ちょっと大人の仲間入りをした気分で訪れていた高校時代から大学、社会人と折に触れてココアを飲みに、あの空間に静かに座って色んなココアの缶を眺めに通っていました。その後、結婚し、子供が生まれて自分一人のゆったりとした時間を過ごすことがなくなって暫く遠ざかっていたけれど、子供が4才くらいの時、たまたま買い物で近くを通ったとき、ふと思い立って、子供の手を引いて、あの急な階段を上ってドアを開けると、オーナーの女性が「ここはお子さまは‥‥」といいかけたと同時に、昔の記憶を思いだし、あ、そうだった、このお店は子連れはご遠慮くださいっていうお約束になってたんだとは気づきました。すみません、と帰ろうとしたとき、オーナーは静かに、でも威厳を漂わせた風に、少し屈んで子供の目を見つめて「静かにできる?」と覗きこんで尋ねました。すると子供は「はい」と返事をして、じっとしています。その様子を見たオーナーは「どうぞ、お
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