北海道の北にある巨大な島サハリンは、 じつは稚内からわずか40数キロしか離れていない 〝日本にもっとも近い外国〟だ。 昨年の夏、香港・ベトナム・台湾・モンゴルのアジア諸国を放浪した さすらいの旅人ホーボージュンさんが、 この夏は北方の島サハリンへ旅に出た。 最終回となる今回はいよいよ山中へと足を踏み入れた。 オホーツクを望む絶景の地でその胸に刻んだものは……。 (サハリン前編はこちらから) ハスカップとウィルダネス 「ハアハアハア……」 予想通りの急登だった。 「ハアハアハア……」 これだからロシアン登山はいやなんだ。 歩き始めてわずか15分で僕はすっかり汗だくになってしまった。トレッキングパンツが太腿に貼り付いて足もうまく上がらない。登山口の森の中は風通しが悪く、蒸し暑かった。額を伝った汗が目に入り猛烈に染みる。今日もハードな1日になりそうだった。 それにしてもロシア人は本当に「直登」が