あけましておめでとうございます。 どうぞ今年もよろしくお願いします。
新しい小説を公開します。お読みくださると、とても嬉しいです。 ************** ジジジジジ……ジジッ––––– かすかに擦れ音を立て、塊となった蝋燭の芯が倒れる。炎がすうぅっとかき消え、あとに濡れたような闇が残った。 「東風が強うござりますな。蔀戸《しとみど》を下げてもよろしゅうございますか、お姫さま」 蔀戸とは板造りの雨戸のようなもので、つっかえを取って下に落とせば、窓をおおい雨風をしのげる。 今日は朝から雲が低くたちこめ、室内は昼なお薄暗い。 午后からは、ことさら風が強くなった。都びとは、これは妖かしの祟りだと怯えたように噂している。 深草の女房は、不吉な噂に苛立ちを覚え、そんな自分を持て余した。 うわ目使いで姫をうかがう。 姫は時の権力者、藤原兼家を父にもち、常は『兼家の娘』と呼ばれている。しかし、たとえ彼の娘であっても、実母の身分が低い姫、自分の出世は望めぬだろう。 正
ミステリー小説です。 お読みいただけると嬉しいです。 元デトロイト駅 「彷徨える王」 米国東部、デトロイト川の岸辺では雨が、土手にからむ波音を消していた。カナダと米国を結ぶ国境の橋、通称ブリッジを一台の車が通り過ぎる。フロントライトが橋の下にいる男を照らした。 眩しい光に目を細め、男は機械的に身を竦める。痙攣《けいれん》するように首をまわすと、ぽきぽきと骨の音が響く。 「重いな……」 男の声がもれた。 暑いと言い間違えた。いや、本当に間違えたのだろうか? 木綿糸のような荒い雨が、したたる汗を拭ってくれる。記憶にはないが、これは母の手のように優しいものだろう。 それにしても、川から死体を引きずりあげている自分が、ぬくもりの感想でもないだろう。こういうとき、人はどんな感情を持つのだろうか。 男は頭をふった。 再び鎖を引く。体が引きちぎれそうだった。先ほどからこの馬鹿げた行為に、どれほどの時間を
ファンアートを書いていただきました。 『雨杜和orアメたぬき』というペンネームでカクヨムに小説を書いて、ほぼ1年になりました。 ここでは毎年12月からはじまる『カクヨムWEB小説コンテスト』、通称カクコンあるいはカクヨムコンというコンテストがあります。 今年も作品を公開しました。 ウエブ小説の公募とは カクヨムコンは、普通の公募とは違うシステムがあります。 12月から2月までの読者さまからの、お星さまやアクセス数などで、中間審査が通るシステムです。 ただ、昨年、参加して気づいたのですが、読者選考でランキングは重要と言っても、一概に中間を突破できたかというと、そうでもなかったようです。 なかでも一番、突破が難しいという『異世界ファンタジー』ジャンル。 なぜ、難しいかといえば、書籍化作家を含め強豪がひしめいてランキング上位を独占するからです。この中に入るのは至難の技で、素人の私が突入するのは非
過去からの依頼 1年半以上前だろうか。 もう遠い昔に思える。 そう、その遠い昔に、はてなブロガーのお一人から頼まれたことがあったんだ。 アメリッシュガーデンの読者が1000人になったら、「俺のブログを紹介してくれないかな。無理とは言わんけどさ」と、まあ、厚かましいちゅうか、面白いちゅうか。 そういう依頼を受けておりました。 当時、読者数は300人くらいじゃなかったかな。 そりゃ、ないなって思っていたので、軽い気持ちで「いいよ」と、言った私。 なんせ、10分後の未来予測もできないアホなんです。 森猛 伊亮さん、私は約束は守る女! 現在、999人の読者。 あとお1人で1000人です。 しかたねぇ、1000人になる前にブログ紹介をして、お約束ノルマ解消しておきます。 お助けまんアメのブログ紹介 てなわけで・・・ 皆さま、森猛 伊亮さん、困っているようなんであります。 助けて欲しいと、ご依頼があり
www.youtube.com この曲をイメージして書いた短編です。お読みいただければ、とても嬉しいです。 My funny Valentine My funny Valentine 仕事帰りに寄ったカフェは半地下にある。 レンガ造りの赤っぽい階段は色がはげ目地が黒ずみ、いかにも古い。五段ほど降りると、扉の向こう側から古いジャズ曲がもれてきた。 My funny Valentine(マイファニーバレンタイン) このカフェ、いつもは朝に立ち寄りエスプレッソで目覚める場所だ。夜に来たのははじめてで、気になるバイトの男の子がいた。智昭という大学生だ。彼に出会ったとき、わたしは32歳だった。 昼間とはふんいきが違い気怠い曲が流れている。トランペットがささやき、人々のざわめきに混じって歌声が耳に届く。 重くて古い扉を肩で開けて中に入る。両手が経済新聞とビジネスバッグでふさがっていて、閉じた時にスカー
恋愛小説 現在、異世界ファンタジーで恋愛物語を書いているポンポコ、アメたぬきです。 もともと、タヌキなんで。恋愛小説、書くのはじめてなんであります。過去の恋愛体験など、それほど多いってわけじゃないしで。まあ、それなりに、数人ほど。 数人って2人から10人まで、幅がありすぎだけど。ま、そこは置いとく。 過去、ミステリー作品なら書いておりましたが、それに歴史は好きなので、歴史ものも、書いたことはある。 遠い昔、SF大好き少女だったんで、そういう作品を書くのも好き。だから、異世界ファンタジーを書くことも、すごく楽しいって気づきました。 しかし、恋愛ものはなかった。 私は小説の主人公を、よく方向音痴としますが、実際は地図を読むのが大好きで、道、間違えません。太陽の位置と時間だけで迷わず目的地まで、行ってみせます! キリッ!! 道を間違えない女ほど、恋愛小説に向かないものはない。うん、もうね、可愛げ
ハイファンタジー小説 ハンマーダルシマーという楽器 現在、カクヨムに中世を舞台にしたハイファンタジーを書いております。その中で、演奏する楽器として考えたとき探しだした楽器が、ハンマーダルシマーです。初めて、その音色を知り惚れました。 下の楽器です。 あまりに素敵で、お聞きください。 www.youtube.com この演奏をイメージに書いているのが下記作品です。 『ファム・ファタール-心を失った皇女-』〜奴隷を愛した姫君は世界の片隅で恋に溺れる〜 【第1話】 ミルズガルズの皇女 私は17歳になるまで、ミルズガルズの森に囲まれた美しい湖畔の家で育った。この家を普通に家と呼ぶ人は少ないけれど。 実際は、『ミルズガルズの美しい邸宅』とか『あのヘルモーズ卿の湖の城』とか呼ばれている。その名に、私は少しだけ恥ずかしさを覚えてしまう。 だって、この城は私のためだけに、日々、莫大な金を浪費をしているのだ
おひさしぶりです。 ラドガ辺境国の人々 みなさま、お元気でしたか? 宣伝ですみません。カクヨムに久しぶりに新作を投稿しました。 前回、書いた『ファムファタールー宿命の女ー』と同じ世界感の物語ですが、この作品だけで、独立した物語になっております。 愛を知らない皇女の初恋。 キュンキュンして、ドキドキして、はらはらする内容です。 今回は恋愛に、甘々の切ない恋に極振りする予定ですけど。ちと、政略とか政治絡みもあります。 【あらすじ】 大国ラドガ辺境国の執政官の娘マリーナ皇女は小国フレーヴァング王国の次期国王ヴィトセルク王子との結婚が決まった。 王子は、どこまで優しく紳士的な男であり、彼女にとって最高の結婚相手であったろう。 執政官である父は、この国の最高権力者。この結婚は国際政治上、重要な同盟を結ぶための政略結婚でもあった。 その出会いの舞踏会の直前に、マリーナは吟遊詩人の男に出会う。 男は美し
あけましておめでとうございます。 昨年は、カクヨムに冒険に出てしまい、あまりブログを書くことができず、皆さまとお会いできずに、ちょっと寂しかったです。 寒さが厳しいですね。でも、寒さにめげず、がんばってくださいませ。 あけましておめでとうございます。 今年もどうぞよろくしお願いいたします。 アメたぬき♡ だるころさんに描いたいただいて、たぬき。ぽんぽこ〜〜 カクヨムで描いてもらった、アメたぬき♡ 新しく書いてくださった、アメたぬきシスターバージョン、ミステリー「聖女と悪魔」より 新作、お正月に似合わないミステリーですが、お読みいただければ嬉しいです。 プロローグです。 ************* 【小説】 聖女と悪魔 〜修道長マザー天神ノ宮の朝は祈りからはじまる〜 ゆうらり、ゆらうり、ゆらり……。 目の前を白い煙のような形がゆれて、フワっと誘うように飛んだ。 マザー天神ノ宮和子は、はっとし
みなさま、お寒うございます。 いま、カクヨム WEBコンテストに作品を連載中のアメです。 お元気でらっしゃいますか? 昨日から多くの地域で雪が、ふりましたね。 さて、カクヨムwebコントストとは、角川が主催する小説コンテストで、毎年12月はじめから1月末まで、応募期間があり、その間の読者数で、中間審査が通るという、なんというか過酷なコンテストです。 12月1日に異世界ファンタジーの長編を公開して、今回は下記、ミステリー作品の長編を新たに公開いたしました。 kakuyomu.jp 作品のあらすじ : 聖カタリナータ初等部の敷地内にはカトリック修道院が併設されている。冬の嵐ののちに聖堂裏で他殺体が発見された。 被害者は同校を卒業して大学准教授と結婚した一児の母。代々病院を営む資産家の娘でもある彼女は、平凡だがセレブな日々を送っていたはずである。なぜ彼女は殺害されたのか? 学校に併設された聖堂の
ダルコロさんが描いてくださった、アメたぬき。ありがとうございます。 みなさま、お元気でしたか。 いま、カクヨム WEBコンテストに応募して作品を連載中のアメです。10月から2ヶ月、10万文字の小説を書き、コンテストに応募しました。 コンテストは12月1日にはじまり、応募締め切りが1月31日。現在、小説 WEBサイトではお祭り騒ぎです。 カクヨム WEBコンテストとは カクヨムサイトで最大のイベント。お祭り騒ぎの小説コンテストです。 そもそもカクヨムは出版社の角川が主催するウエブサイトで、このコンテストで大賞をとると、賞金100万円、そして、書籍化になるという、毎年、開かれる一大イベント。 通称、カクコンとも言われています。 なぜ、お祭りかというと、このコンテストのシステムにあります。 最初の中間審査に通る作品は、純粋な読者投票で、 作品のフォロワー数と星の数で競うからです。 カクヨムに荷物
我が家では、昨日から、 数名VSアメの大論争が勃発している。 ことの起こりは、「カクヨム」という小説サイトで、私が、ある方が書いたクイズ形式の小説の答えに、およそ、あっち方向の解答をだしたことからはじまったのだ。 さ、こっから、長い話になっからね。 じっちゃんの、どうにもくだらない長話レベルだから。 面倒だからって、そこ、読み飛ばそうってしたな。 いい根性だ。 アメは、そういう子が嫌いじゃない。 とりあえず、読んだって、スター押しとけ。どうせ、あんまり意味ないし気にもしてないぞ(いや、ちと気にしてる)。 でだ、そのグタグタと長い話なんだが。 つまりだ。 クイズ当て小説。 ふん、いいかね。アメはな、だいたいテレビのあきらかに犯人顔のやつが犯人だって出ていても当てられない女なんだ。 最後に犯人ですってつかまってとき、 うわっ、全くわからんかった! などと驚く、そんな推理作家にとっちゃ、垂涎のマ
疾走しています♡ 本当に本当にありがとうございました カクヨムで掲載中の短編小説について、その冒頭にいろいろなご意見があり、迷いきってしまった私。それで、困り果てて、昨夜、みなさまのご意見を伺いにきました。 『5分で読書:あなたを忘れたくない……』の冒頭問題です。 1日すぎた、今日、カクヨムとブログの20時の時点で集計いたしましたところ。 Aのケース ・・・ 8 Bのケース ・・・ 13 Cのケース ・・・ 35 Dのケース ・・・ 1 『Dなんて書いてないから、某3さん。いつまでも不良親父さまなんだから、もう。きっと学生時代も先生にテヘペロしてらしたでしょ(笑)』 と、圧倒的にCケースが多く、先ほど、Cの内容で冒頭を書き換えてきました。 本当に、お世話になりました。ありがとうございます。それから、こんな私のために、お答えいただいて、とても嬉しかったです。 なんだか、やっぱりはてなブログの
困っているのに、下手なアメのイラスト🙏 みなさまお元気ですか? 「カクヨム」で、下手な小説を書いてる新人アメです。 で、いま、非常に困っております。 あちらのカクヨムで行われているコンテストに新しい作品を投稿しました。 公開したあとで、なんと今更に、その冒頭に迷っています。 いろんな方に校閲をいただいて、最初に公開したときより、ずいぶんとよくなった、なんて自惚れているんですけど。 ともかく、誰かに講評をいただくって、本当に嬉しいし、助かります。 ひとりで書いていては、決してわからない人の目。 これ、ものすごく大事だなって思います。 で、またまた、困っています。 わからない、ほんと、わからない。 『5分で読書:あなたを忘れたくない……』の冒頭問題。再び再燃!! kakuyomu.jp 上記の物語の冒頭です。 いろいろな方のご意見をもとに、3パターン、新たに書いてみました。 どれがいいのか、
以前に角川武蔵野文学賞に出した 「100年と1秒と1時間の私」。 一応、最終候補まで残り、その結果はまだでていないのですが。 どんどん、公募に出されているカクヨムの皆さまに刺激されて、もう一つ、別の短編を別の公募にだしました。 10月5日が締め切りの『「5分で読書」短編小説コンテスト』 『カドカワ読書タイム編集部が、「学校の朝読で読みたい短編小説」を募集するコンテストを開催! 3,000文字以上6,000文字以下の作品を募集』 上記の公募に別の短編を出してみました。 締め切りは10月5日でした。 こちらの募集期間は11月24日まで。 現在、738作品が出品されており、まだ、締め切りまで1ヶ月余もあります。出品される作品は1000を超えると予想されるので、この先どうなるかわかりませんが、昨日から週間のランキングが発表され、私の書いた作品が1位になっていました。 カクヨムのトップ画面 タイトル
中間発表に書かれていました。 先ほど、こちらに久しぶりにブログをアップしながら、皆さまのお返事を書いたり、いろいろしていましたら、 『カクヨム』で知り合った方から近況ノートに。 「アメリッシュさん!! 武蔵野の中間選考で残ってますよ。 私応募された三作品の内一番100年が。いけるって思ったので、予想があたってうれしいです(笑)」って。 え? えええ? むっちゃ嬉しいです。 びっくりして、その返信が、今みると超クール。 「え? それは、今、鳥肌が立っています。 或る女じゃ、ないんだ。 ふう、嬉しいです。ありがとうございます。みて来ます。 知らなかった。 でも、或る女じゃないんだね。 びっくりしてます」 あのね、自分! 動揺して、なに返事してんの、もう、です。 ともかくまだ、中間発表で最終候補だそうです。840作品のなかで25作品に残れて嬉しいです。 はてなブログで1年、ブログを書くことで、文
「明智光秀によろしく」完結パーティ うほほ〜〜〜いい やったやった。 なにがやったって、『カクヨム』で書いている長編小説がついに完結したんであります。 (ご存知ない方も多いかもしれません。 かってに盛り上がっています! 実は、私、カクヨムという小説サイトで「明智光秀によろしく」という転生物語を書いております) この物語は、昨年、5ヶ月ほどかけて、こちらに連載したオババとアメの戦国時代転生物語のリライト作品です。 さて、最終回を書くにあたって。 以前、こちらに書いたとき、アンケートをさせて頂いたの覚えていらっしゃる方もおありかもしれません。 最終話を登場人物が「死ぬか」、「生かすか」で、とても悩んで、皆さまにアンケートをお願いしました。そのおり、僅差で『死ぬ』が優勢という結果になりました。 そうして、私は登場人物の弥助を殺しました。おっ、こう書くと怖いね。これって、殺人幇助? あるいは、安楽
夫は見た! 夫は三田! じゃない、見た! 自宅のリビングルーム、 妻と妻の母がテーブルの横でフロアに正座して、そして、他人行儀にお茶を飲んでいる姿を見た。 だから、リビングのドアを音を立てないように、そっと閉めたのだ。おそらく嫌な予感がしたのだろう。 夫は危機管理意識が高い。 高すぎて、すべての危険ゾーンを回避すること神のごとし。 いわゆる、石橋叩いて渡るタイプだ。 石橋を叩く前に渡りきる実母のオババ、その息子とは思えない用心深さだ。 ま、あの姑に育てられたとすれば、数々のいろいろの何ちゃらかんちゃらがあったことは容易に想像できる。 育ちからくる結果の用心深さ。 そして、幸いなことに? リビングのふたりは夫に気づかなかったようだ。 夫は母を自分の親より気楽に感じていた。 私の母は天然。人の言うことを信じて疑うことをしない。 夫は一人になりたいとき適当に逃げる癖があって、それを姑は許さない。
目 次 人の基本は働くがベース 働く人種 怠け者人種 新書『働くアリに幸せを』存続と滅びの組織論 ・・・・・テレッテテテテェ・・・・・ 人の基本は働くがベース 働く人種 基本、人間は働きたい動物だ。怠けていると死んでしまう。 ヒト科の亜種に『怠け者』という種がいることを、ほとんどの学究の徒は知らない。まあ、知らなくて当然ではあるわけだけど。 そこ! 学究の徒と書いたからって慌てて生物学をググらないで。 グーグル検索しても出てこないから。 造語であります。 それもアメ語だから。 そう、たぶん多くの人が混乱して間違えていることはあると思う。 人は誰もが怠けたいと思っていない! いや、逆に働きたいと思っているんだ。 例えば、超多忙なビジネスマンから仕事を取り上げると、大抵の場合、また別の超忙しい何かを始めるのが普通だ。そして、ほとんどの人は、なにかしらの仕事をしていないと精神を病みはじめる。時に
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