物多様性の中心的存在です。そ

    性淘汰が生物多様性を維持することを解明 -身勝手な競争が集団サイズを安定化させる- — 京都大学
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    kamei_rio 2018/11/15
  • 標準暗号(AES)選定に用いられた離散フーリエ検定テストを完全修正 -15年間乱数検定の最大の懸案であった参照分布の問題を完全解決-

    暗号通貨の基盤は暗号の安全性に深く関わる様になり、もはや暗号は特定の人向けの技術ではなく、全ての人にとって基盤となるものになりつつあります。歴史的に暗号の安全性は数理と深く関わってきましたが、この研究は、暗号の安全性を公正に評価する乱数性評価に関わる部分で、長年の懸案であった問題を完全に解決したものと考えます。暗号は一見すると地味ですが、暗号は全ての人に関わる技術と言う意識を持ち、今後も、応用と数理が直結する分野で研究を一歩一歩進めて行きたいと思います。 概要 現在、携帯電話などをはじめ、世界中で標準暗号(AES)が用いられています。このAESが2001年に選定された際、評価ツールとして乱数性評価テストNIST SP 800-22が使われました。ところが、その一つである離散フーリエ変換テスト(DFTテスト)において、系列が乱数であると仮定した時、参照分布が厳密に求まらないと言う致命的な課題

    標準暗号(AES)選定に用いられた離散フーリエ検定テストを完全修正 -15年間乱数検定の最大の懸案であった参照分布の問題を完全解決-
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    kamei_rio 2018/08/03
  • 光による量子コンピュータの実現に大きく迫る手法を開発 -従来の100億倍の誤り耐性-

    藤井啓祐 理学研究科特定准教授、富田章久 北海道大学教授、福井浩介 同博士課程学生らの研究グループは、光を用いた量子コンピュータを、現在の技術レベルで実現させる方法を開発しました。 研究成果は,2018年5月25日に、米国科学誌 「Physical Review X」に掲載されました。 量子コンピュータは、従来のコンピュータにおけるビットに対応する「量子ビット」をスタート地点としてその実装が検討されてきました。一方で、従来のコンピュータにおいては、電圧の値や電荷の量などアナログ値を離散化することでビットを実現しています。 研究は、光を用いたアナログ量子状態を離散化したGKP量子ビットにおいて、その背景にあるアナログ量をうまく利用することで量子ビットに対するエラー耐性を大幅に向上させることができるという結果です。 量子ビットの背景にあるアナログな物理系の情報をうまく利用することで量子コン

    光による量子コンピュータの実現に大きく迫る手法を開発 -従来の100億倍の誤り耐性-
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    kamei_rio 2018/05/31
  • 1量子ビットしか使えない「弱い」量子コンピューターでも、古典コンピューターより「強い」ことを証明しました

    現在、世界中で多くの研究者が量子スプレマシーの実現にむけて研究を行っています。研究は、それらの理論的基盤を整備するものであり、今後の量子計算の理論的、実験的研究の発展に大きく寄与すると期待できます。また、量子スプレマシーの研究は、単に古典に対する優位性を示すだけでなく、有用な量子アルゴリズムの開発につながることも目指しています。one-clean qubitモデルを使った高速な量子アルゴリズムを開発するのは、今後の重要な課題です。 研究成果のポイント 実質的に1量子ビットしか使えない「弱い」量子コンピューターが、古典コンピューターよりも「強い」のかどうか不明であった。 そのような弱い量子コンピューターが、ある場面では古典コンピューターより高速であることを計算量理論的基盤に基づいて証明した。 現在、世界中で進んでいる量子スプレマシー研究の理論的基盤を整備する結果であり、当該分野の研究をさ

    1量子ビットしか使えない「弱い」量子コンピューターでも、古典コンピューターより「強い」ことを証明しました
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    kamei_rio 2018/05/19
  • 情報量は宇宙トンネルの断面積 -ミクロな情報量を計算する幾何学的公式の発見-

    滉嗣 基礎物理学研究所修士課程学生と高柳匡 同教授は、量子ビットの「Entanglement of Purification」(純粋化量子もつれ)と呼ばれる情報量を計算する新しい幾何学的公式を発見しました。 研究成果は、2018年3月26日に国際学術誌「Nature Physics」にオンライン掲載されました。 量子もつれの量を幾何学的に計算する公式を著者の一人 ( 高柳 ) がポスドク時代に発見してから10年以上経過しました。この研究成果は、「宇宙が量子ビットで創られている」という新しいアイデアを生み出し、最近では世界中で活発に研究が進められている大きな研究テーマとなっています。しかし、この発見は氷山の一角に過ぎませんでした。ずっと一般的な公式が存在することが予想されていたにも関わらず、なかなか明確な答えを得ることができなかったのです。ところが、今回、修士課程学生(梅)の鋭い洞察

    情報量は宇宙トンネルの断面積 -ミクロな情報量を計算する幾何学的公式の発見-
    kamei_rio
    kamei_rio 2018/04/12
    "AとBの間に共有される量子ビットの情報量(相関)は、AとBをつなぐトンネルの最小断面積に等しい" なるほどわからん
  • 生命誕生に迫る始原的代謝系の発見 -多元的オミクス研究による新奇TCA回路の証明-

    跡見晴幸 工学研究科教授、布浦拓郎 国立研究開発法人海洋研究開発機構主任研究員らの研究グループは、北海道大学、製品評価技術基盤機構と共同で、南部沖縄トラフの熱水活動域から採取した試料から単離した細菌が、アミノ酸などの化合物生合成に不可欠なTCA(クエン酸)回路の中でも、最も始原的な形態の回路を有することを発見しました。 研究成果は、2018年2月2日午前4時に米国の科学誌「Science」に掲載されました。 研究者からのコメント 初期生命の形態は、独立栄養であったのか、あるいは従属栄養であったのか、永い議論が続いています。今回示したこの始原的な新奇TCA回路の特性は、「初期生命が原始地球の生命誕生の場において、利用可能な物質の存在量に応じて、柔軟に代謝を変化させる混合栄養生命として誕生した」という可能性を強く示しています。 概要 多くの生物にとってTCA回路は生存に必須の代謝機構であり、

    生命誕生に迫る始原的代謝系の発見 -多元的オミクス研究による新奇TCA回路の証明-
    kamei_rio
    kamei_rio 2018/02/27
    "「初期生命が原始地球の生命誕生の場において、利用可能な物質の存在量に応じて、柔軟に代謝を変化させる混合栄養生命として誕生した」という可能性"
  • 見られていると絶縁体が安定化する -観測による量子多体状態の制御技術を確立-

    富田隆文 理学研究科博士課程学生、高橋義朗 同教授、段下一平 基礎物理学研究所助教らの研究グループは、レーザー光を組み合わせて作る光格子に極低温の原子気体(レーザー冷却、蒸発冷却などを施し、真空容器中の気体を絶対温度でナノケルビンの温度にまで液化・固化させることなく冷却させたもの)を導入し、周囲の環境との相互作用によるエネルギーや粒子の出入り(以下、散逸)が量子相転移(圧力や磁場などを変化させた際に量子力学的なゆらぎにより物質の状態が異なる状態へと変わること)に与える影響を観測することに、世界で初めて成功しました。 研究成果は、2017年12月23日午前4時に米国の科学誌「Science Advances」に掲載されました。 極低温原子気体を用いた量子シミュレーションは21世紀に始まった比較的新しい研究方法で、いまなお大きな発展の可能性を秘めています。今回の研究でシミュレートした開放量子

    見られていると絶縁体が安定化する -観測による量子多体状態の制御技術を確立-
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    kamei_rio 2017/12/26
    "周囲の環境との相互作用によるエネルギーや粒子の出入りが量子相転移に与える影響を観測" 世界初という話
  • 脳から深層ニューラルネットワークへの信号変換による脳内イメージ解読 -「脳-機械融合知能」の実現に向けて-

    神谷之康 情報学研究科教授、堀川友慈 株式会社国際電気通信基礎技術研究所主任研究員の研究グループは、ヒトの脳活動パターンを深層ニューラルネットワーク(deep neural network model、以下DNN)等の人工知能モデルの信号に変換して利用することで、見ている画像に含まれる物体や想像している物体を脳から解読する技術の開発に成功しました。研究成果は、人工知能の分野で進展が著しいDNNをヒトの脳と対応づけることで、脳からビッグ・データの利用を可能とする先進的技術です。 研究成果は、2017年5月22日午後6時に英国の科学雑誌「Nature Communications」に掲載されました。 研究者からのコメント 研究では、ブレイン・デコーディング、DNN、大規模画像データベースを組み合わせることで、脳活動パターンから、知覚・想起している任意の物体を解読する方法を開発しました。人

    脳から深層ニューラルネットワークへの信号変換による脳内イメージ解読 -「脳-機械融合知能」の実現に向けて-
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    kamei_rio 2017/05/23
    "画像を見ているときのヒトの脳活動パターンと、同じ画像を入力したときのDNNの信号パターンの間に相同性を発見"
  • ビッグバン元素合成研究に残る最後の重要核反応確率を初測定 -ビッグバン元素合成の謎がさらに深まる-

    川畑貴裕 理学研究科准教授、市川真也 同修士課程学生、越川亜美 同修士課程学生、久保野茂 理化学研究所客員主管研究員、岩佐直仁 東北大学准教授らの研究チームは、ビッグバンによる元素合成で起こる 7 Be+n→ 4 He+ 4 He反応の断面積(量子力学的な粒子が衝突し、散乱ないしは反応を起こす確率を表す量)を初めて測定することに成功しました。ビッグバン元素合成で生成される元素のうち、 7 Liは理論的に予測されているよりも少ない量しか観測されていません。「宇宙リチウム問題」と呼ばれるこの問題を解く仮説の一つとして、今回取り上げた反応が高い確率で起こっている可能性が指摘されていましたが、今回の測定結果によりこの仮説では説明が難しいことが分かりました。 研究成果は、2017年2月3日午後2時に米国の学術誌「Physical Review Letters」に掲載されました。 川畑:理化学研究所

    ビッグバン元素合成研究に残る最後の重要核反応確率を初測定 -ビッグバン元素合成の謎がさらに深まる-
    kamei_rio
    kamei_rio 2017/02/15
    "生成量の観測推定値が理論予測値の約3分の1でしかない" 宇宙リチウム問題を説明する仮説に対し、否定的な結果が得られたと
  • 獲得形質は遺伝する? -親世代で受けた環境ストレスが子孫の生存力を高める-

    今回発見した現象は、環境変化を経験した個体が子孫に対して適応力を授けるという、種の生存戦略の一つである可能性が考えられます。また研究成果は、ブラックボックスが多かった「獲得形質の遺伝」現象のメカニズムについて、組織間コミュニケーションを介したエピジェネティック制御という新規の枠組みを提示するものであり、当該分野のさらなる発展に寄与することが期待されます。 概要 生物学では長らく、後天的に獲得した形質は遺伝しないと考えられていました。ところが近年になって、その通説を覆すような事象がいくつか報告されるようになりました。例えば、高カロリーにより肥満になった父ラットから生まれた娘ラットが、通常で育ったにもかかわらず糖尿病の症状を示すという報告が挙げられます。このように、親が生育した環境によって子供の表現型が変化を受ける可能性が示唆されているものの、それがどのようなメカニズムで生じるのかについ

    獲得形質は遺伝する? -親世代で受けた環境ストレスが子孫の生存力を高める-
    kamei_rio
    kamei_rio 2017/01/14
    遺伝子以外のエピでジェネなルートがある、ただし詳細はよく分からない、はもう少し知られても良い
  • 乱雑さを決める時間の対称性を発見-100年前の物理と数学の融合が築くミクロとマクロの架け橋-

    佐々真一 理学研究科教授、横倉祐貴 理化学研究所基礎科学特別研究員との共同研究チームは、物質を構成する粒子の「乱雑さ」を決める時間の対称性を発見しました。 研究は、米国の科学雑誌「Physical Review Letters」(4月8日号)に掲載され、Editors’ suggestionに選ばれました。 「乱雑さ」と「対称性」は、物理学の基的な概念です。 しかし、これらは性格が全く異なっており、両者の関係 など想像もしませんでした。今回、偶然にも、両者が結 びつくことになり、二人の著者自身が驚いています。この 結果を踏まえて、発見された対称性をより深く理解し、 ブラックホールや時間の矢の問題に対して、新しい研究 方法を提供したいです。 概要 「乱雑さ」は、「エントロピー」と呼ばれる量によって表わされます。エントロピーはマクロな物質の性質をつかさどる量として19世紀中頃に見い出され、

    乱雑さを決める時間の対称性を発見-100年前の物理と数学の融合が築くミクロとマクロの架け橋-
    kamei_rio
    kamei_rio 2016/05/25
  • オスへの投資がコストになっていることを実証 -さまざまな生物で性の進化・維持メカニズム解明に期待-

    この研究ではオスへの投資がコストとなっていることを検証しました。有性生殖が普遍的にみられるということは多くの生物が当たり前のようにそのコストを支払っているということです。今後はそれによって生み出される多様性がどのように発達していくのかについて検証していきたいと考えています。 概要 研究ではネギアザミウマという農業害虫に着目しました。ネギアザミウマにはオスとメスがいる有性系統とメスしかいない無性系統が同じ畑の同じ作物上に共存していることが知られています。そこで複数の圃場でそれぞれの系統の個体数を調べることで、有性系統のオスへの投資当にコストとなってネギアザミウマ集団に占める有性系統の割合を減らすかどうかを確かめました。その結果、有性系統のオスが多くなるとネギアザミウマ集団内で有性系統個体が占める割合が低下することを明らかにしました。この結果は有性系統が無性系統と競争する際にオスへの投資

    オスへの投資がコストになっていることを実証 -さまざまな生物で性の進化・維持メカニズム解明に期待-