古い記録を見ていて、大学一年の頃、ブライアン・オールディスの『手で育てられた少年』というのを読んだことを思い出した。この題名は要するにオナニーのことで、しかし別に面白くはなかった。確か『幻想文学』で書評されていたので読んだのだろう。 SFと私小説というと対極にあるように見えて、存外そうでもない、新井素子なんかもろに私小説を書くし、吾妻ひでおもそうだし、「ソラリス」なんて一種の私小説、とか書こうとしたのだが、別にそれを言ったら大衆作家がふと私小説を書くというのはよくあることだし、いま挙げた例はあまりに恣意的かつ少ないし、どうせ究極のアウタースペースとインナースペースが一致するとかそういう話になるのは見え見えだし、バカバカしいので書くのをやめた。これは捨てネタである。 - 『小説トリッパー』で小沢自然が小野正嗣の小説を書評しているんだが、それって明らかに仲間褒めじゃないか。小沢よ、そういうこと