「中平銘文」のアップ中国の年号を示す「中平」の2文字が金象眼された大刀。純金であることが分かった(東京国立博物館提供。大刀は6月6日まで同博物館で公開中) 邪馬台国の女王・卑弥呼が中国から譲り受けたともいわれ、中国の2世紀後半の年号「中平」などの文字が象眼(ぞうがん)で記された奈良県天理市の東大寺山古墳出土の大刀(たち)(重要文化財)について、象眼が純金だったことが、東京文化財研究所(東京都台東区)の調査で分かった。国内で金象眼の文字のある大刀は数本しかないうえ、銀が数十%含まれる例は確認されているが、純金は極めて珍しい。中国の高度な製錬技術で作られた大刀が日本にもたらされた可能性を裏付けるものとみられる。 東大寺山古墳は4世紀中ごろの築造で、全長約140メートルの前方後円墳。昭和36年に発掘され、20本以上の大刀や槍(やり)、碧玉(へきぎょく)製腕飾りなどが発見された。 金象眼の大刀(長