中学校と高校の運動部活動では、少なくとも毎年約3000件の熱中症事案が確認されている。22日にも、三重県の私立高校でダンス部の生徒10人が、熱中症の疑いで救急搬送されたと大きく報じられたばかりだ。学校は「夏休み」といえども、部活動は授業期間中以上に活発におこなわれることもある。警鐘の意味を込めて、運動部における熱中症の実態を、全国のデータから明らかにする。 ■中高の運動部で毎年3000件 三重県立の私立学校のように10人規模で救急搬送されると大きな話題となるが、一人や二人のケースは話題にあがらない。だが同じ22日付の新聞記事をデータベースで調べると、たとえば兵庫県内(神戸新聞)、大阪市内(読売新聞)、群馬県内(読売新聞)と、学校の部活動で一人あるいは数人の生徒が、熱中症とみられる症状で救急搬送されていることがわかる。 図1:運動部活動における熱中症の発生件数 ※筆者が作図 じつは、中学校と