* 先生“おもしろかった!” たいへんなテーマの原稿を引き受けてしまった。 やや精神的な落ちこみがつづいていたある日、同学年の先生に「左巻さん、元気ないわね」といわれてしまった。 「たいした授業をやっているわけじやないのに、“子どもたちに魅力のある理科の授業”という原稿を書かなくてはならないんだ」 「ふ一ん。でも、左巻さんの授業は子どもをのせるって評判よ。子どもをのせる授業って、このごろ難しいのよ」 この言葉で、少し明るくなった。 新任で埼玉県大宮市立春里中学校に勤めてから、はや10年がたつ。東大教育学部附属中・高校に勤めはじめて2年。本校では勤めてすぐ中学l年生を担任した。授業は、中学1年の第1分野と高校化学を担当。その中学1年生とは、2年間つきあった。その子どもたちが書いた授業の感想も、私を元気にさせてくれた。 《入学してから今まで、本当に楽しませてもらいました。先生、ありがとネ。とく