ある著名な経済学者は“市場は感情の産物である”という言葉を残した。真理は消費者こそ景気浮揚の命運を握っている。これが経済の本質なのだが、なかなかどうして思った様に踊ってはくれない。先週のアベノミクス経済成長第三弾に端を発し、株価と為替の乱高下で市場には失望と悲観が渦巻き、このままでは消費者心理はデフレ時代に逆戻りである。 仮にアベノミクスで芽生えた希望と期待から景気浮揚の波に乗ったとしても、実像が映し出す日本市場の将来は憂色で重苦しい。内閣府のレポートが示すように、家計における消費支出(家計消費)は人口動静と深く相関している。地域の人口が増加すれば消費は増大し、人口が減少すれば消費は冷え込む。 よく考えれば当たり前の話だが、その一方で、いまや沖縄県と一部の大都市圏しか人口が増加しない現状が日本にはある。大阪府・京都府・兵庫県の近畿圏や千葉県でさえ人口は減少しているのだ。確実に日本の消費者は