独特の存在感がある俳優で漫談家のいか八朗さん(78)が芸能生活五十五周年を機に引退することになり、来年四月に記念の引退寄席を豊島区で開く。銭湯をテーマにした今年のヒット映画「テルマエ・ロマエ」にも出演したが、長年住んでいたアパートを追われ、生活保護を受けながら豊島区の施設で暮らす。引退寄席は、苦境にあるいかさんを励まそうと芸人仲間が企画した。 (丹治早智子) あのビートたけしさんをして「演芸界の三奇人」と言わしめたいかさん。高知県出身で、特技はウッドベースやサックス演奏だ。一九五七年に作曲家として日本マーキュリーレコードに入社。後に俳優に転身し、渥美清さん出演の映画「拝啓天皇陛下様」などに出演。三十四歳からコントや漫談で浅草や名古屋の演芸場に出るようになった。