「これはオレの愛だ!」 客席に豚の頭や内臓をぶちまけたザ・スターリンのボーカル遠藤ミチロウが抗議に来た客に言い返した言葉だそうだ。 かえすがえすもクェンティン・タランティーノ/QTの登場は映画史において重要だった。そう思わされるのは、センスの無いジャンル映画風のタイトルバックや、画面にそぐわないのも構わずに混入される70’sソウルやバブルガム・ポップを聞いた時、深いため息と共にだ。 一般的に「QTらしい」「QTっぽい」と言った場合、単なる懐古主義だったり下品なジャンルものを愛でるような人々を、かなり大雑把に指す表現として機能している。 もちろんQTは古い映画に造詣が深いし、その中にはポルノやホラーといった多くの人に敬遠される下品な作品も多い。ただ、同様に新しい映画も好きだし、上品とされる作品も好んでいる。つまり「QTらしい」といった言葉を正確に定義するなら「恐ろしいほど映画好きがしそうな感
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