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ブックマーク / densyodamasii.com (11)

  • 注、索引、この悩ましいものたち

    悩ましいEPUBの「注」 EPUBを作っていて結構手間がかかるのを覚悟しなければならないのが「注」です。注は紙のでは脚注、頭注、段間注、章末注、巻末注など配置位置によってさまざまに分類されていますが、(少なくとも現在の)リフローのEPUBでは同一画面内に注と文を表示する脚注や頭注は再現が難しいので、注のテキストは章末や巻末に移動して文内の合印との間に相互リンクを設定することになります。Amazonは現在制作仕様として注の相互リンクの設定を求めていますし、実際リンクの設定がないと電子で注を参照しながら読むのはかなりストレスがたまるので相互リンク設定を指定することの意味はよくわかります。ただ、数百の注が存在するような類のでは相当な手間がかかるのも確かです。また、どう頑張ってもエンタメと同レベルの売り上げは期待できない難解な人文書などでは、コンテンツが複雑化・高度化すると制作費用の回収

    注、索引、この悩ましいものたち
  • 電子を含む出版物制作の流れをあらためて考えてみる

    テキスト系出版物制作の流れを電子を含めてあらためて最適化できないかと考えています。 出版社から発売される電子書籍はこれまでほぼ印刷用DTPデータから作られてきました。書籍の制作は実際にの形に組んでみて、各段階で出力したものに赤字が入り、再校、三校とブラッシュアップされていって最終的に完成に至る、という形で行われるため、完成した状態の最終テキストはDTPデータの中にしか残っていないのが普通です。このため、電子化に際してもDTPデータから注意深くテキストを抜き出す必要がありました。 ただし、DTPデータを完成させる過程では、(例えば強制改行のような)特殊文字が挿入されたりもしますし、また、組版結果としての見た目は同じでも、オペレーターによって作り方が全然違ったりもします。例えばリストの項目部分だけが別テキストボックスになっているといったようなあまり感心できない作られ方がされているケースも多々

    電子を含む出版物制作の流れをあらためて考えてみる
  • EPUBの校正を考える

    DTPデータからEPUB3データを作る際に避けて通れないのが、EPUB3データの校正作業です。もとのデータにあったテキストブロックや画像が飛んでしまっていてはコンテンツとして意味をなしませんし、制作過程においてルビや圏点、太字などの修飾要素が飛んでしまったり、縦組みで正立していた文字が横転してしまったりという事態も避けなければなりませんから、もとの紙のと引き合わせての校正は避けられません。 現状、この目的のための専用定番アプリ的なものはありませんので、既存のものを組み合わせてどうにかするしかありません。 引き合わせ校正を目的とした場合に最適なEPUBビューアの条件 ということで、紙の底との引き合わせ校正を目的とした場合のEPUB閲覧環境の条件を考えてみます。条件としては 1. 1行文字数をできるだけ底のそれに合わせられるビューアがよい 2. 間違いがあった箇所をチェックするためのハイ

    EPUBの校正を考える
  • デバイスの高解像度化が止まらない

    iPad Proが発表になりました。前々から噂は出ていましたが、やはり12.9インチの大型液晶デバイスがAppleから発表になったことはインパクトがあります。このデバイスの登場には電子書籍制作側としてずっと関心がありました。それは、「縦2048ピクセルを越えるパネルを搭載してくる可能性があり、印刷データで現在使用されている画像の電子書籍用の流用の分岐点を越える」可能性があったためです。iPad Proが2732×2048ピクセルのパネルを搭載して登場してきたことで、どうやらこれは現実になったと言えます。高解像度タブレットはこれまでもKindle Fire HDX 8.9などがありましたが、Appleがここのラインに足を踏み入れたことで、完全に一般化したと言えるでしょう。 300〜400dpiが一般的な「印刷物に用いる画像の解像度」 写真などの画像(ビットマップ/ラスター画像)をオフセット印

    デバイスの高解像度化が止まらない
  • EPUBのフォント埋め込みのライセンスについて

    最近何度か仕事で扱う機会のあった、EPUBでのフォント埋め込みに関してちょっと書いておこうと思います。 現状、EPUBの表示フォントは、デバイス/ビューアの持っているフォントを使わざるを得ないため、コンテンツ制作側での指定としては、明朝/ゴシックおよび並字/太字の指定が行える程度で、DTP制作のように細かな書体指定は難しい状況にあります。 まあ紙書籍と電子書籍はそもそも異なるものですので、将来的にDTP制作と同じように細かなフォント指定ができることが望ましいかといえばそれも疑問なのですが、それでもどうしても特定のフォントで表示を行いたいケースはあります。 例えば「見出しに特太丸ゴシック体を使いたい」ですとか、「プログラミングソース部分を等幅欧文フォントで表示したい」、「中国語の人名を簡体字の字形で表示したい」などといった場合です。 こういった場合、フォントそのものをEPUBに埋め込み、OP

  • 電書協ガイドEPUB用試し読みファイル生成スクリプト

    電子書籍の制作時に、コンテンツファイルと同時に納品が求められるものに「試し読みファイル」があります。これは例えばAmazonであれば画面右側の「1-Clickで今すぐ買う」ボタンの下にある「今すぐ無料サンプルを送信」ボタンから各端末に配信することで読める「試し読み用コンテンツ」のことで、通常冒頭の10%程度を読むことができます。BookLiveなどでは現在ブラウザ画面内で試し読みが出来るようです。 この「試し読みファイル」は、各配信ストアや電子取次がサービスとして作成することを行っている場合もあるようなのですが、まだ別途必要とするストアもあるようで、現状まだ納品が求められます。また、各配信ストアや電子取次の作った試し読みファイルは出版社に支給されるわけではないため、自社サイトでのプロモーション用途には別途ファイルを用意する必要がある、といった事情もあるのではないかと思います。 このため、コ

    電書協ガイドEPUB用試し読みファイル生成スクリプト
    kasahi
    kasahi 2014/07/16
  • 「電書ラボEPUB制作仕様」について

    先日公開されたグループ「電書ラボ」のWebページにて、「電書ラボEPUB制作仕様」が公開されました。 「電書ラボEPUB制作仕様」に関する基的な概要は電書ラボサイトの紹介文を見ていただくとして、作成に関与した者として、ここではもう少し突っ込んでこの仕様の性格と狙いを書いておこうと思います。 電書協ガイドのサブセット まず、この仕様は電書協ガイドのサブセットとして作成したものです。「電書協EPUB 3 制作ガイド」(以下電書協ガイド)およびそのサブセットについての解説は、先日ITmediaに掲載された@lost_and_found氏の記事が参考になるでしょう。 多少補足をしておくとすれば、電書協ガイドおよびそのサブセットは「量産ラインのためのもの」であるという点です。今後、出版社ベースの電子書籍の制作は大きく分けて「紙の書籍の内容をほぼそのまま電子化するもの」と、「デザイナーが関与して企画

    kasahi
    kasahi 2014/05/16
  • EPUB3ビューアのIVS・サロゲートペア対応状況in2013年4月 | 電書魂

    前回のエントリで予告させていただいたように、各EPUB3ビューアのUnicode IVS・サロゲートペア文字対応の最新状況をチェックしてみました。外部からのEPUB3の取り込みをサポートしていないビューアもありますので完全とはいきませんが、ある程度の参考にはなるのではないかと思います。なお、チェックしたのはこのあたりを参考にしてサロゲートペア303文字、前回のmonokanoさん、NAOIさんの資料を参考にしたIVS文字127文字(Windows8でIVS対応した文字)です。IVS文字、サロゲートペア文字ともにこのテストの文字が全てではありませんので、あらかじめご了承ください。 各ビューアの画面スクリーンショットを収めたPDF資料をダウンロードできるようにしておきましたので、適宜ご参照いただきながらお読みいただければと思います。また、テストに使用したepubデータも同じくダウンロードできる

  • 電子書籍と「価格」について | 電書魂

    早いもので、このブログも3月末で開始後一年を迎えます。面倒くさがり屋の私が、ひとつのテーマで一年もブログを続けられたのは、読者の方々および、多くの助言をいただいた電子書籍関係者の皆様のおかげと思っております。 昨年の今頃には、緊デジ事業開始の説明会に参加する準備をしながら、それでもまだ電子書籍当に普及に向かうのか一抹の不安は隠せませんでした。そして当時はここまでどっぷりと緊デジ事業に関わることになろうとは思ってもおりませんでした(笑)。 さて、今回は約一周年ということで、昨今何かと話題の「電子書籍の価格」について少し考えてみたいと思います。電子書籍の価格が「紙書籍に対して高いか安いか」というような論説はすでにすでにあちこちで語られています。ただ、これについては出版社の主張する「正当な価格」と、消費者の期待する「望まれる価格」の間に、依然としてかなりの落差がありそうに見受けられるのも事

  • 電子書籍の「DRM」について考えてみた | 電書魂

    昨今、電子書籍のDRM(デジタル著作権管理技術)についての話題がたびたびネット上で取り上げられています。DRMは、その昔「コピーガード」などと呼ばれていたころから、ソフトウェアの違法コピーを防止する目的で存在し続けてきた技術です。ただ、このDRMは、常に回避技術との競争にさらされ、ユーザーが購入したものを自由に取り扱う権利を阻害する側面があるとして批判を受け続けてきた存在でもあります。 そうしたDRMの現状を確認するべく、先日、「JEPA 第14回 EPUBセミナー ~IDPFのDRM対応とガイドライン解説~」に行ってきました。DRM技術の方向性は、今後電子書籍が普及していくにあたっての大きなキーになるファクターのひとつと思われ、それを再認識させてくれるとても有意義なセミナーでした。こちらのセミナーの内容に関しましては、ちくちく日記さんに詳細な書き起こしレポートエントリがアップされていま

  • 紙で読みますか? 電子で読みますか? | 電書魂

    電子書籍の話題も、最近は大分一般認知されてきた感があります。このごろは電車の中でタブレットを操作している人をちらほら見かけるようになりました。そのうちのどれだけの人が電子書籍を読んでいるのかは分かりませんが、ひところに比べれば電子書籍の読者も増えてきているのは間違いありません。しかし、紙の書籍の読者の数とでは、比較対象にもならないのが現状とも思います。 正直、自らを省みても、こんなブログを書いていながらほとんどのを紙で買って読んでいます。まだまだ電子書籍は「紙の書籍」を押しのけて買わせるだけの魅力は持っていないように思えるのです。このもやもやした 紙の書籍>電子書籍 な感じを払拭しない限り、電子書籍の大規模普及は難しいようにも思えます。個人的には全ての書籍が電子書籍に置き換わる必要はなく、状況に応じて紙の書籍と電子書籍を選んで読める環境があれば良いとは思っていますが、現状では「電子書籍

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