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2022年10月14日のブックマーク (1件)

  • 14 - 異能探偵(空っ手) - カクヨム

    確かに、あっという間の出来事ではあった。 スプーンの頭が柄の部分からずるりともげ落ち、白いテーブルクロスの上に音を立てて落ちた。 「…………」 強引にひん曲げたり、無理矢理捩じ切ってみせたのなら、壱八もこれほど驚きはしなかっただろう。しかも、青年がスプーンの首に触れたのは、ほんの僅かな時間でしかなかった。 どうして、こんなに呆気なく。 胴体から切断され、なおも黄金色に輝くスプーンの頭をテーブルから拾い上げた大賀飛駆は、柄の部分と併せて朱良に手渡した。勝ち持った表情をしてもよいくらいなのに、青年の面持ちは何故か暗く沈んだままだった。 スプーンの折れた箇所は、まさに切断されたというに相応しい綺麗な断面を、外気と衆人の視線に晒していた。手で捩じ切ってこうも美しい切断面になるとは、物理的に、常識的に考えづらい。俄かにも、かつ長い目で見ても信じがたいことだった。 違うのか。壱八の当感は、そう簡単には

    14 - 異能探偵(空っ手) - カクヨム
    karatte
    karatte 2022/10/14