「後輩」議員だった菅直人氏の首相就任に「うれしいよ」と笑顔の楢崎弥之助さん。「経験上教えられることがあったら電話しますよ」と語った=福岡市東区で2010年6月4日、三木陽介撮影 第94代の首相に就いた菅直人氏(63)。その誕生を「わが子のようにうれしい」と福岡市東区の自宅で目を細めて見守った翁(おきな)がいる。楢崎弥之助さん(90)。96年に引退するまで衆院議員を計11期務め、「国会の爆弾男」の異名を取った。政界屈指の論客とされる菅氏の「師匠」でもある楢崎さんは、逆風の中でかじ取り役を買って出た後輩に、「あえて火中の栗を拾ったのが彼らしい」とエールを送った。【三木陽介】 2人の関係は77年の参院選にさかのぼる。当時、楢崎さんは社会党のベテラン議員。一方、菅氏は東工大理学部を卒業後、市民運動に参加していた新人。「頼みます」と頭を下げる30歳の菅青年に、楢崎さんは「よか」と二つ返事で応援役を引