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ブックマーク / www.lovepiececlub.com (10)

  • LOVE PIECE CLUB - 田房永子 - 「マッドマックス 怒りのデスロード」には中年のオバチャンが出てこない

    「『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は、フェミニズムの専門家に取材して作った映画らしい」と友人から聞いて、期待して映画館に来ていた私は、フュリオサの運転するウォータンクには当然いろんな世代の女がごちゃ混ぜに入ってると思っていた。女のひとりが「息が出来ないの」とフュリオサに助けを求めて車の床から顔を出した時も、「あの砦にいたすべての女がたくさん入ってるんだから、酸素も薄くなるだろうなあ」と思った。フュリオサはカッコよすぎてとてもじゃないけど自己投影できない。タンクの中にはきっと、ズングリムックリの女や東洋人っぽいメガネの女がいるはずだから、そいつに感情移入してスカッとしよう、という腹づもりだった。 しかしタンクの中にいた女たちは、たったの5人・・・・・・。 しかも白い羽衣みたいな布を身につけた女神のような美女だけ。ハイハイハイって感じだった。私の「マッドマックス 怒りのデス・ロード」は一

    LOVE PIECE CLUB - 田房永子 - 「マッドマックス 怒りのデスロード」には中年のオバチャンが出てこない
    karatedou
    karatedou 2015/08/04
    評論芸。
  • LOVE PIECE CLUB - 田房永子 - 自意識過剰で被害妄想な女は笑ってよい

    先日、インドの偉大なる聖人女性、アンマの来日イベントに行った。アンマは世界で最も影響のあるスピリチュアルリーダーの一人。分かりやすく言うとダライ・ラマ的な人である。アンマ来日イベントの件はまた別で詳しく書きたいのだが、今回はアンマが入場してきた時のことに触れたい。すごかった。 会場は、アンマを待つ何百人もの人たちの熱気であふれていた。入場口から舞台まで、赤いじゅうたんが敷いてある。アンマが歩く花道だ。朝8時から並んだ私が誘導されたのは、偶然にもアンマが入場の儀式をするポイントの目の前の座席だった。 白い布に身を包んだアンマが歩いてくる。オレンジ色の布に身を包んだインド人男性の僧侶たち5名ほどが、アンマの背後を囲むように並んでいる。日人スタッフたちがアンマに丁寧におじぎをし、アンマに花びらをかけたりしている。ここにいるみんながアンマを慕い、尊敬し、感謝している。今日集まった人たち全員へこれ

    LOVE PIECE CLUB - 田房永子 - 自意識過剰で被害妄想な女は笑ってよい
    karatedou
    karatedou 2015/07/02
    前半は有吉論、後半はおかずクラブ論。どちらも2015年のお笑い論として秀逸すぎる。
  • LOVE PIECE CLUB - 田房永子 - どぶろっくと痴漢の関係

    小学生の頃、「そろそろそういう時期」みたいな感じで、「変なやつがいるから気を付けなさい」と母から忠告を受けた。「女は痴漢に遭うんだから気を付けなさい」という意味である。母の予言通り、小学生の頃に痴漢に遭い、そのあともぽつぽつと遭い、中学2年生からは痴漢被害に遭うことが「日常」になった。触られるだけではなく、バイクで着けられたり、ずっと隣を歩かれて話しかけられたり、いきなり「写るンです」で写真を撮られたり、自転車のかごに卑猥な手紙を入れられたり、とにかく「性的な視点を含んだいやがらせ」を毎回違う見知らぬ男から受けた。大抵は乱雑なものだったが、たまに紳士な感じで丁寧に話しかけてくる者もいた。 「さっき、駅で立ち読みしていましたよね。おうちまで送りますよ」 そう言われても、駅から10分くらいかけて住宅街まで着けられてたんだ、と分かっただけでも気持ち悪いのに、「家まで送る」って意味が分からなすぎて

    LOVE PIECE CLUB - 田房永子 - どぶろっくと痴漢の関係
  • LOVE PIECE CLUB - 高山真 - 「みんなキレイぶってステキぶって楽しぶってるけど ざけんじゃねえよ」という生き方こそがリアル?

    アタシはね“ザマアミロ”って思った そのとおりよ “ザマアミロ”って 世の中みんな キレイぶって ステキぶって 楽しぶってるけど ざけんじゃねえよって ざけんじゃねえよ いいかげんにしろ あたしにも無いけど あんたらにも逃げ道ないぞ ザマアミロって なーんてね アタシがいまでも時々棚から取り出して読むマンガのひとつに、岡崎京子の『リバーズ・エッジ』があります。冒頭に挙げたセリフは、登場人物の人気モデル・こずえが、河川敷に打ち捨てられた死体を見たときの感想を、主役のハルナに伝えた言葉なの。 主人公のハルナは「現実・現在」を把握しきれず(あるいは、把握することを最初からあきらめて)、どこにも動けずにたたずんでいるキャラクター。対してこずえは、「現実・現在」というものを、少なくとも見通してはいるキャラクターなの。読むたび、こずえのこのセリフは、鉛を飲むように胸に落ちてくるわ。 さて、今日のネッ

    karatedou
    karatedou 2014/07/06
    マツコ&有吉について。【「オカマ=下品」というお約束に乗らず、チャラいノンケモデルとひとからげにしてから「下品」と斬る。こういうところで、人としての品のよさが表れるんだと思うわ。】
  • LOVE PIECE CLUB - はっちゃん - 太田光や伊集院光にはわからない、つまりオッサンには見えない、女の子の革命。

    こんにちは、はっちゃんです。 先日、近所に住む4歳児の女の子が大きな声で「アナと雪の女王」のテーマソングを歌ってました。 「ありのままの 姿見せるのよ」 「ありのままの 自分になるの」 4歳の女の子が力強く歌う姿に、私、しばし胸打たれ、しゃがみこんで一緒に歌っちゃいましたよ。 その女の子のお母さんに聞けば、今、幼稚園では「アナと雪の女王」ブームが起きているとか。そして女の子たちはみんな、アナではなくエルサ、雪の女王に共感しているのだ、と。ディズニーショップでもアナのドレスではなく、エルサ(雪の女王ね)のドレスから売れていくのだ、と。 ご覧になった方も多いかと思いますが、「アナと雪の女王」、ディズニー初の女性監督作品です。そして、画期的な仕掛けがされています。その仕掛けを一言で言えば、魔女役をオトコが担ってる、という点。プリンセス物語の定番「魔女」を、「アナと雪の女王」では、プリンセスがやっ

  • 批判的な手紙をもらう|田房永子の女印良品

    批判的な手紙を49歳の男性からもらった。封筒の中にはプリントアウトされた紙の束が入っていて「この手紙は、貴台および貴著に対してかなり激しい表現を用いています。田房さんの心の平和を乱すおそれがあります」と、仰々しい前置きが書かれた表紙が1枚ついていた。母との決別を描いた私のコミックエッセイ「母がしんどい」の感想で、こんな「批判です!」って感じのが送られてきたのは初めてだった。「注意! まず編集部が読んでから、田房さんが読み耐えられるかどうか判断してから人へ渡してください。無理と判断した場合は破棄してください」と書いてある。編集部へ送られてきた手紙は、私より先に編集部が封を開けて読むことはない。どんだけ私はこの手紙からヒドく罵られるのだろう! 「著者は自分自身のことしか目が向いていない」とか「○○ページにある結婚式のエピソードで、主人公は怒って両親との決別を決意しているが、そんなに怒ること

    karatedou
    karatedou 2013/03/28
    「批判的な手紙をもらう」
  • パンツを見せる女の子|田房永子の女印良品

    小学4年生の時、「パオパオチャンネル」という関東ローカルの子供向け番組が学校で爆発的に流行っていた。月から金の夕方の帯番組で、曜日によってMCが変わる。毎日面白かったけど、当時スターになったばかりのウッチャンナンチャンがMCをする金曜日は特に人気があった。アメフトの格好をした男子が床に並べられた大きなカルタを取り合うゲームとか、床をプールに見立て床泳ぎの速さを競うゲームとか、「ドラえもん」にまつわるクイズのコーナーなどがあった。そのほとんどが毎週「出演者募集」をしていて、視聴者の小学生が多く出演していた。 その中で唯一、女子向けの競技があった。「下脱がしレスリング」というもので、3対3で敵の下を脱がし、1分間で多く脱がしたほうが勝ちというもの。勝ったら豪華なおもちゃやグッズがもらえる。毎週それをボーッと見ていたのだが、クラスの女の子Aちゃんが「一緒に出よう」と誘ってきた。もう一人のBち

  • 北原みのり|村木厚子さんと東電OL

    村木厚子さんと東電OL 2010年10月10日 文芸春秋10月号、江川昭子さんがまとめた村木厚子さんの手記を読んだ。 事件の経緯だけでなく、村木さんが生きてきた道が丁寧に描かれていた。 村木さんは検察で嘘の調書を強要され、抵抗し続けてきた拘留期間に、こう考えたという。 「検事の土俵にいる限り、私が勝つことなんてありえない。だとすると、やらなきゃいけないのは負けてしまわないこと」 そのために村木さんがしたのは「目標を低く設定すること」だったという。しかも驚いたことにその目標はたった二つ、こういうものだった。 「体調を崩さないこと」 「落ち込まないこと」 目が覚めるような「ケンカの作法」である。「戦い方」である。いったい、私のフェミはなんだったのか、と思った。 私が村木さんの立場に立ったとしたら・・・と想像するだに恐ろしい。 自殺したと思う。 死なずとも心は完全に死んだと、思

  • 北原みのり|よしもとばなな

    よしもとばなな 2009年12月20日 同世代の友だち2人と事をしている時、よしもとばななの話になった。 ちょっと前、よしもとばななのエッセーがネットで話題になった。こんな内容だ。 ”友人たちと居酒屋で飲んでいる時、一人が持っていたワインを飲むため、店員に「グラスを持ってきて」と頼んだ。その店員は快くグラスを運んで来てくれたのだが、それをみた店長が「それは困る」とテーブルにやってきた。「こういうことを許したら、きりがなくなるから」というのがその理由で、いくらお金を支払うから、と言ってもその店長は取り合わなかった” これだけで終われば何もなかっただろうが、よしもとばななは続けてこんなことを書いてしまった。 「もしも店長がもうちょっと頭がよかったら、私たちのちょっと異様な年齢層やルックスや話し方を見てすぐに、みながそれぞれの仕事のうえでかなりの人脈を持っているということがわかるはずだ」(『人

    karatedou
    karatedou 2009/12/22
    おもしろコント。オチもきれい。
  • 「元アイドルの強さ」|捨ててゆく私 茶屋ひろし

    「元アイドルの強さ」 2009年9月24日 去年のコラムで中森明菜のことを書いたとき、読んでくれた人から、内容がマニアックでちょっと気持ち悪かった、という感想をいただきました。けれど懲りずにまた書きます。すみません。 今年の夏は明菜で始まり明菜で終わりました。六月からのアルバムの三ヶ月連続リリース、八月の音楽番組の出演、そして横浜での十日間ライブ、今までになく精力的な活動でした。CDを買い続け、テレビを録画して、ライブにも行ってきました。明菜の活動を追うことくらいでしか、動かなかったような夏でした。 長いことファンでありながらコンサートは初めてでした。なぜか一番前の左端の席がとれて、ナマ明菜を近くで見ることができました。椅子に座ったまま、ちっちゃい、ほそい体を折り曲げたりそらしたりしながら、太い声を出していました。昔の光沢のある声ではありませんが、声量は健在でその声には凄みがあります(

    karatedou
    karatedou 2009/09/25
    痺れるほどの名文。
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