◇共通する「責任逃れ」「曖昧な情報流し」 繰り返してほしくない「被害者の対立」 「福島第1原発事故は水俣病と似ている」と語るのは、写真家ユージン・スミスさん(78年死去)と共に水俣病を世界に知らしめたアイリーン・美緒子・スミスさん(61)だ。今回の原発事故と「日本の公害の原点」との共通点とは何なのか。京都を拠点に約30年間、脱原発を訴えてきたアイリーンさんに聞いた。【小国綾子】 「不公平だと思うんです」。原発事故と水俣病との共通点について、アイリーンさんが最初に口にしたのは、国の無策ではなく「不公平」の3文字だった。 「水俣病は、日本を代表する化学企業・チッソが、石油化学への転換に乗り遅れ、水俣を使い捨てにすることで金もうけした公害でした。被害を水俣に押しつける一方、本社は潤った。福島もそう。東京に原発を造れば送電時のロスもないのに、原発は福島に造り、電力は東京が享受する。得する人と損する
◇病気申告できぬ状況も理解を 被告はてんかん発作による事故を過去5回起こし、医師の再三の忠告にもかかわらず運転を続けていた--。傍聴席で私はあぜんとした。栃木県鹿沼市で小学生6人が死亡したクレーン車事故で自動車運転過失致死罪に問われた柴田将人被告(26)に対する先月の宇都宮地裁の初公判で、検察側が冒頭陳述で明らかにした内容だ。閉廷後、「悲劇を繰り返さないため」と記者会見を開いた遺族は声を詰まらせ、最高で懲役7年という現行法の厳罰化や、危険運転致死罪の適用拡大を訴えた。 事故を受け、運転に関して、てんかん患者であることの申告の厳格化(不申告に罰則を設けるなど)を求める声が高まっている。もちろん、再発防止のための議論は必要だが、そもそも、てんかんという病気や患者についての理解は十分だろうか。 あるてんかん患者を紹介したい。事故直後「患者の置かれた立場を分かってほしい」と連絡してきた滋賀県の男性
人口より猫が多い「猫の島」として知られる宮城県石巻市の田代島。東日本大震災の津波で甚大な被害を受けたが、島民に大事にされてきた野良猫たちは地震や津波に負けず、たくましく生き延びていた。 田代島は、作家・井上ひさしさんが「ひょっこりひょうたん島」のモデルにしたともされる島の一つ。かつては養蚕が盛んで、猫はネズミよけとして飼われていた。やがて猫が自然繁殖を始めた後も「大漁を招く」として島民に大事にされ続け、島の中心部には「猫神社」も建つ。島民によると、震災前と変わらず約80匹の猫が生き延びたとみられる。 海岸近くの自宅で野良猫に餌やりをしている畠山和子さん(72)は「地震の時は、私たちよりも逃げるのが早かったくらい」と当時を振り返る。津波が引いてしばらくすると、山の方から猫が下りてくるのが見えた。「きっと猫神社の方へ逃げていたんでしょう」 心配なのは餌不足。島の仁戸田漁港で漁師の「おこぼれ」に
◇「甘え増えた」3~4割 ストレスで親に余裕なく 東日本大震災後、乳幼児を持つ母親で「子どもが煩わしくてイライラしてしまうこと」が「よくある」「時々ある」と答えた人は7割に達することが、ベネッセ次世代育成研究所のインターネット調査で分かった。同社が昨年行った郵送調査では、同じ回答は54%で、震災は子育てにも大きなストレスを与えているようだ。【田村佳子】 「子どもが煩わしい」と答えたのは、首都圏の母親で71%。首都圏・東北以外の母親でも70%と変わらず、直接震災を経験したかどうかを問わずイライラを感じている。同じ質問は4回目で、「煩わしい」が70%を超えたのは初めてだ。 子どもの言動の変化について首都圏の母親に尋ねると、震災後2週間に母親に甘えることが増えたのは0~2歳児の32%、3~5歳児の41%。震災2カ月後でも0~2歳児の31%、3~5歳児の26%は甘えが続いていた。年齢の高い子の方が
カタルーニャ国際賞の授賞式で、スピーチする作家の村上春樹さん=スペインのバルセロナで2011年6月9日、ロイター 9日のスペインのカタルーニャ国際賞授賞式で配布された作家村上春樹さんの受賞スピーチの原稿全文は次の通り。(原文のまま) 「非現実的な夢想家として」 僕がこの前バルセロナを訪れたのは二年前の春のことです。サイン会を開いたとき、驚くほどたくさんの読者が集まってくれました。長い列ができて、一時間半かけてもサインしきれないくらいでした。どうしてそんなに時間がかかったかというと、たくさんの女性の読者たちが僕にキスを求めたからです。それで手間取ってしまった。 僕はこれまで世界のいろんな都市でサイン会を開きましたが、女性読者にキスを求められたのは、世界でこのバルセロナだけです。それひとつをとっても、バルセロナがどれほど素晴らしい都市であるかがわかります。この長い歴史と高い文化を持つ美しい街に
【パナソニック・JT】第3セット、JT・宮下のスパイクをブロックするパナソニック・枩田(左)とフォンテレス(右)=大阪府立体育会館で2011年5月2日、後藤由耶撮影 黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会、この男がいなかったら、パナソニックは勝てなかったかもしれない。今大会直前、2年ぶりにチームに戻ったブラジル代表・フォンテレス。前回決勝で対戦したJTを返り討ちにする立役者になった。 パナソニックは第3セットを24-22から4連続失点で落とし、第4セットも嫌な流れを引きずり16-15。ここでフォンテレスが強力サーブを2本続け、相手レシーバーをのけぞらせて得点。3本目のサーブは一転して緩く前に入れ、レシーブミスからチャンスボールを得て川村のスパイクにつなげた。アタッカーとしても活躍し、このセット終盤のジュースでは、ライト攻撃の清水とともにレフトから強打をさく裂。南部監督が「勝負どころで確実に決
【堺・ジェイテクト】第2セット、ジェイテクト・其原のスパイクをブロックする堺・金井(8)ら=大阪府立体育会館で2011年5月1日、小川昌宏撮影 第60回記念黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会(毎日新聞社、日本バレーボール協会主催)は1日、大阪府立体育会館で男女グループ戦各8試合を行った。男子は4連覇を狙うパナソニックのほか、サントリー、東レ、JT、豊田合成、FC東京のプレミアリーグ勢が2連勝で各組2位以内を確定し、決勝トーナメント進出を決めた。東亜学園高(東京)は2戦全敗でグループ戦敗退。女子はJT、デンソー、久光製薬、トヨタ車体、NEC、岡山が2戦全勝で8強入りとなり、東レもセット率でB組2位以内を確定した。古川学園高(宮城)はパイオニアから1セットを奪ったが敗れ、女子の高校・大学勢は全て2連敗でグループ戦敗退が決まった。 ◇男子グループ戦 【A組】大分三好(1勝1敗)3-0大商大(2
東日本大震災に伴い、東京湾沿岸で液状化現象が確認された面積は少なくとも約42平方キロと世界最大だったことが地盤工学会の現地調査で明らかになった。阪神大震災の4倍以上の規模。茨城など他県でも液状化が確認されており、今後の調査で被害範囲はさらに拡大する見通しだ。 液状化は、地下水が浅い所を流れている砂地の地盤が震動によって液体状になる現象で、埋め立て地で起きやすい。東京電機大の安田進教授(地盤工学)らは3月12~23日、東京・お台場から千葉県浦安市、千葉市にかけての東京湾沿岸を調査し、液状化が確認できた場所の面積を積算した。 その結果、同エリアだけで東京ドーム約900個分に相当する42平方キロと推計された。過去最悪の液状化被害とされた今年2月のニュージーランド地震の被害面積(約34平方キロ)を上回る。 地下水と砂が一緒に噴き出す「噴砂」も各地で見られ、浦安市や東京都江東区などでは噴砂の厚さが約
JR東日本の清野智社長は5日の会見で、東日本大震災で津波の被害を受けた八戸、山田、大船渡、気仙沼、石巻、仙石、常磐の在来線7線区について、地元自治体や国と協議し、すべて復活させる方針を明らかにした。 4日現在、7線区の施設被害は計1680カ所。気仙沼線は駅舎の消滅が9駅、線路や橋桁流失などが240カ所に上ったほか、仙石線390カ所、常磐線800カ所など7線区とも路盤や軌道の痕跡すらないほど壊滅的な被害を受けた。 清野社長は「地域再生に鉄道は不可欠。町づくりの段階から関与し、復興につながるようなルートで復活させたい」と約束した。 震度5強を記録した首都圏の当日の対応については「激しい揺れで全線区の徒歩点検に時間がかかり、運転再開を断念した。ホームからの転落など混乱による事故を防止するため駅のシャッターを閉めたが、結果的に配慮に欠けていた」と陳謝。今後、震災時の運転再開と避難者対策を再検討する
東日本大震災で宮城県気仙沼市に住む92歳の祖母を亡くした、お笑いタレントのマギー審司(37)が18日、東京都内で募金活動を行った。同県栗原市の実家の神社が被害を受けた狩野英孝(29)も参加。マギーは「芸人は笑わせることが仕事。家で落ち込んでいる姿はおばあちゃんも見たくないはず」と悲しみをこらえ、笑顔で協力を呼びかけた。 募金を行ったのは渋谷の劇場「マッスルシアター」前。平日で人通りはまばらだったものの、2人は「東北のためにご協力お願いします!」と大声で呼びかけた。 決まったのは17日深夜。マギーは震災直後から募金活動を希望していたが、都内の駅前などで道路使用許可がなかなか下りなかった。友人のタレント池谷直樹(37)が「一緒にやりたい」と賛同してくれたことで、震災で休演している「マッスルミュージカル」の協力を得ることができた。ツイッターで活動を知ったタレントのゆうたろう(41)も駆けつけ、石
31日午前2時45分ごろ、福島市伏拝(ふしおがみ)の会社員、西沢博幸さん(56)方から出火、木造2階建て住宅延べ約90平方メートルを全焼し、1階の焼け跡から4人の遺体が発見された。西沢さん方は6人家族で、県警は、連絡が取れない4人とみて身元確認をする一方、西沢さんの次男(21)が放火した疑いが強まり同日夜、現住建造物等放火容疑で逮捕した。 県警福島署によると、連絡が取れないのは、1階で寝ていた西沢さんの父広治さん(89)▽妻貴子さん(58)▽三男(19)と、2階で就寝中だった長女(29)--の計4人。西沢さんも2階にいたが、電柱を伝って逃げ、煙を吸い込むなどしたが、命に別条はないという。次男は一時行方不明になったが市内で無事が確認され、同署が次男に出火時の状況を聴いていた。 近所の住民らによると、広治さんと貴子さんは脳梗塞(こうそく)で歩行が不自由で、同居の子たちには知的障害があったという
客に飲み物を提供する「おばあちゃんメイド」たち=西池袋の特設会場「カフェ・ロッテンマイヤー」で、岸桂子撮影 ◇美術作家・やなぎみわさんプロデュース 若さもてはやす社会刺激 わざと高齢に見える「老けメーク」をした若い女性らが給仕を務める期間限定のカフェが、豊島区西池袋の東京芸術劇場前広場に出現した。その名は「カフェ・ロッテンマイヤー」。アニメ「アルプスの少女ハイジ」に登場する執事の名にちなむ。プロデュースしたのは、昨年のベネチア・ビエンナーレ日本館代表を務めるなど国際的に活躍する美術作家、やなぎみわさん(43)。若さばかりがもてはやされる日本社会を刺激する。 やなぎさんは、若い女性が自身の50年後を演じる写真作品「マイ・グランドマザーズ」など、年配女性をモチーフにした作品を多数発表してきた。今年、最先端の舞台芸術を紹介する祭典「フェスティバル/トーキョー」の主催者からイベント参加の打診を受け
【ロサンゼルス支局】米ネバダ州リノの5歳の雄ネコ「ステウィー」が、「世界最長のネコ」としてギネス世界記録に認定された。 地元紙によると、「ジェントルジャイアント(穏やかな巨人)」と言われるメインクーン。鼻先からしっぽの先までが123センチ。日本人の7歳男児の平均身長に匹敵する。それまでの記録を約1.3センチ更新した。 飼い主のロビン・ヘンドリクソンさんによると、3年ほど前から、度々、「ワオ、何て長いネコなの」と言われるようになったという。ヘンドリクソンさんは、「ステウィーが学校で、子供の癒やしに一役買えれば」と話している。
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