過激な発言で知られるフィリピンのドゥテルテ大統領(71)の暴言が止まらない。21日には、自身が進める強権的な麻薬犯罪対策を国連に批判されたとして、国連脱退の可能性を表明した。ヤサイ外相は22日、脱退は否定したものの、国連の批判に「大統領は失望し、いらだっている」と非難した。政権の強硬姿勢は国際社会から強い批判を浴びているが、治安改善の実績を背景にした、国民からの高い支持が衰える気配はない。【ニューデリー金子淳】 「国連からの脱退も検討しなくてはならない。(国連が)無礼なくそ野郎なら、我々は去るだけだ」。地元紙によると、ドゥテルテ氏は21日、ダバオ市内で記者会見し、こう言い放った。さらに国連を「愚かな機関」だと断じ、中国やアフリカ諸国を招き、国連に代わる新たな国際機関を作る考えも示唆した。