九州厚生局麻薬取締部が覚醒剤取締法違反(営利目的所持)容疑などで逮捕した男女が、医療費の負担がない生活保護受給者であることを悪用して医療機関から向精神薬を大量入手し、インターネットで全国に転売していた疑いがあることが、関係者への取材で分かった。福岡地検は男女について、最高刑が無期懲役の麻薬特例法違反(業としての譲渡)を適用した。 福岡地裁に起訴されているのは内縁の夫婦で、福岡県直方市津田町、無職須山千恵美(43)と同、無職和田東樹(60)の両被告。 関係者によると、2人は共謀し、2010年4月9日〜同8月30日、千葉、静岡、東京などの延べ49人に対し、覚醒剤計約15・6グラムと向精神薬計約600錠を、封筒に入れて郵送したり自宅近くの駐車場で手渡したりし、計約135万9000円を得た、とされる。向精神薬は1錠100〜500円で販売していたという。 生活保護受給者の医療費は自治体が負担するため