シアターコクーンで『民衆の敵』を見てきた。言わずと知れたイプセンの有名作で、ジョナサン・マンビィ演出である。この演目は一度見たことあるのだが、その時は演出が気に入らなくて全然面白いと思わなかった…ものの、今回はとても良かった。 主人公は医師で科学者であるトマス・ストックマン(堤真一)で、研究者として地元の温泉の研究と開発に非常に情熱を傾けている。ところがその温泉に水質汚染が発覚し、トマスはみんなのために良かれと思ってこれを告発しようとする…のだが、市長である兄(段田安則)をはじめとする街の人々から思いも寄らない形で圧力をかけられることになる。 セットは北欧の家や新聞社を模したよくできたものだ。手前に川というか温泉というか、検査用の水を採取するような場所もある。全体にヴィジュアルはなかなか良かったのだが、ただセットのすごく奥で台詞をしゃべると一部ちょっと聞き取りづらくなるところがあったのと(